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#1068 石原東京都知事が公的会計基準批判 Jun.12, 2010 [B7. 政治に求めるもの]

 Kさんが借金を資本の部に表示する公的会計基準に驚いていたことがあったが、公的会計基準は実にわかりにくい。
 たとえば、民間会社で借金を資本の部に表示はできない。借金と資本はそれぞれ別の区分に表示しなければならない。説明も要らないくらいの当たり前の話で、資本の部に借金を混ぜたら、貸借対照表「資本の部」が虚偽表示になり、財政状態を適正に表さなくなるからだ。借金と自己資本の違いくらい中学生でも3分あれば理解できる。
 損益計算書も同様で、赤字補填金を営業収益の部に表示することはあり得ないが、市の広報では営業収益や営業外収益に赤字補填金が複数の項目で入れられている。したがって、損益計算書も損益の実態を表さないものとなっている。公的会計基準で作成された損益計算書は民間企業会計基準でいうと明白な粉飾決算である。こういうダブルスタンダードはやめるべきだとは再三ブログで主張してきた。

 たとえば、市の広報で市立根室病院の決算をみても黒字になっているので実態がまるで見えない、ブログ上で組み換えて実質赤字額を計算してみたことがあるが、注意したい。
 市議が市議会で民間会計基準に組み換えた損益計算書の公表を要求すれば財務課は1日で作成するだろう。そしてそれを市のホームページ上で公開すれば、市民は経営実態を知ることができる
 平成21年度決算は12億円余も一般会計から赤字補填をして辻褄合わせをした結果なのだが、市の広報の決算書ではそれがまったく隠されてしまう。

 公的会計では民間の企業会計基準と同じ用語を使いながら別のものを指すことが多い、そのことが誤解とゴマカシの温床となっている。
 会計基準を民と官とで使い分ける必要はなく、同じでいい。石原東京都知事が6月11日の記者会見で菅内閣についての感想を記者に問われて次のように語っている。

 --菅首相と直接会って何か提案する気はあるか?

 「いや別に今、案件ありません。個々の問題については担当の大臣がいますから。ただ僕は菅さんにこの間、言ったんだ。『日本の会計制度を変えてくれ。財務諸表がない国は日本しかないんだ』って。だからああやって事業仕分けせざるをえないんでね。財務省の意見を取っ払ってきちっとした複式簿記発生主義の会計制度を入れないと、いつまでたっても表から眺めてるだけでは無駄は分かりませんよ」

 「それから絶対、国も民主党を支えている組合にも外部監査入れなきゃだめです。何に使われてるか分からないの一杯あるんだ。人事院勧告なんてしれたもんでね。外部監査やって、東京みたいに監査人が指摘した問題を1年後にどうなっているかまでちゃんと追及する。そういう制度を作ることで、初めて開かれた政治になるんじゃないですか? 日本は会計の上では全く閉じられてますよ。こんなに、ものの見えない国はありませんよ」

 --できるだけオープンにするべきだと…

 「できるだけじゃない。うんっとオープンにしてもらいたい。どこの国もやっていることをやってもらいたい

*石原知事会見詳報
 
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/100611/lcl1006112119002-n4.htm

 石原都知事もたまには良いこと言うんだ。
 公的会計基準は本当のことを国民に知られたら困るのだろうとしか思えない。何百年たっても「よらしむべし、知らしむべからず」は変わらない。21世紀だ、そろそろわたしたちの力で変えられるところから変えようではないか。
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