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市立根室病院収益 計画額5億円下回る #775 Oct.29, 2009 [32. 市立根室病院建て替え]


 市立根室病院収益 
 
計画額5億円下回る
 昨年度 医師増員でも届かず
【根室】市立根室病院は、2008年度決算をまとめた。医師数が回復したことで、医業収益は24億4280万円と、前年度より16.9%増加したが、整形外科医などを予定通り確保できなかったため、当初予算(計画)を5億3270万円下回った。29日の市議会決算特別委員会で審議される。(幸坂浩)
 同病院の医師数は04年度の臨床研修医精度導入で、07年度に6人まで減少したが、08年度には14人まで回復。1日当たりの外来患者数は前年度比42.2人増の556.2人、入院患者数は同10.3人増の79.5人と改善した。
 ただ、整形外科医の常勤医を確保できず、患者の多い骨折の入院を扱えなかったほか、産婦人科の常勤医が着任したのが1月になってからだったため、当初予算ほどは収益が伸びなかった。
 一方の医業費用(支出)は患者増でこそ津も増加したほか、人件費の増額などから、33億5340万円となり、同5.5%増えた。
 い仰臥位の費用もあることから、収支を均衡させるための一般会計からの繰入額は、前年度の2.4倍の11億4890万円に上った。繰入額が急増したのは「07年度は収支を均衡させずに赤字としたためで、08年度に経営が悪化したわけではない」(同病院事務局)という。
 これに対し、08年度は公立病院特例債を10億5千万円発行し、不良債務(資金不足)を解消したため、あらたな不良債務が発生しないよう収支を均衡させる必要があった。
 同病院事務局の鵜ノ沢馨経営推進室課長は「さらなる経営改善に取り組み、住民のニーズに応えたい」と話している。
 10月28日北海道新聞22面根室地域版より

 《コメント》
 内容に対する論点は3つ。
 (1)医師数や患者数が前年を大幅に上回ったのに、医業収益が5億円も予算より少ないのはなぜか?

 答えは簡単だ。予算売上が辻褄あわせ=インチキだからである。医業費用を少なく見積もり、その一方で医業収益を過大に見積もり予算の収支均衡を図る。
 市民を欺くこと、それが病院事務局や財務課の仕事だと言い切ったら言い過ぎだろうか。彼らは法律に忠実に仕事をしているだけなのだろう。地方公営企業法という法律は国民を欺くダブルスタンダードであるがその法律に忠実に仕事をした結果だろう。そうだとしても、実態が毎年10億円の赤字であることは関係者は皆ご存知だ。それでも一般会計から繰入を行い「黒字」だと強弁する。一般社会の常識ではそのような状態は赤字という。
 病院建設は経営改善が前提条件である。しかし、この5年間、病院は実質10億円から11.5億円の赤字を垂れ流し続けており、経営改善はひとつもなされていない

 (2)医業収益が予算比5億円も下回ったのに、医業費用が予算よりも多いのはなぜか?

 これも答えは(1)と同じだ。予算費用が辻褄合わせ=インチキだからだ。予算で計上している医業収益に対応する患者数や医師数で計算すれば、予算の医業費用は医業収益に見合っただけ膨らんでしまう。実質11億円の赤字になることは病院事務局も財政課も熟知している。
 11億円の予算赤字を帳消しにするためには、一般会計から11億円損失補填の「繰入金」予算を組まざるを得ない。しかし、それは不可能なことである。そのような予算を組んだ途端に、病院建て替えは認められない。国の基準に抵触してしまうからだ。補助金をもらうためには国基準どおりに病院の経営改善計画を立てて、改善の実績をあげなければならない。だから、病院事務局も市役所財政課も市長も市民を欺くインチキ予算を組む。
 国や道もわかっているが、書類上で形式基準を満たせば補助金は交付する。
 そしてインチキ予算に反対する市議は一人もいない。副業市議が多く、調べたり勉強したりする時間がないのだろう。かくして、予算や決算をチェックする市議もおらず、市立根室病院は何十年も経営改善がなされず放置され続けてきた。病院建て替え問題の根は深い。

