#1870 "カイトウミテウツシテコイ"、生徒の未来はどうなるか? Mar. 6, 2012 [64. 教育問題]
#1868「解答見て写して来い: 手抜き仕事はいけません」で学校で使っている数学ワーク(問題集)の宿題を採り上げた。たまたまこういう発言をした先生個人を責めるつもりはないので誤解のないように願いたい。
ワーク(教科書準拠問題集)をやって提出しないと内申点が減点になるから、担当の先生は親切心でそう言ったのかもしれない。
問題の一つは生徒の40%が自力でワーク問題が解けないということだ。だから、直接生徒に丸写ししろと言わなくても、結果は同じことになる。
ワークばかりではない、そういう実態を承知していながらプリントを配れという指示があるから大量にプリントを配っているようにみえる、そして指示されないから放課後補習はしない、そういう浅ましい態度がいけないというのだ。自分の頭で考えているか?教える側が思考停止してどうする?
職務と権限と報酬は三位一体である。仕事の責任とは何か自分の頭でよく考え行動すべきだ。
基礎が分かっていないから生徒の半数に近い集団が問題の半分くらいは丸写ししか方法がない。そういうことを中学校3年間繰り返すと、習慣になる。習慣の怖さを知るべきだ、それはいつか性格にまでなってしまい、その人の人格を形作り人生や運命を左右する。
わからない問題にぶつかったら答を見て丸写しすればいいと心の底から思ってしまうような人間を毎年毎年つくっている。心理学では近道反応というのではかなったか。そういう生徒は大学生になってもインターネットで関連文献を探して切り貼りしてレポートを作って恥じないような「要領のよい人間」になる。社会人になっても自分の頭で考えず、平気で好い加減な仕事し、己の仕事に何の疑問ももたぬようになるのである。
究極的な洗脳、それが中学時代になされている。
先生たちも生徒と同じように自己客観視ができないのではないだろうか。それも一人や二人ではない、ほとんどの先生たちがそうなのだとしたら、この国の教育はとっくに根本から崩壊している。学力以前に倫理観の問題である。日本的情緒=卑怯を憎む心を日本人が失ったら、それはもう日本人ではない。
中高生の時期に習慣になったことは容易に直らないし、その人間の基本的な部分を形成してしまう。人間の土台がこの時期にできるのだが、そういう意識をもって生徒に対しておられるか?教師が聖職だというのは特定分野の知識の切り売りにとどまらず人間形成に関わる部分のある仕事だからではないのか。
具体例を挙げないとわからないだろう。たとえば根室を見るがいい。市立病院の予算は毎年2~5億円も差異がでるほどデタラメである。たった20~25億円の売上でそのような誤差はありえない。わかっていながら関係者が辻褄合わせの予算作成をして市民を欺く。年間13.8億円も赤字なのに市の広報には黒字と書き続け、年々赤字の額は増大し続けてきた。
仕事に対して給料という対価をいただいておりながら、職務という責任を果たさないのだから、それはまぎれもなくずるく卑怯な行為だ。
そうしたでたらめな年次計画を毎年作っている病院職員や事務長もどうかしているが、チェックすべき市役所財務課も仕事が好い加減だ。わかってやっているから確信犯である。市議も全員一致で毎年そういうでたらめな予算を無修正で承認している。一人の例外もないことが恐ろしい。
関係者のすべてが実にデタラメ、申し合わせたように無責任な仕事をしている。数ある経済諸団体はひとつも物を言わぬ。いたるところで職業倫理の崩壊が起きている。根室の町が長期にわたって衰退するわけだ。なぜそろいもそろってこういうことになったのだろう?
