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新型インフルエンザ患者数25人、国内2次感染? [35. 感染症および自己免疫疾患]

新型インフルエンザ患者数25人、国内2次感染?

 神戸市内の高校で新規患者が8名でた。海外渡航歴はないという。
 新型インフルエンザ・キャリアーのうち、発症していない者は「水際作戦」というフィルターを通り抜けてしまうことが指摘されていた。そういう専門家の懸念が現実になった。
 平清盛が貿易のために開いた福原が神戸港である。国内第2の重要港湾だから、海外から船が入ってくる。船が入れば人も入る。もちろん新型インフルエンザもだ。しかし感染経路は判明していない。感染経路云々も大事だが今後は大量発生に備えた診察・治療準備が大切だ。新型インフルエンザへの対応は新たな段階に入った。
 
 事故が起きるときは、その原因となるヒヤリ・ハットが30倍あるということが統計学的に言えるらしい。感染症に関していえば、一人患者が発見されれば30人の潜在患者がいるということだ。つまり、25人×30=750人の新型インフルエンザ患者が日本国内を動き回っているということである。

 国や都道府県の対策も「水際作戦」から、大規模発生に備えて治療体制を整えることへとシフトしなければならない。いまのところ病原性は弱い。これが強毒化して呼吸不全を起こすように変異したら大変なことになる。隔離・治療する施設も医療機器(人工呼吸器)も現場にはほとんどないのが実情だろう。

 ウィルスが強毒性に変化する前に準備しなければならない。これから数ヶ月が勝負だ。北半球は夏に入るからインフルエンザは沈静化するので、12月までは準備期間に充てられる。補正予算で人工呼吸器を全国の病院へばら撒き、操作について短期間のトレーニングセンターを立ち上げるべきかもしれない。
 これから冬に入る南半球で新型インフルエンザが蔓延することになる。WHOはまもなくフェーズ6という判断をする。

 ロシアの状況が見えない。わが町も例外ではない。

 以下はWHOの定義である。
<Six phases of flu pandimic>
Phase 1: ・・・
・・・
Phase 5: The virus has spread into at least two countries and is causing even bigger outbreaks.

Phase 6: Outbreak in at least two regions of the world; the pandimic is under way(フェーズ6:2地域でアウトブレイク、パンディミックが進行中)

*新型インフルエンザはすでに25カ国に広がっている。フェーズ6のアウトブレイクは2次感染の拡大と解釈していいだろう。この段階では「水際作戦」が意味を持たなくなったということだ。感染拡大はもうとめられない、つまりパンディミックだ。
**パンディミックは世界中でひとつの病気が流行することをいう。「爆発感染」などという扇情的な訳語は充てないほうがいいだろう。ある期間は2倍4倍8倍16倍32倍と患者数が増え、ウィルスが強毒化しても、広がるだけ広がれば未感染者の数が減少するし、ウィルスが弱毒化するから次第に沈静化する。
pandemic:pandemic is an occurrence of a disease that affects many people over a very wide area.

 2009年5月17日 ebisu-blog#582
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