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薬物乱用防止に決意(根室高で発表会)12月13日北海道新聞 [57. 塾長の教育論]

薬物乱用防止に決意
 根室高で発表会

 【根室】大麻などの薬物汚染が大学生や高校生に広まる中、根室高で12日、薬物乱用防止意見発表会が開かれ、1年生5人が薬物の怖さを訴えた。
 今年で11回目。各クラスの代表が持ち時間3分で意見を発表し、「知らなければならない理由」と題して話した中村一敬君(16)が最優秀賞に選ばれた。
 中村君は「ダイエット効果や、体への影響が軽いなど、薬物乱用に誤った認識がある」と指摘。多発する大学生や高校生の大麻事件を挙げながら「たった一度の薬物使用が、積み重ねたものをいとも簡単に崩してしまう。間違った、では済まない」と訴えた。
 会場に集まった1年生200人と根室署の高橋晃一生活安全課長、松下洋一郎PTA会長らは、しっかりとした主張の聞き入っていた。(仁科裕章)

 中学生のときに2年連続で北方領土に関する弁論大会で管内優勝し、全国大会に出場したから、彼にとっては得意の分野だろう。分析が鋭く、薬物乱用結果に対する評価も「たった一度の薬物使用が、積み重ねたものをいとも簡単に崩してしまう。間違った、では済まない」と鋭いところをついている。
 彼は先月16日にあった日商簿記2級にも合格している。根室高校で1年生の合格は初めてである。3年まで含めても普通科では実績がないだろう。全道でも1年生の日商簿記2級合格は実績があったとしても稀なケースだろう。
 最近の進研ゼミの模試結果が、根高進路指導部から成績優秀者一覧表として公表されている。偏差値50以上の24名のデータが載っており、上位3人が偏差値65以上である。1位H君、2位N君、3位Tさんである。2位のN君は中村君である(昨年度は偏差値65超はいなかったとあるから、3人は特別に成績がよい)。余力を残しているから、いまやっているペースで勉強していればじきに総合偏差値は80近くまで上がるだろう。進路の最終判断はそれからでいい。

 公認会計士に向いているかどうかを試すために中3から簿記の勉強をやらせてみたが適性はある。公認会計士となって監査実務を数年やってから、医学部へ入りなおし、医者への道を突き進む選択肢もある。
 大病院を黒字経営できる医者は少ない。そういう医者になって、全国チェーンの病院群をつくる人間が現れてもいい時代だ。
 1学年下だが、ほかにもう一人医者を目指して勉強している生徒がいる。道立高校入試レベルでは問題が簡単すぎるので、数日前に早稲田高等学院の入試問題集を渡した。根室の中学校ではトップレベルだが、全国区での己の力を知るだろう。医者になって二人とも30年後に根室の医療を支えてくれたら嬉しい。
  「少年よ、大志を抱け」

 中村君にはデカルト『方法序説』、『岡潔/胡蘭成』(新学社近代浪漫文庫)、サイモン・シン著『フェルマーの最終定理』、小川洋子・藤原正彦著『美しき数学入門』、世阿弥著・林望現代語訳『風姿花伝』、『徒然草』などを薦めた。もちろん、音読教材に採り上げた斉藤孝書『読書力』、藤原正彦著『国家の品格』も中学時代に読んでいる。教室においてあるユークリッド『原論』も四分の一ほど読んでいた。
 デカルトの『方法序説』は哲学書である。その中に書かれている科学の方法に関わる「4つの規則」は数学の勉強にも有効だ。勉強や研究に迷ったときに回帰すべき座標の原点をもつことができるだろう。『風姿花伝』もそうした類の名著である。思春期にこういう本に触れることが大切だ。もともと、考え方のしっかりした生徒だが、こうした本を渉猟することが次の飛躍を用意する。岡潔の本だけは「難しくて途中までしか読んでいません」とのことだった。
 受験勉強だけをやらせていると、解法パターンを記憶するだけで考える力が育たない。考える力を育てられなければ、その脆さは社会人となってから現れる。典型的な症状はノイローゼ(双極性障害?)だろう。
 だから、ここに挙げたような本を読むことは将来起こりうる「さまざまなタイプの精神的な疾病」に対するワクチンの役割を果たす。相対的な物の見方にも慣れるから、オーム真理教のようなカルトにかぶれる心配もなくなる。
 生徒の興味・好奇心にあわせて薦める本のメニューは変えている。毎年、どんな好奇心をもった生徒が来るのか楽しみである。

 2008年12月13日 ebisu-blog#438
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