答を丸写しするようなことは団塊世代の私たちの価値観ではズルイこと、卑怯なことである。人としてやってはならぬことなのだ。試験ならカンニングに等しい行為である。そんなことをして提出するくらいなら、やれるところだけやりあとは"できませんでした"と白紙のままで提出すればいい。
生徒の半数近くが自力でできないのだから先生たちは放課後補習をして教えるべきで、逃げてはいけない。
だいじなことは、やってはならぬことはならぬと教えることだ。ズルイこと卑怯なことは人として恥ずべきことで、どんなに困ってもやってはならぬことと教えるべき。願わくば、放課後補習をやることで先生自ら範を示してほしい。
繰り返して言うが、答を丸写しするような「卑怯なこと」を繰り返すと、箸にも棒にもかからぬズルイ人間になってしまう。社会はそういう腐った人間の生産を望んでいない。中学校の先生たち、よく考えてくれ。
40%の生徒が基本が分かっていないのに放課後補習をしないこと自体がすでにズルイ卑怯なことなのだ。
内申点重視になってから世の中はそういうズルイ人間が増えた。世の中はいつのまにか手抜き仕事で溢れている。これでは国力は弱るし、根室という地域社会も際限なく衰退していく。
丸写しは卑怯でいけないことだ、わからないなら先生は放課後補習をして教えるべきだ。こうした当たり前のことを言える人間が「根室村」にはほとんどいなくなってしまった。ふるさとのこの町をよくするためにだめなことはだめだとはっきり言おう。根室の中学校の先生たち、パトリオットの私の期待に応えてほしい。
*#1868 解答見て写して来い! : 手抜き仕事はいけません Mar. 5, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-03-05
#1030 nationalism とpatriotism :遠藤利國訳・幸徳秋水『帝国主義』May 17, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-17
【パトリオット】の意味を知らない方がいると思います。
湾岸戦争で使われた【ミサイル】を思い出す方もいるでしょう。
あの【ミサイル】の名は【愛国】。
アメリカは、
自国への愛という卑怯な自己欺瞞の故に、
他国を破壊し多くの命を奪った。
それは、
日本とて同じ。
それは、
ヨーロッパでもアフリカでも、
世界の何処でも同じ。
愛国の旗の下に、
正なる義として繰り返された、
幾多の争い、戦、戦争、殺戮、虐殺…。
【愛国】という日本語も、
【パトリオット】という外来語も、
いまや【死】や【殺】という卑怯な意味しかない、
文字通りの【死語】です。
国を愛してはなりません。
愛するべきは、命と心。
先生が生徒を愛するのは、
まったくの至極当然。
ならば愛を以って、
自分の生徒達を鍛えよ。
自分の生徒達が、
自らの心を失い命を軽んじる事のないように、
他者の心も命も奪わぬ人となるように。
これが「道徳」の教科書で育つのならば、
今の日本に自殺も他殺も在りはしない。
ヤルべきは事は、ヤル。
ダメな事は、ダメ。
表裏一体の基本さえも教えずに、
もしや教えられないのかもしれないが、
ひょっとすると知らないのかもしれないが、
それで【教】える【師】とは笑わせる。
読んで腹を立てている先生諸氏。
「我こそは【教】える【師】なり!」
と大声で、家の外や街中で、
生徒や親の前で叫びなよ。
叫べない?
そんなら、
教師なんか辞めちまえ。
命懸けで教えろよ。
命なんて懸けられない?
そんなら、
人生なんか辞めちまえ。
悔しかったら、やってみせなよ。
【根性】を見せろよ、先生方。
いつも生徒に言ってる台詞だろ?
お手本を見せなきゃね、
まずは師匠がさ。
【完】
by Hirosuke (2012-03-07 00:53)
Hirosukeさんへ
コメントありがとうございます。
>「我こそは【教】える【師】なり!」
>と大声で、家の外や街中で、
>生徒や親の前で叫びなよ。
わたしも同じ気持ちです。
そう叫ぶ教師が何名か出てほしいと思います。
現職教師の方が読んでいるはずですが、残念ながらコメント欄に意見を寄せてくれることはほとんどありません。
パトリオティズムについて少し弁明を書きます。馴染みのない用語ですからブログ本文に脚注があります。
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『国家の品格』が260万部も売れているのは単なる流行だけではなく、しっかりした論が展開されているからだろう。
手元にある辞書2冊をみると定義は次のようになっている。
Nationalism: 2 a great or too great love of your own country
Patriotism: When you love your own country and are proud of it
(Cambridge Advanced Learner’s Dictionary)
Nationalism: 2 the belief that your nation is better than other nations
Patriotism: strong feelings of love, respect, and duty towards your country
(Macmillan English Dictionary)
ナショナリズムはtoo great love of your own country(度を越した祖国愛)だったり、他国を省みない排他的なニュアンスがあるが、パトリオティズムにはそういう負のイメージはなく、生まれ育ったホームタウンへの素朴な郷愁や誇りにすぎない。しかしそれも程度問題で、容易に排他的愛国主義(ジンゴイズム)へと転化しかねない危うさももっている。
Patriotism can turn into jingoism and intolerance very quickly.
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注意すべきはパトリオティズムは容易に非寛容な排他的愛国主義へ転化することですね。
郷土愛、いい言葉でしょう?
