王監督引退、ご苦労様でした

王監督引退

　野球にはさして興味はなかったが、やるのは嫌いではない。王監督には特別の思いがある。王さんが腹腔内視鏡手術によって胃を全摘したのが2年前の7月、わたしはその1週間後だった。

　大柄な王さんだから水分補給が大変だっただろう。手術後の2度の嚥下障害による再入院を経て、グランドに戻った。クーラのないグランドのベンチに立っているだけでも大変だっただろう。

　手にペットボトルをもって頻繁に水分補給をしないと脱水症状を起こすはずだし、食べ物をそばにおいてしょっちゅう食べていないと体力がもたない身体である。
　胃に食べ物を貯めて置けないから、食べたものはすぐに腸で消化されてしまう。体調にもよるが3～5時間も食べないでいると、血糖値が急激に下がり貧血に似た症状が出て意識を失いかねない。ガス欠に似た様なものと考えていただければいいだろう。水分を一気に取ると下痢をする。コップ一杯の水を飲むのも時間をかけて細心の注意が必要だった筈だ。

　3時間グランドにに立っているだけで、身体は悲鳴を上げることがあったに違いない。どのような苦痛に耐えていたか想像できる。そして病気をしたからこそ、前線に立つことにこだわりたかった気持ちもよくわかる。
　でも、もう頑張らなくていい。これからは空調の効いた涼しい室内でのんびり観戦されたらいい。
　王さん、あなたは選手としてそして監督として50年間もファンを楽しませてくれた。ありがとう。
　
　2008年9月24日　ebisu-blog#314
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