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#1890 SOS:専門学校入学前の課題プリント  Apr. 4, 2012 [60. 進路(進学・就職)]

 大阪は集中豪雨と暴風、東京でも暴風が吹き荒れ、温帯低気圧が日本列島を縦断した。等圧線がこんなに稠密になった天気図は見たことがない。最大瞬間風速は40m弱。
 根室も今日は午後から荒れ模様で、3時少し前から吹雪になり、日没後に雪は雨に変わった。夜9時半頃は3.8度で雨が降り続き、道路の雪は溶けて流れてしまった。天気予報だと明日の午前中まで雪となっているが、気温から判断して雨だろう。

 さて、本題である。専門学校へ進学を決めた生徒からSOSが入っていた。入学前に出された数学の課題プリントがわからないので教えてほしいという。こういうときは即OKだ。
 昨日(月曜日)来て3時間ほど勉強し、課題プリントは全部終わった。ずいぶん大人になった、3時間集中力が持続していた。中学時代にこれほど授業に集中できたら学年5番以内は固かっただろう。(笑い)
 中学程度の計算問題と文章題、そして高校数学の計算問題が並んでいた。

 課題プリントを見ると、文章題は距離・時間・速度の問題、食塩・食塩水・濃度の問題、割合の問題とほとんどが内包量に関する問題だった。中学程度の問題だが苦手な生徒が多い。医療系の専門学校だから薬剤の濃度など、内包量の問題はルーチンワークで頻繁に出てくる。高校数学の範囲では分数式や無理数の不定積分問題が商業科や事務情報科ではやっていないので解説が必要だった。

 普通科へ合格できる学力があり、進学希望なのに商業科や事務情報科を受験する生徒が少なからずいる。その多くは「普通科は勉強がきついから」と逃げの姿勢、つまりは問題の先送りだ。戦うべきときに戦わないと、嫌いな科目は追いかけてくる。逃げても無駄、ツケが回って問題が大きくなって立ちはだかることになる。

 わたしは高校卒業後の希望を聞いて、進学の意志があるなら普通科へ行くべきだと話すことにしている。専門学校の授業も大学の授業も普通科の課程を修了したことを前提に組み立てられているからだ。
 商業科や事務情報科は国語・数学・英語の授業時間数がおおよそ半分しかないから、その分を自分でやる能力がないなら普通科に進学すべきなのである。

 昨日来た生徒に、
「だから普通科へ進学しろと言っただろう?きらいな数学から逃げても、こうして追っかけてくる」
「先生、ほんとだね、甘かった」
「しっかり教えるから、家へ帰ってからもう一度やってご覧、できるようになるから」
「はい、やってみます」
「専門学校では嫌いな科目から逃げるなよ、正面から向き合って戦え!」
「はい!」
「いい返事だ」

 統計学は数学の応用分野だが普段から勉強しておいた方がいい。人工透析患者さんのデータの推移を分析してみればいろんなことがわかるはずだ。漫然と仕事をしていたら仕事がつまらないものになるが、興味を持ってデータを見ていたら、そのデータがいろんなことをあなたに教えてくれる。それが患者さんのケアにとっても役に立つだろう。10年後20年後にどうなるのか、具体的なデータ分析を背景にやさしく接してあげたらいい。自分の仕事の範囲内で患者の不安を取り除いてあげることは大事なことだ。
 医療訴訟が増えているから、仕事と権限と責任の問題についても、法律の規定も含めてしっかり勉強したらいい。学ぶべきことはたくさんある。

 進路選択に係わる問題がメインテーマだったから話しを戻そう。専門学校や大学への進学を考えている生徒は、高校入試で240点(5科目300点満点)取れないなら普通科へ進学すべきだ。足りない分を独力で補えないからだ。240点を超えられるなら商業科や事務情報科でもなんとかなるだろう。
 もちろん、240点を超えられるなら普通科へ進学すべきだ。240点超なら日商簿記一級は大学生になってから勉強すれば1年間で合格できる。
 高校時代に大事な科目は国語・数学・英語である。この三つがしっかりしていれば他の科目はどうにでもなる。

 それにしても大人になった、勉強しているときの真剣さと集中力が中学時代とはまるで違う、人はときに大きく成長するものだ。必要に迫られたら成長できるだけの底力を普段から養っておきたい。

 塾先生は高校への進学指導の際にも、高校を卒業して社会人となったときのことを考えながら相談に乗っている。高校へ入学すればそれでよしなんて観点からみているのではない。
 社会人となってからでも迷うことがあったら相談に来ればいい。ときにはだまって聴いてうなずくだけかもしれないけど・・・

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コメント 2

miopapa

>専門学校の授業も大学の授業も普通科の課程を修了したこ>とを前提に組み立てられているからだ。

拝見していて、前に関わらせてもらっていた専門学校で、「大学に行くより・・・」とか、「親が行けと云うから・・・」と入ってきていた生徒の多いことを思い出しましたし、専門学校と言っても科によっては、下手すると大学以上に教科数が多く、国試のためにアルバイトも出来ないことも ・ ・ ・
 
>社会人となってからでも迷うことがあったら相談に来ればい>い。ときにはだまって聴いてうなずくだけかもしれないど・・・

良いですネ!!
私の頃は、こういう先生が多かったし、それによってどれだけ今の自分があるか・・・って感謝さえ。
でも、うちの娘も、世代は違ってもそんな先生との出会いがあっった、恵まれた一人かな!?


by miopapa (2012-04-04 17:57) 

ebisu

miopapaさんへ

最近いろいろありましたね。
お互い体調には気をつけていてもどうしようもない場合もあります。
お医者さんがときどき神様に見えます。

生徒が困っていたらとりあえず話しを聴いてみる。
そして助けられる部分があるなら手を貸してあげる。
そういうときにじわっと幸せを感じますね。

助けてもらったり、助けてあげたり、イキテイルってすばらしい。

人生の第4期は人様のお世話にならなければ生きていられない季節です。
やれるうちに他人様のお役に立っておきたい。
by ebisu (2012-04-04 22:37) 

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