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緊急経済対策23兆円の財源は幻か? [91.経済]

緊急経済対策23兆円の財源は幻か?

 お昼のニュースを見ていたら、麻生首相が「緊急対策の財源として埋蔵金を充てる」「その一つとして外為特別会計の余剰金」を挙げていた。外為特別会計に「埋蔵金」はあるのだろうか?
 答えは出ている。10月14日blog#354『円高で積立金40兆円が消えた』で採り上げた。財務省主計局長が民主党議員の質問に対し国会で、「円高(¥99/㌦)で40兆円の外為特別会計の積立金がすべて消えた」と明快に答えている
 そのあと民主党議員が何も突っ込まなかったのは不可解だった。リスク分散をせず、$一辺倒の無策のなせる業だから、運用を改めさせ、為替差損を小さくしろと要求するのかと期待したが、聞き流しただけだった。年間税収に匹敵する為替差損を出すことになるのに、まったく感受性がない。不可解だ。

 100兆円の米国債を平均117円/㌦で購入していれば、¥99/㌦でおおよそ18兆円の為替差損がでる。40兆円ということは他にもなにかドル債権を保有しているのだろうか?現在¥90/㌦まで円高が進んでいる。比例計算すると外為特別会計はマイナス20兆円となっているはずだ。
 23兆円の緊急経済対策の財源に外為特別会計の「埋蔵金」を充てるという麻生首相の発言は財務省主計局長が10月14日に国会で答弁したことが正しいなら、幻だということになる
 官邸スタッフは首相と財務省主計局長の答弁の整合性チェックくらいはすべきだ。官邸スタッフのチェック機能が働かないので、政府内部は支離滅裂の様相を呈している。

 結局、緊急経済対策の財源は赤字国債に頼らざるを得ない。これから10年間日本経済は大変な難局を迎え、税制を変えない限り、税収は大きく縮小する。つまり、大増税によってしか借金を減らせないのだ。
 1000兆円になんなんとしている国債発行残高は次世代へ支払わせることになる借金の山である。だから、1円たりとも赤字国債を発行してはいけない。
 自公連立政権だろうが、民主党政権だろうが、皆いずれは消えていく。返済不能な借金の山をさらに大きくすることがあってはならない。

 2008年12月16日 ebisu-blog#442
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