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#1778 釧路の教育を考える会副会長が学力向上に関する私案公表 Dec. 20, 2011 [64. 教育問題]

 道教委と釧路市教委は3年間で全国平均を上回るという目標を掲げている。そのためにいつまでに何をどうやるかが問題である。三木私案を読んでもらいたい。よくまとまっている。

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2011年12月20日

目標を達成するために(私案)

道教委(北海道教育委員会)が掲げた大目標。

2014年度までに学力全国平均以上を達成。

2014年の全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)において、全国平均を上回ることを目標とするという実に具体的なものです。しかしながら、現状は全国最下位レベル。さて、何をどうしたらそれが可能になるかという私案です。

来年の4月からの開始であれば、タイムリミットは2年と少々。
現状のままであれば、絶対に不可能です。
相当の覚悟と高度な仕掛けがなければ不可能です。

まず第一になすべきことは、「補習授業のシステム化」です。夏期・冬期期間のみの補習授業などというケチなことを言わずに、平常時から補習授業を全面的に実施すること。しかし、この補習授業。現場に丸投げにしていたならば手を抜き放題。「分からないところを聞きにおいで」と生徒に伝えておいて、その間は職員室で待機。当然ながら、誰も聞きになど行かない。それを称して「補習授業を行った」とする大インチキ。それを絶対に許さないこと。道教委が補習授業のあり方(ミニマム・スタンダード)を具体的に示すことが先決でしょう。

さて、ここで問題になるのは同好会活動と部活動。北海道では、永らくその歯止めが放置され続けてきました。週に2日は学校は休みなのに、その2日間の大半は同好会活動・部活動に充てられる。おいおい、いい加減にしろよ!実社会では週40時間労働が基本ベース。そこにある前提は、言わずもがなの週休2日。なのに、なぜ子ども達からその時間を奪うんだ!学力は重要視しないまま、過熱化する同好会活動・部活動は黙認してきた。それに歯止めをかけることです。高学力地域では、土曜日の補習授業があたり前。

定期試験の2日前まで、しかも夜遅くまで部活動に熱中して、それで試験を受けさせるって、どう考えてもおかしいだろ。定期試験1週間前からは部活動禁止、土日の一方は部活動禁止、例えば土曜日は隔週で補習授業を行うなどして同好会活動・部活動の前後に出席できる体制を構築する。「ゆとり」などと言いながら、子ども達の時間を確実に奪っている構図は本末転倒でしょう。将来プロを目指すような子の英才教育については別に考えればよろしい。

そして学力計測。新潟県の「学力向上推進システム活用事業」と同様の手法を、北海道に導入すれば良い。定期的に試験問題が配信されるので、リアルタイムで集計されることによってすぐに進捗状況を確認できることに加えて、実は最も期待される効果を引き出すことが可能になるはずです。それはずばり、教員の指導力。少なくとも、「次回の定期配信までに、範囲を終えておかなければならない」との心理プレッシャーを与えることにより、授業の効率と成果を求める方向に作用するはずです。つまりは、抑止機能をも果たすということ。
●新潟県:学力向上推進システム活用事業
http://www.pref.niigata.lg.jp/gimukyoiku/1275256983222.html

以上を来年の4月から前面実施したならば、2年での達成は可能になるはずです。しかし、いずれかが欠けたならば不可能であると考えます。

そして、もう二つほど。
教員を雑務から解放すること。仕事の効率と成果を求めるのであれば、本来業務に打ち込める環境を与えることが管理者側の責務でしょう。一筋縄には行かないものでしょうけれど、真剣に取り組むべき部分のはず。そして、段階に応じた「授業」のための研修システムの構築。「鉄は熱いうちに打て」の例えの通り、初期教育がいかに重要であることか。しかし、そのためのシステム作りを永らく怠ってきた。以上も同時並行して対処すべきはず。

以上、異論反論受け付けずの、あくまで私案でありました。



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 【ebisuのコメント】
 放課後補習のシステム化を図るために、補習授業のあり方に関する具体的な指針を道教委が出すべきだという。市教委や学校現場に任せていたらやった振りで実効が伴わぬという危機感がにじみ出ている。
 試験1週間前ブカツ原則禁止は実施されているが、破られている場合がみられる。学業とブカツは自ずと優先順位が違うはずだが、そんなことすら理解できない教員がいることも事実だ。学校管理者(校長や教頭)はしっかり管理すべきだ。
 この二つを徹底しただけで基礎学力に問題を抱える生徒の半数以上が救えるだろう。ようはやり方次第だ。
 この前の根室市議会定例会での質疑応答をあわせて読んでほしい。本田市議のブログをたどってもらえば市議会でのやり取りが詳細にレポートされている。内容のない答弁にebisuはうんざりだが、あなたはどう感じるだろう?
 