住んでいる土地や生まれ育った土地屋や土を愛せない者は信用できません。
by ebisu (2012-03-07 10:59)
非常に残念ながら、
僕には【郷土】と呼べる場所がありません。
中学・高校時代を過ごした神奈川県の実家は、
とうに売り払われ、取り壊され、
違う家が建ち、違う人が住んでいます。
いま住んでいる県が最も長いのですが、
この県内でも転居を繰り返し、
今の土地は5年目です。
しかし、
この5年で得たものは、
「親の介護」「劣悪な職場環境」「自らの病気」「家庭不和」
でした。
僕の生まれ育った土地は、
3年ご毎に日本の本州中央周辺を移動しました。
しかし、
それらの土地に対する「愛」は育っていません。
しかし、それらの土地で出会った「命」を愛しています。
たとえ僕が忘れ去られた存在だとしても、
彼・彼女達は僕の心の中に住んでいます。
そんな【心】を理解しようともせずに、
「病気だ、おかしい。」と踏み躙って差別する人達が、
世の中には一杯です。
【郷土愛】ですら、
あえて例をあげませんが、
排他的なマイナス感情を生み出します。
目の前の【命】の、
目に見えぬ【心】。
愛するべきは、命と心。
どこに住もうが、どこから来ようが、どこに行こうが、
愛するものが「国」でも「県」でも「町」でも「郷土」でもなく、
真に「命と心」を愛する人達が溢れているなら、
よそ者扱いも差別も村八分もイジメも根絶できるでしょう。
これはキリスト教ではありません。
僕は無神論者ですから。
聖書の教えには数多くの矛盾を感じています。
仏教も然り。
ここら辺で止めておきます。
by Hirosuke (2012-03-07 11:49)
Hirosukeさんへ
そうですか、郷土をもたぬ人もいるのですね。心配りが足りなかったようです。最後の2行はあなたには失言でした。
わたしも東京とその周辺で35年間に単身赴任を含めると転居を9回繰り返しました。結構多いほうでしょう(笑い)
でも、住んでいたそれぞれのところに愛着があります。
親切にしてくれた豆腐屋の人、よく行った中華料理店のオヤジ、毎日のように昼飯を食べに通った天麩羅屋のオヤジと女将さん・・・いっぱい、人と出会いました。
それぞれの空気の匂いまでがなつかしい。
二十年ぶりで再訪してがっかりすることもありますが・・・
単身赴任した郡山は会社へ行く前に温泉朝湯のできるいいところでした。そこでサラリーマンを終えるつもりが15ヶ月で本社へ呼び戻され・・・人生はままならぬもの。
いま戻ってきて10年住んでいる古里だって腹の立つことはたくさんあります。
でも、生徒たちはめんこい。無条件にです。たとえそれが、ブログでだめだと言っている人たちの子どもや親戚だって関係ない、ニムオロ塾で一生懸命勉強する生徒あるいはそうしたことのあるならわたしにはかわいい。
プラスもマイナスも、それもこれも含めて、オーライです。
いつかおおらかな気持ちですべてを包み込むようになれることを祈ります。
by ebisu (2012-03-07 12:27)
わからない問題で答えを写してもどうしてそうなるのか一生懸命に考えて、考え続けて、自分で答えを出せるようになれば、これはこれで勉強法です。やがて自分で一応の答えを出してから答え合わせをするようになりますから。
わからない問題は写せばいい、のまま大人になると、仕事で許可を取るために面倒な手続きをすることを省いて許可証を偽造したり買ったりするような大人になる不安が生じます。
by もやしさんま (2012-03-07 16:04)
もやしさんまさんへ
ここに挙げたのは成績下位層ですから、答を写してどうしてそうなるかなんて考えられない生徒です。先生たちは罪が深い。
しかし、成績上位層でも同じ事は起きるんです。
受験エリートのなかにもそういう人が結構いるのですよ。
過度な受験勉強はたんなるパターン練習ですから、案外頭が固くなります。
50歳を過ぎて本社エリートの部長職、そして子会社経営を任されて赤字会社で利益を出すために一生懸命に経費を削った人がいました。
結果は散々でした。社長室へ課長クラスを呼びつけて怒鳴り散らし、一人自殺者はでる。削った経費以上に売上が減り赤字幅が拡大してしまい、何もかもうまくいかずご本人は情緒不安定で感情のコントロールも利かなくなり、ぼろぼろになりました。
一橋大学出身でした。
経費を削れば利益が出るなんてのは典型的な近道反応。どのような勉強をしてきたのか透けて見えます。
ただ要領がいいだけの人間にしてはいけません。メッキの勉強では社会人になってからそれがはがれてしまうんです。
高校入試が内申点重視に変わってからズルイ人間が増えたとは感じませんか?
普通の中学生、あるいは平均以下の成績の生徒の勉強の仕方が先生たちの"熱心な指導"の賜物で根本的に変わってしまったように感じます。
言いすぎでしょうか?
中学校の先生たちの反論をお待ちしています。
by ebisu (2012-03-07 23:19)
そのエリートとは違い歳入が足りなければ税率を上げればいいという為政者は責任を感じてぼろぼろになるなんてないかもしれませんね。税負担が大きくなればごまかしや抜け道が多くなる事なんてきっと考えないでしょうし、庶民の生活が苦しくなることもガンバロウニッポンで済ませる気なんでしょうね。心配なのは選挙だけ。輸出産業は消費増税の影響はないですし、却って還付金が多くなるし増税分法人税が少しでも下がれば良いばかりですね。でも為政者がまる写しする解答を用意するのは自分で考えられる官僚でしょうからまる写しばかりしていると、あとで待っている落とし穴に気づかない事になるでしょう。
by もやしさんま (2012-03-08 08:35)
もやしさんまさんへ
責任を感じてぼろぼろになるどころか、数日前には一升酒を呑んだとニュースにありました。そんなことをイチイチとりあげ、肝心なことを報道しないマスコミもどうかしていますが、
"厚顔無恥、野田佳彦総理大臣アッパレ!"
やけくそです(笑い)
by ebisu (2012-03-08 11:49)