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学校推薦で合格した者たちは4月まで猛勉強 [57. 塾長の教育論]

学校推薦で合格した者たちは4月まで猛勉強

 早々と10月に学校推薦で札幌科学技術専門学校への進学を決めた根室西高校のA君、北海道情報大学経営情報学部システム情報学科へ学校推薦で進学を決めた根室高校事務情報科のB君、法政大学法学部へ学校推薦で進学を決めたCさん。数少ない高3の生徒5人の内、3人が学校推薦で入試に合格した。あと二人は国立大学志望だから今夜もまだ勉強しているだろう。

 A君は第1種電気工事技術者志望だ。何度も数学満点をとるほど数学が得意だった。将来電気工事店を開業・独立したときのことを考えて昨年から簿記の勉強もしている。予算や決算、税務申告が自分でできると独立したときの経営に役に立つので、2月の日商簿記検定試験3級合格を目指して今週も塾で勉強している。4月の入学まで電気に関係する数学の分野である三角関数、微分・積分などをブラッシュアップ中だ。専門学校の授業についていくためにはそれなりの準備が必要だと彼は考えている。

 B君は経営情報学部システム情報学科だから、やはり数学の勉強はしておいたほうがいい。事務情報科は普通科に比べ数学の時間が半分以下である。線形代数をやるためにベクトルは必須で、数Bをこれから3ヶ月でやる必要がある。微分や積分も普通科レベルまでブラッシュアップしておくべきだ。足りないものを補完し、事務情報科の利点はさらに補強してしておきたい。
 事務情報科で簿記とプログラミングの勉強をしてきたから、B君はそれを生かして会計情報システムの分野の専門家になるつもりだ。2月の日商簿記2級受験には必ず合格しておきたい。
 先日、プログラミング言語のC++を予習しておいたほうがいいと考えて、書棚にあった『やさしいC++』を渡した。分厚い本で初学者にとってはちっともやさしくはない。数えてみたら、C++に関する本が書棚に8冊ある。仕事の関係で興味があったので時々読んでいた。C言語はシステム屋にとっては古すぎる言語だ。仕事で関係した英国人の暗号技術者2人が十数年前にCを使っている同業者はいないと言い切っていた。日本は情報処理技術者の試験でまだCを使っているのではないだろうか。入学後勉強することになるJAVAも同じオブジェクト指向の言語であるC++をやっていればすぐに理解できる。
 入学後に夏休みに帰ってきたときには、Accounting Information Systemsに関する最新の本を一緒に読んでもいいと思っている。この分野の専門書は日本に会計学とコンピュータシステムの両方をこなせる学者がほとんどいないので翻訳されていない。B君は最近半年ぐらいで英語の力がだいぶ上がってきたように感じられるので、夏が楽しみだ。さらに成長した彼とまみえることができるだろう。

 今週、法政大学法学部合格の報告があったCさんは、大学側からTOEFL受験を勧められたという。TOEFLは英語のレベルが米国の大学の授業を受けられるか否かを判定するのに利用されているもので、留学する際に、一定レベルのスコアを求める大学が多いようだ。TOEICがビジネス英語、「英検」が中高生用の日常英会話というように別れている。
 企業では昇進試験にTOEICで一定のスコアを要求するところが増えている。就職にはTOEICだ。英検は就職には役に立たない。たとえば英検2級程度では、高校卒業程度の英語の学力の証明にしかならず、ビジネス英語では実務としてもほとんど役に立たないからだ。
 留学するわけではないだろうから、なぜTOEFLかは聞かなかったが、とにかく英語の勉強を4月までする必要があるという。"Japan Times" を使ったパラグラフ・リーディングと英文法問題集の"English Grammar In Use"をもう一度やればいいだろう。4月まで学校帰りに毎日寄ればいい。一緒に読む英字新聞の記事は用意しておく。3ヶ月あれば、readingとwritingはかなりパワー・アップできるだろう。女子の場合は大学を卒業してから就職が男子よりも難しい。それだけに大学での成績が優秀であることはいい就職をするための必要条件である。

 北海道は全国44位、根室管内の学力は北海道で最低だった。根室の子どもたちの大半はこれらのハンディを乗り越えて、札幌や東京などの大都市で生きてゆかねばならない。そのためにはハンディを跳ね返す努力が必要である。
 金融危機に端を発する経済不況は深く長いものになりそうだ。とくに日本経済は数年後にはさらに悪化する。国債発行残高が1000兆円を超えるのは彼ら・彼女たちが学校を卒業する前後だろう。学内トップクラスにまで力を蓄えておかないと正社員での就職が難しい時代になる。推薦入学の利点を生かし、4月までニムオロ塾で必要な勉強をして、実力を上げて故郷を巣立て。
 正々堂々、まっすぐな気持ちを持ち続けて、いざ戦え根室っ子!

 2008年12月14日 ebisu-blog#439
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組込制御技術者

はじめまして。以前、検索で引っかかってからたまに拝見させて頂いています。当方、某メーカーでSEをしている者です。

本日の文中でC言語はもはや古いと書かれておりますが、確かに業務系分野では現在はC++や.NET、JAVAなどのオブジェクト指向や更にそれを発展させたアスペクティブ指向などが主流となってきています。

しかし、日本が得意とする組込制御系分野(例えば、携帯電話開発からはじまり、カーナビゲーション開発や車のエンジン制御など、ハードウェアと密接に関連するソフトウェア制御)などはパフォーマンス的観点からも未だにC言語やアセンブラでの開発が主流です(最近はC++で組まれているものも増えてはきていますけど、C言語は全ての言語の基礎とも言える言語なので、特にポインタやメモリの概念などを理解する上ではC言語は避けて通れないと思います)。

携帯電話の通信制御などで使用する暗号系アルゴリズムや、音声認識、画像処理エンジンなども、例えばイスラエルの企業などがC言語(+アセンブラ)でゴリゴリ組んで、それをライブラリとして日本企業に提供しているケースもあります。auのプラットフォームであるKCP+もC言語で組まれてます(ドコモのsymbianはC++ですね)。

学生さんに勉強を勧めるならば言語依存の勉強ではなく、アルゴリズムや論理学などを中心に勉強させた方が汎用性や応用力をつけるといった点からもよろしいかと思います。
by 組込制御技術者 (2008-12-14 03:41) 

ebisu

実務をやっている技術者の方からのコメント、たいへん参考になります。
 制御系技術者であるとのこと、私が関係してきた会計情報系や業務系のシステムとはまた世界が違うようです。私自身は経験はありませんが、30年ほど前の輸入商社時代に技術部でマイクロ波計測器のマルチコントローラを開発していたのを思い出しました。仰るとおり開発担当者はアッセンブラで“ゴリゴリ”組んでいました。20年近く前に検査機器とパソコンをつなぐためのマルチコントローラを開発している会社に関係しましたが、やはりアッセンブラでした。保守に問題が生じるので、開発言語をC言語への切り替えました。古い話しで恐縮です。
 「学生さんに勉強を勧めるならば言語依存の勉強ではなく、アルゴリズムや論理学を中心に勉強をさせたほうが汎用性や応用力をつけるといった点からもよろしいかと思います」とのご意見はその通りだと思います。
 並行して特定の言語をマスターして、腕のよいプログラマーのプログラムを真似てみることもアルゴリズムの勉強になります。しかし、やはり基本になっている、記号論理学や回路の勉強も重要です。おそらく先端的な仕事になればなるほど必要性が増すのでしょうね。そう言っているように聞こえました。
B君にあなたの意見を伝えます。ありがとうございました。
 
by ebisu (2008-12-14 09:02) 

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