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#1951 市民に背を向ける市議会:定数削減に賛否両論(北海道新聞) May 27, 2012 [87.根室の話題]

 前回選挙のときに問題の検討すらやらずに無責任に定数削減問題を持ち越した市議会はその後サボタージュするかのように特別委でゆっくりした議論をしてきた。中間報告は市民4団体の削減要求には背を向けた定数維持の言い訳に過ぎないものだった。5月23日付の道新根室地域版が各派の意見を載せている。

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定数削減に賛否両論
 市議会改革委 
結論持ち越し
【根室】市議会改革調査特別委(佐藤敏三委員長)は22日、議員定数と報酬のあり方を協議し、現行20の定数については削減・現状維持の両論が出され、結論を次回以降に持ち越した。報酬は現状維持でおおむね一致した。
 委員個々が意見を述べ、定数について明確に削減に反対したのは共産党。創志クラブの2委員は2減と現状維持をそれぞれ主張。市政クラブは「削減した場合、議会改革で目指す議員活動ができるか不安」と指摘した。
 明確に削減の必要性を主張したのは新風と無所属。新風は2減、無所属は「ゼロとか2減では市民の理解を得られない」として4減を念頭に入れていることを明らかにした。
 今後は各階派で再度検討し、6月1日の次回委員会で協議する。佐藤委員長は「採決で決めたくはない」として各派に歩み寄りを求めた。根室市の議員1人当たりの人口は489人で道内の人口5万人以下の19市の中では多いほうから10番目。議員報酬は月額31万5千円で、人口1人当たりの負担額は19市中、多いほうから13番目。(石川徹)

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 うまいまとめかたである。最後の方は特別委の中間報告書で定数を減らさない言い訳に使われた資料ではなかっただろうか。さっと一読してあきれた論の中に資料としてあったような気がする。
 19市の中には歌志内市(5499人)、三笠市(12,285人)、夕張市(13,615人)、赤平市(14,782人)、芦別市(19,502人が含まれている(支局長はさりげなく記事に組み込んだ)。もちろん、5万人以上の市を比べたら人口一人当たり議員数は数倍にハネ上がる(わたしは東京で住んでいた日野市の周辺の市(府中市、調布市、武蔵野市、八王子市)とブログ上で比べたことがある)。何を基準とするかで結論がまるで異なるものとなるから、基準の採り方の中にすでに結論が隠されている。
 人口の少ない道内19市との比較は姑息といっていいだろう。信頼をなくすからこういう結論みえみえの意図的な比較はしない方がいい。誰がこんな比較資料があると囁いたのだろう、特別委メンバーの見識と品性の問題にかかわる。

 問題なのは市議会が本来機能である市政チェック機能をや提案機能を果たしえていないことなのだろう。これだけ学力問題で根室が道内最低であることが報じられていても、ひとりも先進地域に調査にすら行かない。「政務調査費」もまったくの無駄らしい。釧路では月田市議が品川区や秋田県内の市町の学校に調査に行って報告書をブログにアップして、市議会の中に学力問題に関する超党派の検討委員会を立ち上げて精力的に活動している。4月下旬には釧路新聞と「釧路の教育を考える会」の共済で学力問題に関するフォーラムも開いた。
 根室の市議会はコンサルタント提案の2倍を超える62億円の病院建て替え予算に誰一人反対することなく承認した。その後予算はさらに積み増しされた。そして病院事業赤字は記録を更新し続け昨年度ははじめて13億円を超えてしまった。長谷川市政になってから5億円も赤字幅が増えている。建て替え後の病院事業赤字は15億円を超えるだろう。市議会は建て替え予算にも病院事業にもチェック機能を果たせていない。

 特別委の仕事も遅い。委員会専用掲示板を立ち上げてメンバーが書き込みながら議論を進めれば、数ヶ月で結論をまとめることができる。実際にわたしたち「釧路の教育を考える会」はfacebook上に専用掲示板をもって議論をしているから、スピードのある議論が可能となっている。

 庭のむさきつつじが風にそよいでいる。気温は13度、となりの桜は満開である。大きく広がったたくさんの枝がやはり冷たい風にそよいでいる。根室の市議会もしなやかに市民風にそよいでみないか?
 市政チェック機能すら果たすことができないのなら、一端大胆に5名減らし、弊害があってこまるという強い市民要望がわきあがればそのときにまた増やしたらいいではないか。60歳を過ぎた市議はボランティアでいいから、月10万円でいいだろう。50歳前の専業市議には10万円プラスする余裕も生まれる。

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コメント 7

urchin

こんにちは、ebisuさん。

ebisuさんが記事で取り上げていたので、議員定数削減の話はかなり前から知っていたのですが、まだあまり進んでいないのですね。

僕も議員定数は削減した方が良いと思っています。
何か良い物を作ったり、すごいことを成し遂げようと思ったら「競争」が必要だと思うからです。競争があるから会社はより良い会社になることができ、競争があるからスポーツや勉強も伸ばすことができる。競争は社会のためにも、そして自分のためにも大事なものです。もちろん競争が必要無いこともありますが。

