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#1998 根室で新しい雇用形態の創造:新規求人倍率1倍越す  July 5, 2012 [87.根室の話題]

 7月4日の北海道新聞に
5月の根室職安管内 求人倍率1倍越す サンマ漁に向け早期確保
という見出しが出ていた。
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【根室】根室公共職業安定所によると、根室管内の5月の新規求人倍率が1.08倍(前年同月比0.16ポイント増)となり、5月としては異例の1倍を超えた。8月からのサンマ漁本格化に向け、根室市内の水産加工業者がパート従業員などの確保に早くも動き出している。(栗田直樹)
 
 新規求人倍率は1ヵ月の間に申請があった求職者に対し求人数の割合を示す景気の先行指標。常用・パートを含め、管内の6月は求人429人に対し求職者数は396人だった。前年同期に比べ求人数が22.6%増と求職者数の伸び(3.9%)を大幅に上回り、4月の新規求人倍率から、0.25ポイント改善した。
 雇用環境の改善を牽引しているのが水産加工業だ。水産業が分類される製造業の「食料品」の求人は、5月だけで60人と前年に比べ50%(20人)増えた。根室職安の加藤高雄所長は「水産加工各社が、サンマ漁が最盛期になる秋に向け、前倒しで人材の確保を急いでいる」と説明する。・・・
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  人の使い方の上手な会社=従業員をだいじにする会社は人材確保が容易にできることは50年前の日本合同缶詰の時代もいまも変らない。市内の海岸近くに四工場あったが人の集まる工場と人集めに苦労する工場がハッキリ分かれていた。人が集まるか否かは工場長や現場監督の人の使い方次第だった。人材確保に困る会社は経営が下手で従業員を大事にしていないと思っていい。独りよがりな経営には能力の低いイエスマンしかいなくなるもの。

 水産加工場の戦力は年配のおばちゃんたちだが、高齢化しつつあるのが実態で、仕事がきつくてやめる人もいる。一日おきならあと10年働けるという60歳代の人もいるだろう。
 二人組でお互いに日程を相談してどちらか一人が毎日仕事をするというような雇用形態を考えるべきではないか?60過ぎたら身体がきつくなるが、一日おきなら働けるという人は案外いるのではないだろうか?
 こういう風な雇用形態をとると、原料がたくさん獲れたときには、臨時に数日間両方出勤してもらえば余計な人数を抱えないでフレキシブルに人員をラインに確保できる。

 自分の会社の経営にどういう人材が必要なのか、雇用形態の多様化が可能かどうかなど、経営者として考えるべきことがある。ベトナム人を入れる前に、新たな雇用形態を考えたのだろうか?

 「地元で買い物をしよう」というキャンペーンは企業経営の人材確保にも言えることだろう。安易に外部に人材を求める前に、経営者はいまいる従業員、そして地元の人材を有効に使うことに智慧をしぼるべきで、利益が薄いところに研修名目でベトナム人を雇用してもすぐに戦力にはならないから、数年間は先行投資になり経営を圧迫する。そうした費用増加を吸収できるだけ収益性の高い会社なら問題は起きないが、そうでなければ歪はでる。
 言葉の問題もあるから通訳も必要だ。中国人のように先輩がいて後輩を指導するようになるまで5年間はかかるのではないか?
 利益が薄ければ、宿泊施設やその他の経費などにかかる費用は既存の人員の人件費を数年にわたって削らなければならないことはありうる。カットしやすいのは賞与だ。人件費カットは志気の低下を招きかねないし、その影響は品質低下となって思いもかけぬところにあらわれるものだ。正直に誠実に仕事をするのがバカバカしくなるからで、他人の見てないところでも手を抜かずに自らの判断で品質向上のためにやっていたことをやめてしまう。正直な仕事をするベテランの志気をくじいてはいけない。正直者が損をしないような経営ができるかどうかは経営者の腕次第。

 市長の口車に乗った水産加工会社数社とかかわりを持たない水産加工会社があり、サンマ輸出やベトナム人雇用で判断が分かれた。従業員は自分たちの生活の問題に直結するから経営者の行動をじっと見ている。
 市政と過剰にくっつけば会社の地力を減退させることになる。補助金や市の予算を当てにした商売はよほど注意していないと経営をイージーなものにしてしまう。経営基盤がしらないうちに脆弱化していることに経営者は気がつかぬ。ドラッグに頼り深みにはまるようなもの。
 ebisuは高校を卒業してから35年間、根室不在だったから知っていることは少ない。だが、いくつか前例があるのではないか?最近話題になり転売先がようやく決まった花咲港のある事業もそうした例の一つなのかもしれない。
 市政には近づかない独立不羈の会社とそうではない会社、時間とともに優劣がはっきりするのだろう。

 何が正解ということはないから、いろいろな判断があっていい。「新陳代謝」が地域経済の活性化に必要だとすると、地元企業全部が発展する必要はないのである。同じ政策をとっても企業体力との関係で生き残る企業と行き詰る企業に分かれる。個別企業を成り立たせている条件はそれぞれ異なっている。

 根室の水産加工に携わっているのは、50年前は道内各地や青森から集めた十代の女工さんたちだった。ところが根室の水産加工会社は従業員を大事にしなかったから、人と仕事の管理が上手な責任者がいて人材確保できる工場と人使いの下手な責任者=女工さんの集まらない工場にはっきり分かれた。人使いの上手な責任者が退職すると、いままでいた人たちが見切りをつけて根室から他の地域へ散って行った。人材という基礎が崩れれば会社経営はいずれ行き詰る。

 人使いが上手で仕事の能力の高い責任者とやる気の高い女工さんが揃って初めて高品質の水産加工が可能になることは、いまも昔も同じだ。
 従業員を大事にして、上手に使ってみたらいい。二人で交替で出勤できるような新しい雇用形態を創出できた会社はこれから30年人材確保に困らない。そういう会社だけが時間のフルイにかけられて残る。がんばれ根室の企業!


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