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#3109 癲癇症患者による人身事故:東京池袋 Aug. 19, 2015 [8. 時事評論]

 昨日来雨が降り続いており、最高気温は15.2度。高校は昨日が始業式だが、6時間授業、前期の後半の授業が始まっている。
 今日から市内の中学校は夏休みが終わって最初の授業。気温が下がって、根室はすっかり秋模様。
 昨夜の気温は14度、
 「先生、日本中でいまストーブつけているの根室くらいなもんだよね」
 「たしかに、外は寒い、すっかり秋だ、サンマも獲れだしている」

 さて、東京池袋で交通事故があった。池袋東口で西部デパートの前のロータリー、懐かしい場所だ。加害者は医師、当初は持病がないと言っていたが、癲癇症患者で台東区内の病院で9年にわたって治療を受けていたことが判明している。事故を起こした直後、喚き暴れたので数人の警察に取り押さえられている。

NHKウェブニュースより抜粋
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150818/k10010194311000.html
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この事故は16日の夜、東京・豊島区のJR池袋駅前で乗用車が歩道に乗り上げて、歩行者5人を次々とはね衣料品販売店に突っ込んだもので、41歳の薬剤師の女性が死亡し、4人がけがをしました。
警視庁は車を運転していた東京・北区の医師、金子庄一郎容疑者(53)を18日、検察庁に送り、危険運転致死傷の疑いで調べています。これまでの調べで金子医師には、てんかんの持病があることが親族や主治医の話で分かっていますが、その後の調べで20年余り前にてんかんと診断されたとみられることが分かりました。
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 93年に福島圏内の臨床検査会社と資本参加交渉をまとめて、そのご請(こ)われてその会社へ出向した。1年くらいして、営業マンの一人が癲癇症患者であることがわかった。まれにではあるが、発作が起きれば意識がなくなるので、毎日黒間を運転する営業職(営業+検体集荷作業)は無理と判断して営業事務への異動を社長と相談して決めた。営業活動や検体収集中に癲癇発作による運転事故を起こしたら、会社の管理責任が問われるのと、関係会社での事故ということで親会社へも影響しかねない。出向中役員のわたしはグループ企業全体のリスク管理を考えねばならない。親会社で子会社の管理をしていたときに、グループ会社のリスク管理をどうするかが話題になっていたことがあった。関係会社で不祥事が起きれば、同じ名前を頭につけていれば、一社の不祥事がグループ企業全体のイメージダウンとなるからだ。

 この件については多少もめた。営業職から営業事務職への異動に伴い給料が下がるから、そのことに本人がクレームを申し立てた。結婚していて子どもが二人居る社員だったから、給料が減るのはつらかっただろう。しかし営業職での採用だったから、癲癇症だとわかっていたら採用しなかったことを告げ、納得がいかないなら他に職を探してくれて結構だと申し渡した。21年前もバブルがはじけた後で、再就職が難しい時代だった。採用時の癲癇症の無申告を理由に解雇しなかったのは会社の温情であることに気がつかない。
 営業事務職の女子社員を営業職へ異動した。これもその女子職員が嫌がった。ずっと営業事務職で仕事ができると思っていたからだ。営業職とはいっても、検体集荷業務だけでよい旨伝え、営業職への異動だから営業手当てが増額になると言って納得してもらった。

 2013年に道路交通法が改正になり、癲癇症患者については以下のように免許取得に制限が加えられている。
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(免許の拒否等)
第90条
 公安委員会は、…(中略)…次の各号のいずれかに該当する者については、政令で定める基準に従い、免許(仮免許を除く。以下この項から第十二項までにおいて同じ。)を与えず、又は六月を超えない範囲内において免許を保留することができる。
一  次に掲げる病気にかかっている者
イ 幻覚の症状を伴う精神病であって政令で定めるもの
ロ 
発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であって政令で定めるもの
ハ イ又はロに掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの
一の二  介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)第五条の二 に規定する認知症(第百三条第一項第一号の二において単に「認知症」という。)である者
二  アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
 ──以下略──


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 道路交通法施行令第33条では病名について以下のように具体的な記述がある。
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(免許の拒否又は保留の事由となる病気等)

 法第90条第1項第1号イの政令で定める精神病は、統合失調症(自動車等の安
全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くことと
なるおそれがある症状を呈しないものを除く。)とする。
2  法第90条第1項第1号ロの政令で定める病気は、次に掲げるとおりとする。
 一  てんかん(発作が再発するおそれがないもの、発作が再発しても意識障
   害及び運動障害がもたらされないもの並びに発作が睡眠中に限り再発する
   ものを除く。)
 二  再発性の失神(脳全体の虚血により一過性の意識障害をもたらす病気で
   あつて、発作が再発するおそれがあるものをいう。)
 三  無自覚性の低血糖症(人為的に血糖を調節することができるものを除く)
3  法第90条第1項第1号ハの政令で定める病気は、次に掲げるとおりとする。
 一  そううつ病(そう病及びうつ病を含み、自動車等の安全な運転に必要な
  認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれが
  ある症状を呈しないものを除く。)
 二  重度の眠気の症状を呈する睡眠障害
 三  前二号に掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、
   判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を
   呈する病気 。

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  法律の改正はずいぶんと時間がかかるもののようだが、民間企業はリスク管理上、結論を出すのが速いし、こういうことへの対策には迷いがない。

 癲癇症患者を車の運転をする職種では雇えないが、一時的な(発作的な)意識障害を起こしても大事のない職種はいくらでもある。そういう配慮を企業がすればいい。大企業の人事担当者は採用に当たってそういうことも考慮してもらいたい。


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