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#1054 ハトの次はカン?:サムライがいない民主党 Jun. 4, 2010 [A4. 経済学ノート]

 2日ハトの辞任表明。そして今日3日小沢派が自主投票を決めたことで、カンに決まったも同然だ。後は明日の代表選挙でオーソライズするだけだ。

 さて、ハトの総理大臣辞任報道だが、西欧のマスコミではハトが優柔不断で決断力や指導力に欠けたと、論調が一致しているようで、自己犠牲をほめたものは仄聞した限りでは一つもない。
 だいたい西欧では自己犠牲は宗教的な行為で、こういう自己犠牲は価値観になさそうに思う。だから、日本的情緒が理解できないのだろう。天皇の位を継ぐように指名されたにも関わらず自殺して継承レースから降りて争いを避けた菟道稚郎子命(うじわきのいらつこのみこと)を挙げるまでもなく、日本的情緒の発露の典型だろう。

 ハト政権ががダメだったのは本人自身の能力不足、つまり仕事が出来ないということと、それに加えてハトを支えるスタッフに仕事のできる者が皆無だったことによる。

 カンは団塊世代だが、若い頃は市民運動の旗手で、高島平団地周辺を自転車に旗を立てて走り回っていた。なんともエネルギッシュな好青年だった。
 その頃、彼の同世代は30代になり一生懸命に仕事をして、仕事の技倆を磨いていた。30代以降、カンは政治活動に一生懸命で「仕事」の経験がない。
 ハト政権が立ち上がり、カンは戦略室を任されたが、在任期間中(3ヶ月)はなす術がなかった。戦略なんて考えたこともなかったのだろうと思う。どうしていいのかわからなかっただろう。政治家だったら自分が総理大臣になったら何をどのような手順でやり遂げようという構想があって当たり前だが、彼には民主党党首になりたいという欲望はあっても、総理大臣になって何をやるべきかを考えたこともなかったのだろう。カンの本質は一市民運動家にすぎない。平時の総理大臣なら務まるが、非常時を担うのは無理だ。
 戦略室は仙石氏へ引き継ぎがなされたが、やはり彼も具体的な戦略が描けなかった。

【戦略構想立案とそれを実行できるスタッフがいない】
 時が戦国だとすると、強い武将を何人も抱えていないとその国(党)はつぶれる。口先だけの家来しかいなかったら、いずれその国(党)が滅ぶのは当然のことだ。
 戦略構想は仕事である。戦略目標を決めたら、その実現に向かって具体的に仕事を差し立てしなけらばならない。こういう仕事を完璧に出来る者は大きな企業でも滅多にいない。
 5人から10人程度、総理大臣を支えることのできる有能な仕事人がそろえられれば話は別だが、民主党内にはそういう人材がほとんどいないのではないだろうか。

 たくさんの人を見てきたが、対抗馬として立候補したタルの目に曇りがあるのが気になる。オカやマエは火中の栗は拾わじと立候補を見送った。お利口なやつらではあるだろう。争うを避けたかったのか、損得勘定で時局を見たのかは本人のみぞ知る。しかし、火中の栗を拾えない人間に大きな仕事が出来たためしはない。
 いまにして思えば、企業経営経験のある河村たかしが逸材の一人だったかもしれない。

 ハトからカンに変わっても、中身や仕事のやり方、もっとはっきりいうと仕事の実行部隊に変更はない。能力のない者たちが肩書きをたらいまわしするだけのことだ。
 戦略構想を立案し実行・管理できるレベルの有能なスタッフがいないことはハト政権と同じだ。カンに替わろうがタルに替わろうが、誰に替わっても似たようなものである。
 民主党議員の頭の中は選挙の票集めのためのバラマキ政策で一杯で、財政規律や国の将来を考える余地もないのだろう。

【膨らむ国債残高と財政破綻リスクの急激な増大】
 国債と政府保証債務の残高は今年度970兆円にもなり、来年度は1020兆円に膨らむ。バラマキ・マニフェストだけは今でも有効だ。どうやら、天は日本の財政破綻を決めているようだ

 どういう形で野放図なバラマキのツケが回るのかはよくわからない。ギリシアが先例なのだろうか?公務員のリストラくらいでなんとかなるならことは簡単だ日本の借金は巨額すぎる。ギリシアとはっきり違うのは、その規模の大きさだ。大きすぎて、どこも支援の手を差し伸べられない。卑近な話しをすれば、ガソリン400円、灯油300円/ℓなんてことになったら、根室人は冬をどう過ごせばいいのだろう?ツケは必ずまわってくる

【ターニングポイントの2014年がやってくる】
 4年後に金融資産額を借金額が上回り、財政破綻リスクが急激に大きくなる。円への信任が崩壊し、継続的・膨大な円売り圧力がかかる。だから、この年を支点に日本の財政と経済の様相が180度変わることになるだろう

【人口減少社会は希望の光】
 経済規模が急激に縮小し、人口も急減してゆく社会。高度成長期といろいろな事が逆方向で起きる社会はいったいどういうものなのだろう?
 動物的な物質欲望を抑えなければならない社会だとすれば、人間にとってむしろ健全なのかもしれない。それぞれの欲望を膨らませ、物質で溢れかえるいまの世の中に比べれば、人口規模6000万人の社会は経済的には質素になるだろう。それぞれが小規模な畑をもち、食糧2割くらいは自給でき、世の中を満足と幸福に満ち溢れたものに作りかえればいい。地球環境的にはいまよりもずっといいだろう。日本の人口は50年後に半分でいい。20~30年ほどの苦難の時期を乗り越えて、日本は生まれ変わる。だから、2014年を境に産みの苦しみの時期が来るのだと考えればいい。
 生みの苦しみと捉えるか、産みの喜びと捉えるかは、人の心次第だ。2014年を境に、幸福に満ちた社会を産みだす喜びの30年が来るとわたしは思う。なぜなら、苦難の中に光が見えるからだ。明治維新よりもよほど大きい光がある。日本の伝統的価値観本来の光が甦るのだろう。
 これから来る苦難はそういう社会への扉を開ける鍵だ、わたしは最近そう思えてならないから、日本の政治や経済の現状に関しては、現実をありのままに受け止められるようになってきた。あるがままでいい。政権が自公から民主党へ移り、その民主党も無能なことがはっきりした。国民に選択肢はないから、事態はこのまままっしぐらに進む。わたしはそこに天の意思を感じるようになった。

【選択肢のない現実】
 現実に戻ろう。政治的空白期を作らないために、2日ハトが辞任表明、明日4日に代表選挙をして党首を決める。なんともすばやい動きに感心してしまう。
 しかし、なにか違っていないか?どっちを向いて政治をしている?選挙対策のためだけの政治は8.5ヶ月でもうたくさん、うんざりだ

 正直に誠実に国民の方を向いて仕事をしてもらいたいが、民主党にも無理なのだろう。前回ブログで採り上げたように、乱立するプチ政党も路線は似たり寄ったりだ。これだけ政党がたくさんあるのに、国民に選択肢がないのはなんとも不思議なことではある
 天の配慮としか言いようがない。


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