根室には高校が2校しかありません。しかも毎年入試では定員割れ、あったとしてもほんの少しだけ定員を超すだけ。ほとんど競争がありません。そのような環境だから高校に入学するまでにあまり勉強をしない人が多く、能力の高い人が育たない。勉強なんてしても何も意味が無い、と言う人すらいます。だから根室は日本で一番学力が低い地域なのかもしれませんね。
根室に住んでいると、競争をすることなく大人になることができる気がします。そしていざ社会にでたらいきなり競争に晒され困ってしまう。

市議選は競争が無いから候補者の方たちは切磋琢磨する必要がなく、仕事ができない人でも市議になることができる状態。議員の仕事を一生懸命にやっている人がいるのはわかっていますが、全員ではない。議題に関して反対する人が全然いないというのは不思議なことですね。これでは根室を良い町にすることはできません。

根室をほんとに良くしたいと思うのなら、議員定数を削減して、ほんとに根室の事を思って仕事をする人だけに議員になってもらいたいです。そしてそれぞれの議員が選挙で切磋琢磨してよりよい議員となる。僕は、こういう事が根室を良くするためには必要なのではないかと思います。

無風の選挙が続いている状態で今の議員定数を維持しようという考えは、お金がもらえるポジションを確保しておきたいからと思ってしまいます。

by urchin (2012-05-27 15:02) 

もやしさんま

競争のない地方議員って一種の特権階級ですね。自分たちで収入を減らす決定なんて無理ですよ。議員収入がこの人たちにとっては唯一の安定収入かもしれないし。考えてみれば来年にはまた市議会議員選挙あるんです。一年後にはまた地元紙で誰が出る出ないとやるわけです。もう市民団体も諦めて議員定数削減求める署名も歳費削減要求署名もないでしょう。そうしたら選挙が終わったら、定数削減要求署名がなかったと言って議題から取り下げられるでしょう。
仕方がないですね。市民はお金を稼ぐ人、公務員はお金を使う人、議員はお金をもらう人。
by もやしさんま (2012-05-27 22:10) 

ebisu

こんにちわ、urchinさん。
若者らしい素直な意見ですね。さわやかです。

適度な競争がなければその社会("村")は全体にレベルダウンしていくもののようです。学力、市議会議員、市長それぞれのレベルに共通項は適度な競争と健全な批判精神の欠如。
根っこは学力と志の高さなのでしょう。

根室を出て暮らしたことのない人は、都会暮らしの激烈な競争がなかなか実感できない。
高校卒業までのんびり・・・そして専門学校や大学ですこし休憩、そしていきなり激烈な競争社会へほうりこまれます。

のんびりしすぎです。小学校や中学校でもっと学校統廃合を進めて競争を体験させるべきです。それぞれ市内全域で4校体制でやれるでしょう。市街化地域は2校でお釣りが来ます。

あなたのような素直な意見を「~検討委員会」のメンバーたちや市教委の皆さん、教育長、市長がもってほしいものです。
なんにもむずかしいことはないのです。

素直な意見をありがとう。そして根室の大人たち(市議、市長)もこういう純な素直さをとりもどしてほしい。
by ebisu (2012-05-28 14:24) 

ebisu

もやしさんまさんへ、

昨日釧路の教育を考える会に出席し、3次会までお付き合いして、いまもどったところです。

おっしゃるとおり、自分たちで議席を減らすのはムリのようですね。数ヶ月前に出された特別委の中間報告書の内容を読めばハッキリしています。

でも、無所属の3人はそういう意見に与しないようです。どうなるのかもうすこし様子を見ませんか?
腐った林檎ばかりなら、根室は夕張の後を追います。それもりかたないこと。税制規模の1割を超える病院事業赤字が数年で続ければ否応なしに変わらざるを得なくなります。夕張市のように・・・議席の数も、市役所職員の数も、市民の数も激減することになるだけです。否応なしにそうなります。
"おごれるもの久しからず"でしょう。
by ebisu (2012-05-28 14:32) 

もやしさんま

書きすぎたと反省しています。不快な思いをした人にはお詫びします。きっとみんなが納得する答えを今年中に出してくれるものと期待しています。
by もやしさんま (2012-05-30 17:40) 

Hirosuke

>競争のない社会

ドラマ「北の大地」そのままの世界なんですね。

美しくもあり、
非現実的でもあり。

あのドラマで共演⇒結婚した二人は、
とうの昔に離婚。

うぅーん、
現実は厳しい。

by Hirosuke (2012-05-30 18:41) 

ebisu

もやしさんまさんへ

書くとどうしても言葉が強くなりがちです。たくさん書いているうちに丸くなればいいのですが。

書き過ぎたとの率直な反省と、市議会議員諸氏への期待表明、感じがいいですね。
by ebisu (2012-05-30 22:49) 

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