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#5064 FM東京「ジェットストリーム」 Sep. 16, 2023 [5. こころの洗濯]

 深夜零時からはじまるこの番組を久しぶりに聴いている。54年ぶりかな。

 番組冒頭のナレーションが流れたが、すぐに違和感がわいた、心が溶け込めない。福山雅治のナレーションがプロの俳優らしからぬ語り口なのである。福山の東野圭吾の本のテレビ化作品をいくつか見たが、こんなレベルだったのかとびっくり。音声だけだとごまかしようがない。

 この番組は、極東の町の高校を卒業してら東京へ来た年、1967年から「FM東海」の試験放送が始まった。飛行機が離陸する音とともに城達也(ジョータツヤ)のナレーションが始まる。いい声だったな。数年して「FM東京」へ変わった。FMは試験放送から本放送へ移行したのだ。そういう変わり目の時代だった。

 福山と城のナレーションを比べてというより、福山のナレーションを聴いた途端に城のナレーションが脳裏によみがえって、その違いにたまげたのである。朗読技術に大きな差がある。いまの時代だって朗読の上手な俳優はいる。声だけで勝負だから、力の違いが歴然と出てしまう。
 福山雅治、シンガーでもあり俳優でもある、結構売れていたから、台詞を言うトレーニングなんて積んでいる暇がなかったのかもしれぬ。そういえば、そうした俳優は他にも心当たりがある。たとえば「科捜研の女」の沢口靖子、他にもたくさんいるが、これらはみなさん売れっ子、朗読が上手そうには見えない。「科捜研の女」の相手役の内藤剛史も一本調子で上達のそぶりもない。さて、ジャニーズ事務所で朗読の上手な役者はいるだろうか?
 努力が足りないのか、努力の方向が間違っているのか、怠け者なのか、もともと俳優の素質が乏しいのか、わたしにはわからない。30年間、役者稼業をやれば10000日だから、そこそこの芸域に達していてもおかしくないはず。
 ところで、演劇での舞台経験が豊富な人は概して朗読が上手だ。たとえば、市原悦子。中標津町出身の老俳優が地元で開いた朗読会はすばらしかったようだ。こういう人たちは若い時にしっかり修業しているのだろう。むしろ、あまり有名ではない人に朗読の名人が多いのかもしれぬ。
 ショッキングな冒頭のナレーションだった。

 この番組を最初の年(1967年)は東芝のトランジスタラジオで毎晩聴いていた。1年後くらいにサンスイのチューナープリアンプを買ってヘッドフォンで聴いた。高いアンプだったが、その代わり、音は抜群によかった。そのチューナープリアンプは当時で4万円弱の値段だった。そのころの大卒新入社員の給料は3万円。そしてさらに1年後にオンキョーのパワーアンプを買って、スピーカーを自作した。
 ヘッドフォンで聴くときはボリウムを下げて聴くようにした、長時間聴いていると耳の負担が大きい。難聴になりそうな感じがあった。ボリウムを絞っても音は抜群によかった。わたしはジェットストリームという番組が懐かしいのである。

 10枚組のCDセット「ジェットストリーム」がある。冒頭にジェット機の離陸する轟音と城達也のナレーションが重なって流れる、明日はあれを聴こう。

*城達也のナレーションは台詞が二種類ある。こちらのサイトに記されている。
 「JET STREAM」


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