 (3)カラクリ
 2007年度も実質10億円を超える赤字だった。予算を超える赤字5億円は前年度までの累積分と合わせて、赤字特例債で処理された。つまり決算時に一般会計から補填されなかったのだ。補填するほど決算に余裕がなかったのだろうと推察する。そして2008年度も11億円を超える赤字がでた。一般会計で補填するかどうかは29日の市議会で決まる。
 この5年間で実質赤字が10億円を下回ったことは一度もない。予算で一般会計から補填していた分は4~6億円である。足りない分の5~6億円を決算で一般会計から補填できるときは補填し、それが不可能なときは赤字として残し、まとめて赤字特例債を発行する。そして赤字特例債は将来の病院経営の圧迫要因となる。償還がすぐに回って来るから、毎年赤字特例債の償還に1~2億円の赤字が積み増されることになるのである。償還が回ってくる来年度から病院赤字は実質12億円を超えてしまうだろう。建て替えが予定通りなされたら、償却負担で病院経営はさらに圧迫され、建設債償還で市の財政も逼迫することになるだろう。

 さて、明日の市議会で市議たちがどのような議論をして、決算を承認するのか注目したい。市議会の、そして市議の存在意義が問われている。

 私見を言えば、補助金をもらわなくても病院は建て替えできる。道産子は明治以来の植民地根性を棄てるべきだ。59億円の建て替え費用は40億円以下にできる。これなら補助金をもらわずとも、自前でやった方が安い。根拠は書いてあるので、同じカテゴリーの過去ブログを見て欲しい。

 昨年度の平均入院患者数は80人に満たなかった。もう一般病床は150ベッドは要らない。人口はまもなく2万5千人になる。一般病床150ベッドは見直すべきだろう、実績値から見ても100ベッドで十分だ。そして療養病床を再検討すべきだ。こうしたことを決算本会議で質問する議員はいるだろうか?
 病院事務局や財政課や市長は己の職務に忠実であるべきだ。もちろん市議たちも同じである。公職にあるものは職務を通じて市民を欺くことがあってはならぬ。ひたすら己の職務に忠実に、市民のために働くべきだ。きっちりと気持ちのよい仕事をして欲しい。そうすれば根室は住み好い町に変わる。
 さあ、明日の市議会を傍聴に行こう。時間の空いている市民は市役所へ行き本会後を傍聴しよう。傍聴席がつねに満員になっていれば、市議ももう少しきちんと仕事をするようになるだろう。

*2008年度決算承認が明日の市議会本会議で行われる。3月31日決算だから7ヶ月である。自営業者は12月31日〆で決算を行い、3月15日まで申告を義務付けられているのに、地方自治体はそれよりも4ヶ月も遅い。一体どのような仕事を仕方をしているのだろう。
 個人とお役所の2重基準はやめて、同じ基準にすべきだ。そうすればいろいろなことがまともになる。病院赤字も隠せなくなる。
 たとえば、上場企業は12月31日に決算したとすると、1月末あるいは2月中旬には「決算短信」を公表する。そして商法上3ヶ月以内に株主総会の承認が必要となる。同じ基準を適用すれば、根室市は3月31日の決算を5月中に公表し、6月末日までに市議会の承認をとらなければならない。一体7ヶ月も経ってからの決算にどれほどの意味があるのだろう。決算分析をして、今年度の予算に生かそうにも7ヶ月が過ぎてしまっていては、手遅れである。
 ダブルスタンダードはインチキだからすべからく廃止すべきだ。多くのインチキがダブルスタンダードの廃止でできなくなる。国の財政赤字が900兆円も蓄積されることはなくなる。根っこを引き抜くべきだ。


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