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#5023 おしゃべり点字タイプ:大学サークル活動と盲学校の連携 Jul. 25, 2023 [97. 21世紀の経済社会 理論と理念と展望]

<最終更新情報>8/26朝8:45 <マネジメントの重要性>追記

 数日前の朝のラジオで、熊本大学のサークル「ソレイユ」が視覚障碍者のために何かできることはないかと、10年来活動を続けています。盲学校のパソコンの修理から始まり、教えている先生や生徒のニーズを聞きながら「おしゃべり点字タイプ」の開発を成し遂げています。
 学生たちの自発的な活動が、自分たちの専門技能を生かすことで、社会貢献につながる、とってもすばらしいことだと思います。

 工学部の学生を中心に30名ほどでやっていますが、サークル活動は現役の学生だけの集まりなので、年度によってある得意分野の学生が卒業してしまい、それまでの仕事を引き継げないなんてことも起きていました。
 そこで今度は、そうした欠点をカバーするために、卒業生を中心にNPO法人「テクたまご」が発足しています。
 開発した機器の寄付もしているようですが、資金に限界があるでしょうね。企業がこうした活動のスポンサーになりやすいように、認定NPO法人には所得控除(寄付金控除)の「特定寄付金」が認められているので、毎期利益を上げていて内部留保の厚い上場企業は継続的に寄付をしてスポンサーになってあげたらいいですね。それぞれの企業のホームページ上で、毎年特定寄付金の明細を公表したらすばらしい、立派な社会貢献です。

 そうした「寄付の文化」が日本の企業経営者のマインドに育まれることを祈ります。自分たち(取締役)の報酬はこの30年間で2倍以上にアップさせたのに、雇用者の給料が横ばいなのは自我本能の働きです。障害を持った人々も幸せに暮らせるように、できる範囲のことをしようというのは平等性智の働きです。大数学者の岡潔先生が自我本能の発動を抑え、平等性智(全体の直観的把握)を働かすことが人としての在り方だと、度々言及しています。
 日本の伝統的な商道徳も同じことを別の言葉で表現しています。

 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」
 これで何もかもうまく回っていくのです。

<マネジメントの重要性>
 企業経営者が平等性智の働きで仕事すれば、政治も変わるでしょう。
 どういう哲学や倫理で企業経営するかということは経済社会の在り方を根本から変えるほど重要なことなのです。マルクスが考えもしなかったことです。マネジメントの良い会社は高い給料を支払えます。赤字すれすれの企業が賃上げできないことは誰にだってわかります。民間企業は赤字になれば、ボーナスもなくなります。労働価値説とか剰余価値学説は妄想でした。そんなものはありはしません。コンピュータ化や機械化をせずに低い生産性のままの方が生産物の価値が高いなんて馬鹿げた結論になります。そんな現実はどこにもありません。だから妄想というんです。書斎でアダム・スミスやディビッド・リカードのお勉強していたマルクスには理解できないことでした。社会に出て働けばすぐにも了解できたことです。
 「企業経営=悪」という前提条件で『資本論第一巻』は書かれています。ドイツとイギリスでそういう現実を見ていたからでしょう。日本の老舗企業を見たら、そうではない商道徳に気がついたでしょうね。マルクスにマネジメントの大切さがわかれば、ソ連や中国共産党は生まれなかったと思います。スターリンの2000万人の粛清も中国共産党の文化大革命による同胞2000万人の粛清もなかった。マルクスはまことに罪が深い学者です。彼自身は自分の経済学説の根本的な誤りに気がついて資本論第一巻を出版した後、死ぬまで15年間続編を出さずに、沈黙し続けました。ちゃんと気がついていたのですよ。だからアソシエーション、協同組合研究に救いを求めました。的外れでしたが...

 今からやればいいんです。年収をアップさせたかったら、労働組合運動は経営改革運動に変わればいい。株主への偏重傾向ある株式会社制度の見直しも必要です。株式会社形態が現行の企業組織で一番よく機能していますが、その弊害も著しいのです。しかし、それに代わる有力な企業形態を提唱できた人はまだいません。書斎の学問ではとても手が届きません。現実に機能しなければいけないのですから、具体的で現実的な提案が必要です。みなさん、智慧を絞ってみませんか?


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