中学校学年末テスト結果（１） #953 Mar.14, 2010

　高校の学年末テストは#945に書いた。中学は1・2年生の学年末試験が3月3日にあった。3日かけた学校と2日で9科目の学校とばらばらだ。
　学年末テストだから、2月の学力テストではなく2学期期末テストと比べる。1年生は5科目合計点が塾生平均で55.0点あがった。全員合計点が上がってうれしい。
　一番上がった者は92点up、上がり方が一番少なかったものは1点upである。1点しか上がらなかった生徒はそれでも学年順位を上げて、はじめて上位10%以内に入った。
　
　二年生はまだ集計していないが、5科目合計点で塾生平均25～35点の間だろう。一人だけ2学期期末テストと合計点が同じ生徒がいたが、後の生徒は点数が上がっている。
　一番上がった者は昨年10月下旬に入塾した男子生徒で112点upしているが、上昇分の40％は数学で稼いだ。英語が嫌いで勉強したがらない。まもなく春休みだがこの生徒だけは嫌いな英語の勉強を無理やりやらせることにしている。
「英語をどうしてもやりたくないなら塾へ来る理由がないからやめていい、来るなら無理やりやらせる、どっちかはっきりしろ」
ときつく対応している。このような対応は滅多にしない。英語の点数を60点上げれば根室高校普通科へ楽々合格できる生徒だ。嫌いなことを我慢してやりとおすという経験がこの生徒にはどうしても必要だ。

　2年生も5科目合計点が下がった者は一人もいなかった。三学期は内申点に直結するからとずいぶんシリを引っぱたいた。それにしてもだ、みんなよくがんばった。教えているこちらの方が驚いている。

　1校だけ1年生の点数分布表が手に入った。数学をみると30点以下が44人/78人いる。56.4％だ。この層の生徒の大半は基礎計算力（小数位取りや分数の加減乗除算）に問題を抱えており、自力で1年生で習ったことを復習する力がない。
　先生はコメント蘭で「これから進級するまでの間にしっかり1年間の復習をしてください」と書いているが、これは50点以上取れた生徒が対象で、30点以下の生徒は無理だろう。先生が補習するしかすくう手立てはない。この層の生徒の三人に二人は先生の助けを求めている。
　「今回は基本的な内容を問う問題を多く出題しました」とあるから、半分以上の生徒は「基本」を理解していないと受け止め、補習するのが自然だろう。

  道教委も補習をするように通達を出しているはずだ。たしかそういう措置をとるということが北海道新聞に載っていた。しかし、学校現場はまだ変わっていない。プリントはよく配るようになったが、補習だけはほとんどの学校が実施していない。先生たちも、部活を削れば時間は作れる。補習をし、生徒に家庭学習習慣を身につけさせるために、5時以降の部活禁止に教育の専門家である先生たちが動くべきだ。

　北海道は全国学力テストで44番目、そして根室管内はその学力の低い北海道14支庁管内で一番学力が低い。根室の子どもたちの学力を上げるためには、学校と家庭の協力が必要だ。5時以降の部活を禁止し、週に2回先生たちが交代で30点以下の生徒を集めて補習する。
　6時半まで部活をやらせたら、家へ帰ってきて「疲れた、お腹すいた、めし」、食べたら眠気がでる。大半の子どもがテレビを見るか、携帯メールか、インターネットゲームだろう。そしてお風呂へ入ればあとは寝るだけ。これでは家庭学習習慣が身につかない。
　家庭で勉強する習慣をつけるには部活を5時までにするのが有効だ。5時半までに家へつけば、食事まで1時間ぐらいは勉強できる。そこは家庭の責任だ。半数以上の生徒が家庭で数学を勉強しようにもどうやっていいのかわからないというのが実態である。学校の先生たち、大変だろうけど数学の補習をしてやってほしい。数学の先生でなくてもいい、英語の先生も国語の先生も交代で数学を教えればいい。
　英語は三人に一人が30点以下だ。この根室の現実を協力して変えよう。

　数学については小学校の先生たちが生徒に小数や分数の計算を教えきれていない。これは中学生の学力を見れば明らかだ。もちろん家庭で勉強する習慣のない子供が圧倒的多数派であることも大問題だが、中学校の先生たちがそのツケを補習という形で支払わなければ、高校の先生たちへツケを回すことになるし、実際にツケは回っている。
　ツケ回しは市長だけの得意技にしておこう。病院赤字特例債によるツケ回し、市債へ切り換えによる一時返済棚上げというツケ回し・・・後の苦労がきつくなるだけだ。

　小学校や中学校の先生たちは、夏休み前までの根室西高校の先生たちが数学で何を教えているのか授業を見学させてもらえばいい。
　教師になったときの、あのときの初心を思い出そう。そうしたらこれから何をすべきかわかる。生徒と虚心に向き合うことができるだろう。教師は「聖職」だ、ほんとうに大変な仕事だ。一人一人の生徒の人生に係る仕事だ。

*#945『高校学年末テスト問題と模試結果表を見て』
　http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-10-1