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#3206 ふるさと納税:根室に7億円の寄付  Dec. 16, 2015 [87.根室の話題]

 ハンドルネーム「相川」さんが、ビッグニュースを教えてくれた。

*http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151215-00000007-mai-soci
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<ふるさと納税>カニ返礼で寄付7億円 北海道・根室

出身地や応援したい自治体に寄付できる「ふるさと納税」制度で、北海道根室市への2015年度の寄付者数は約3万6600人の見通しとなり、制度が始まった08年度から14年度までの平均に比べ約640倍に増加する見込みであることが分かった。寄付金額は約50倍の約7億2000万円に達するとみている。寄付者への特典として今年度から、特産のカニを導入したことが人気の理由とみられる。

 市によると、14年度までは寄付者にしおりとお礼の手紙を送っており、寄付は年平均57人・1342万円だった。しかし、今年6月から外部サイトと連携し、1万円以上の寄付者に希望する特産品を返礼する仕組みを導入すると、11月までに約1万700人・約2億円の寄付があった。寄付金控除の期限が迫った今月は、10日間で2億5000万円の申し込みがあったという。特産品は90品から選べるが、花咲ガニなどのカニ類を希望する人が3分の2以上を占めるという。

 ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」の11月の閲覧数では根室市は全国7位だった。

 市は特典に予想以上の経費がかかるとして補正予算の編成を検討中。担当者は「ふるさと納税は特典の経費を差し引いても大きな収入になり、市税収入約28億円の自治体にとっては非常にありがたい」と話している。【本間浩昭】
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【法の趣旨】
  ビッグヒットである。
 「ふるさと納税」とは、ふるさとへ寄付をすることで、その額の所得控除(当該年度)と住民税控除(翌年)がなされるというもの。だから、「納税」ではなく「寄付金」である。寄付金だからそれに対する「お礼」の生まれる余地ができてしまった。
 法の趣旨は、生まれ故郷を離れて暮らしている人たちがふるさとを応援することにあり、そのためにできた制度である。
 大企業の本社の90%以上が首都圏に集まって、税収の不均衡が起きているので、それを緩和するという意味合いがあったのだろう。

【法の趣旨からの逸脱】
 ふるさとの応援だから、「ふるさと納税」に特典をつける必要はないのだが、その地方の特産品を「お礼」として贈ることが慣例となってしまった。ふるさとでもないのに、「お礼」目当てに寄付をする人が急増していることは、法の本来の趣旨からの逸脱が急増していることでもある。
 豪華な「お礼」のある市町村が話題となり、「ふるさと納税」が集中するが、それが本来の方の趣旨から外れていることは小学生でもわかる理屈だ。

【データの公表:運用の透明性確保】
 「お礼」に地元の特産品が使われているが、市町村と地元業者の間に不明朗な関係が生じやすい。どのような仕入れ価格になっているのか、「ふるさと納税」とそれに使われた「お礼品」にいくらかかったのかは、ホームページ上で公表すべきだろう。

【使い方】
 別会計にして、花咲線維持や高校2校体制維持、空きや取り壊し準備金など、使途については市民自由参加で毎週日曜日総合文化会館で議論してもいいのではないか。中標津町は市民オープン参加方式で町づくりビジョンをつくっている。そろそろ閉鎖的なやり方を改めるときです。

【商売の真実と人口減少ストップ】
 取引額が大きくなれば、地元業者はそれで潤うことになるが、法の趣旨を逸脱するような、行き過ぎの「お礼」が全国の市町村に横行すれば、法律が書き換えられる可能性がでてきてしまう。

 過度に「ふるさと納税」に依存してはいけない。江戸期から守り伝えられてきた商道徳に「浮利を追わず」という条がある。浮利を追い続ける企業は長続きできないのが商売の真実である。そんなことをしていたら、「足腰」が弱り、独りで歩けなくなる。
 「ふるさと納税」による売上増期待はほどほどに、まじめにコツコツ販路を開拓を続けるのがなにより。根室の業者の皆さん、本筋を忘れないでしっかり商売してください。

 若い人たちが夢と希望をつないで暮らすことができれば、人口減少はとめられます。そのためには健全な経営をしている地元企業が増えなければならない。浮利を追ってはなりません、くれぐれもほどほどに。

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ZAPPER

ふるさと納税の指南本が売れています。
がしかし、この制度、いかがなものでしょうか…。

まるでカタログ本で商品を注文するかの感覚の納税者。
他方、懸念される自治体と企業の癒着。

きっと、すぐにそうした事例が報告され、そして批判を浴びることになるのでしょうね。
by ZAPPER (2015-12-16 14:52) 

ebisu

ZAPPERさん

法の趣旨を忘れ、脱法行為さながらの過剰な「特産品御礼」をするほうも、好餌に釣られるほうもどうかしています。

そういう日本人が増えているのは事実、だからこそどこかの国の総理大臣が「美しい日本」を声高に叫んでいたのでしょう。最近はそういう声を聞かなくなりました。

わがふるさとの子どもたちは「美しい日本」の心を失わないでほしい。
by ebisu (2015-12-16 15:47) 

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