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#1419 指揮官不在の現場:福島第1原発2号機でも爆発 Mar.15, 2011 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 今朝(15日)6時10分に2号機が爆発を起こした。これで福島第1原子力発電所では1・2・3号機すべてが爆発した。2号機は圧力抑制室が損傷を受けたもようだ。圧力抑制室は原子炉格納容器の一部を構成しているから、ここが壊れると放射性物質が外部に拡散する。原子炉格納容器の内部に原子炉圧力容器があが、その中では冷却水の水位が下がって核燃料棒がむき出しになって溶融し始めている。大量の被爆を恐れてだろう、現場作業員の撤退もアナウンスされた。

 原子力安全保安院のホームページは次のように概要を伝えている。
「福島第一原子力発電所2号機の状況について
[2011/03/15 08:09更新]
原子力安全・保安院から、福島第一原子力発電所2号機の状況等についてお知らせします。

本日午前6時10分時点で福島第一原子力発電所2号機で爆発音があったとの連絡を東京電力(株)から受けました。
これにより、サプレッション・チェンバー(圧力抑制室)(注)が損傷している恐れがあります。

(注)サプレッション・チェンバー(圧力抑制室):
タービンの停止により主蒸気をタービンに送ることが出来なくなった場合、この蒸気をベント管等により圧力抑制室に導いて冷却し、原子炉圧力容器内の圧力を低下させる設備。非常用炉心冷却設備(ECCS)の水源としても使用する。 」

 13日8時半8217マイクロシーベルト/時間を検出。9時過ぎ、東電側はメルトダウンの可能性を認めた。

 現場では命を賭して作業に当たっている人がいる。左端は命の危険を感じながら作業している人々だ。右側は東京にいて、被爆の危険も命の危険もない。
 協力会社作業員≧自衛隊処理班、東電現場作業社員>・・・>東電本社、経済産業大臣・副大臣、枝野官房長官、菅総理

 地震翌日に菅総理はヘリコプターで空から福島第一原発を視察した。
*「地震:菅首相、福島第1原発を上空視察へ」毎日新聞ニュース
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110312k0000e010012000c.html

 原子力保安院の監督官庁は経済産業省だが、大臣も副大臣も現場で指揮をしていない。
 この大震災への政府対応を見ていると、やはり30代40代でしっかりした実務を担ってこなかった人々は仕事の仕方がわからないと言わねばならぬ。仕事の段取りの指示ができない。仕事は段取り8分だ。

 戦国時代をみると見事な現場指揮の名人がいる。義経、信長。
 織田信長は桶狭間の戦いと四天王寺砦の戦いで自ら前線に立って戦闘部隊を指揮している。桶狭間の戦いではありえない勝利を手中にしたし、四天王寺の戦いでは砦の孤立した味方の軍勢の応援に駆けつけ、負傷している。
 
「光秀はじめとする大坂の織田軍は勢いづく本願寺軍の攻勢に窮して天王寺砦に立て籠もるが、本願寺軍はこれを包囲し、天王寺で織田軍は窮地に陥った。信長は5月5日に若江城に入り動員令を出したが、集まったのは3,000人ほどであった。しかし信長は5月7日早朝、その3,000人の軍勢を率いて自ら先頭に立ち、天王寺砦を包囲する本願寺軍1万5,000人に攻め入った。信長自身も銃撃され負傷する激戦となったが、信長自らの出陣で士気が高揚した織田軍は、光秀率いる天王寺砦の軍勢7,000人との連携に成功。本願寺軍を挟撃し、これを撃破した(天王寺砦の戦い)。
 ウィキペディアより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B9%94%E7%94%B0%E4%BF%A1%E9%95%B7

 重要な戦いでは指揮官が現場で指揮するのが定法ではないのか?福島第1原発では作業員の現場撤退を決めた。「現場の判断」と言っている。現場作業員は命を賭してメルトダウンを防ぐための作業をしている。経済産業大臣もしくは副大臣は現場に入って、現場責任者の報告・連絡・相談を聞き、適切な判断を下して職務権限に相応の責任を果たすべきだ。前線から遠く離れた東京で報告を聞くだけでは責任を果たせるはずがないと思う。
 大臣や副大臣をやる者はいざと言うときには命を賭して自分の職務を果たす覚悟がいる。本当にたいへんな職務である。職務を果たすために命を賭す覚悟のない者はただちに辞職するがいい。
 責任の重さという現実を前に逃げる人がいてもいい、わたしはそういう人まで批判するつもりはない。日本人には命の危険を顧みずに平然と指揮のできる大器が少なからずいた。こうした非常時に仕事のできる人材が枯渇している。心の教育を軽視しているからだろうか。

*会津の什の掟(ウィキペディアより)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%80_(%E4%BC%9A%E6%B4%A5%E8%97%A9)
  • 一、年長者の言うことに背いてはなりませぬ
  • 二、年長者には御辞儀をしなければなりませぬ
  • 三、虚言をいふ事はなりませぬ
  • 四、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
  • 五、弱い者をいぢめてはなりませぬ
  • 六、戸外で物を食べてはなりませぬ
  • 七、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ

ならぬことはならぬものです

  七番目の掟は守れないとは、数学者の藤原正彦が『国家の品格』の中で言っていることだ。同感。(笑い)
  経済産業大臣、副大臣は現場指揮をしていない。東電役員は現場指揮しているのだろうか?危険な作業を作業員任せにして現場にすらいないなら、責任放棄、卑怯な振る舞いと言わねばならぬ。


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