#1775 根室の町はどっちへ行く?:市議会での学力問題質疑応答 Dec. 18, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-12-18

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コメント 4

おもし蟹

学力向上は今の釧根地区には必要だと思います。

ただ以下のニュースを知ると学力以上にモラルの勉強も必要な状態になっているのかと目を疑う次第です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111216-00000005-jct-soci

ただこれに対する広島県公立高校長協会の要請文内容で強調しているのが『県内の高校生への信用を著しく傷つけた』となっている。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201112210012.html

釧根地区の子供たちには、このようなことを起こさないように教育してほしいところです。
by おもし蟹 (2011-12-21 08:46) 

ebisu

同感です。モラルは人として守るべきルール。

東京ディズニーランドでミッキーマウスをボコッて根室の2高校が出入り禁止になっていましたが、今年の修学旅行からようやく解除になりました。
根室高校生だったと聞いています。

全国学力テストの際の調査では、根室のこどもたちは家庭学習習慣が他地域に比べて極端に低くなっています。テレビ観放題、ゲーム三昧、過度のブカツの下、学習軽視が想像できます。生活習慣の乱れや家庭のシツケの崩壊も伴っていることでしょう。

親が高校はどちらでもいいと子供に言うケースが結構あるのです。
学力が学年の後ろから10位以内だと、それを口実に勉強へのやる気を失います。やる気を失うと、姿勢は悪くなる、口答えはする、屁理屈を言う、落ち着きを失う、授業中のおしゃべりをとめられないと自己抑制がまるで利かない人間に育ってしまいます。

そういう子供たちが高校を卒業して就職があるんでしょうか?そういう生徒たちを地元経営者が雇うでしょうか?
そんなことをしたら会社がつぶれます。

同じ高校という名前は付いていますが、学習内容はまるで違います。使っている教科書も違います。教科書会社は同じ教科について複数のレベルのものを出しています。
それだけではありません。たとえば、根室高校では1年生でやる数 Aを西高校では2年生でやっています。学力が低くて半分しかやれないのです。そして放課後補習は圧倒的に根室高校のほうが量が多い。
同じ能力の生徒が、東と西に別れて3年間勉強したら、卒業時の学力は圧倒的に東の高校生のほうが高くなるのは当然でしょう。学力の鍛え方がまるで違います。

その東の高校生すら地元で就職のできない生徒が出ています。全商1級を複数もっていても高卒では正規社員の職がない。
あきらめて専門学校へ進学する生徒が多いが、札幌に出ても就職状況はやはり厳しい。全道から集まってくるのですから、競争がきつい。大学進学したものも文学部は民間会社への就職が他学部きつい。偏差値40以下の大学へは大企業からの募集はほとんどありません。卒業しても非正規雇用の場合が増えています。正規雇用に比べて年収は半分以下です。

わたしは中学3年生に戦いはすでに始まっているのだよと折に触れて話します。高校2年生になってからではもう間に合わないのです。

モラルの問題は勤労意欲につながっています。真面目にこつこと努力する人間はどこかで誰かが見ています。ですがやる気がなく手を抜くことばかり考える人間を選んで雇おうとする経営者などいるはずもありません。

学力の急激な低下には背後に生活習慣の崩れや、家庭のシツケの崩壊が透けて見えます。
きちんと塾で勉強し、家でも予習と復習をする生徒は生活習慣がしっかりしています。もちろん親のしつけも。
親の言うことを聞かない、我慢ができない、ブカツややるが勉強しない、生活習慣が崩れてしまっている、そういう子供は1年やそこらで出来上がるのではありません。
小学校へ上がる前から素地が作られ、毎日繰り返して何年も何年もかけて、毎日繰り返すことが習慣となり、その習慣が何年も継続されることで性格にまでなってしまっているのです。

そういう生徒は中学校になって塾へ来ても1年間では治りません。なんとかしなければと思いますが、十年以上の積み重ねがあってのことですから、直すのは実にたいへんです。

というわけで、全部とはいいませんが、モラルは学力と表裏一体のケースがほとんどです。たまに学力が高くてずるい奴は確かにいますが、ほとんどはまっすぐでいい子たちです。

小さい頃から、やっていいことと悪いことを繰り返し大人がはっきり言って聞かせる必要があります。

一つ、イジメをやってはならぬ
一つ、卑怯なことをしてはならぬ
一つ、嘘をついてはならぬ
・・・
by ebisu (2011-12-21 10:03) 

ZAPPER

思うに、道教委根室局と根室市教委は「生活習慣の改善を経て、基礎学力を向上させよう」との悠長な考えなのではないでしょうか。でもそれは、現場を何も知らない凝り固まった思考のド素人の発想以外の何物でもありません。

生活習慣の改善には、基礎学力向上策に力を注ぐことが実は最短ルートなんですよね。頭でっかちにはココが分からない。ebisuさんがご指摘なさっているように、「学習習慣の形成」という一つの目標を通して、ドラマチックに改善されていくものなんですよね。

ここは理屈じゃないんです。ただただ実践あるのみ。発想が真逆なんですよね。ウチらの緊急実行課題を丸ごとそのままやんな!そうしたら「手柄」はあんたらのもの。残念ながら、今のあんたらでは力不足です。失礼ながら、そう言いたいですね。^^
by ZAPPER (2011-12-21 11:48) 

ebisu

道教委根室局と根室市教委は目一杯考え抜いてこの程度なのか、仕事の手を抜くにいいだけ抜いての結果なのかよくわかりませんが、お粗末です。

それぞれの切り口から迫ればいいのでしょうね。学校はブカツを制限し、放課後補習を徹底し、低学力の生徒に強制的に参加を促す。家庭では小学1・2年生で家庭学習習慣をつけるとか、日頃のシツケを厳しくし折に触れて我慢することを教え込む。ゲームは1時間以上はやらせない。
私塾はこれだけ学力が低くなってしまっているから、学力の低い生徒の受け皿を広くする。

それぞれが自分のやるべきことをやればいい。それをやらないから、低学力の生徒がかくも増えてしまい、町は長期衰退を抜け出せない。
自分のためではなく、根室の町の将来のために、子供たちの未来のために、みんなそろそろやろうよ。
by ebisu (2011-12-21 22:38) 

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