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#4992 家族名義口座誤登録13万件:無能なデジタル大臣 Jun. 8, 2023 [8. 時事評論]

 マイナンバーカードで、家族名義の口座への誤登録が13万件あったとデジタル担当大臣の河野氏から、ようやく報告があった。すでにマイナンバー法案は参議院でも可決成立している。

 河野大臣の説明は、システムには問題がなかった、入力した人(利用者)のヒューマンエラーだという。阿呆もいい加減にしてもらいたい。マイナンバー入力プログラムに、マイナンバー名義人名と銀行口座の名義人名の突合処理を追加したらいいだけだ。10分あれば書き換え可能。
 要するに、システム仕様にそういう処理が漏れていただけのことで、設計ミスである。

 13万件も家族名義口座への登録があったということは、そうした突合処理がマイナンバー登録ソフトになかったというシステム設計上の基本的なミスがあっただけではない。
 いままで世帯主交付という給付金制度を、個人ベースに切り換えるという説明を丁寧にしていないから、自治体職員ですら今まで通りに家族名義の銀行口座で支障がないと考えた人が少なくなかったということだろう。

 そこで思い出したのは、コロナパンディミック時にシステム関係整備の指揮で獅子奮迅の活躍をしたオードリー・タン氏のことである。IT担当閣僚として自らのIT技術をベースに的確な指示をしながら、必要なシステムを次々に立ち上げて、コロナ封じ込めに成功している。日本政府はコロナウィルス接触アプリ「COCOA」すら満足に稼働できなかったのと対照的であった。これも河野デジタル大臣の担当でしたね。報道関係者あてに2022年11月11日に厚労省からCOCOAの機能停止のお知らせが出ている。

 この二人の違いは、IT技術を知っているかいないかで、仕事の結果に大きな違いが出ている。13万件の「誤登録」は、スキルのない人が指揮することによって起きた人災ということ。それにしても、仕様書書いている人がいるわけで、大丈夫かね? あまりにも初歩的なミスなので、驚いています。

 情けないのは、デジタル技術分野に専門的な能力を持った国会議員が一人もいないこと。だったら、民間から採用したらいい。
 河野大臣、そろそろおやめになったらいかが?

 諸外国では、国民のプライバシー侵害が問題になっているのに、日本ではその点がまったく論じられていない。河野デジタル大臣から、プライバシー侵害の問題や犯罪への利用の弊害についての、そしてセキュリティの説明がまったくないのはどうしたわけだろう?
 この人の発言を聞いていると、「気違いに刃物」という言葉が頭の中に時々浮かんでくる。

<余談:セキュリティへの不安>
 マイナンバーに医療保険が紐づけられるという。医療保険は全国の病院、クリニックで使われている。例えば、わたしが東京都で診療を受けたり、入院したりしたとする。すると、全国のどの医療機関でもわたしのマイナンバーを病院システムに接続されたパソコンへ入力したら、診療記録やカルテが閲覧できるということ。そういう運用を目指していると口を滑らせている。
 マイナンバーはすでに国税庁の確定申告のシステムに採用されている。だから、この二つはマイナンバーをキーにすればハッキングできるということ。いや、そんな技術がなくても、医療記録は他の医療施設の端末から閲覧が可能になる。興味本位で見る者が出るし、マイナンバーのリストが売買されることになるだろう。
 運転免許証がマイナンバーカードに置き換わるらしいが、違反記録がマイナンバーでハッキングできる可能性が出てくる。
 銀行口座開設にマイナンバーが登録されたら、預金の残高や入金・支払い記録もマイナンバーをキーに漏れる可能性がある。
 これからどのようなシステムがマイナンバーを採用するのか、政府の裁量次第になっている。勝手に官庁システムで採用されていく。
 マイナンバー情報が洩れたら、関連するすべてのシステムの情報がマイナンバーをキーにハッキング可能になる。高い金額で、精度の高い情報が売買されるようなことになるのだろう。米国にその先進事例(犯罪)がたくさんある。国民の7%が被害を受けているなんて事態を引き起こしかねないのだ。

 マイナンバー制度の一般的な名称は「国民ID制度」という。それを制定した後に廃止した国や問題続出している国がある。
 ●イギリス
 ●米国
 ●ドイツ
 ●韓国
 ●スェーデン
 例えばイギリスは2006年にIDカード法が成立したが、費用対効果の問題やプライバシー侵害が問題となり、2010年に廃止された。

 米国では「社会保障番号」がそれにあたるが、従業員の不正などで盗まれた社会保障番号で、「なりすまし」が横行、クレジットカードを勝手に作られたり、勝手のローンを組まれたりする弊害が続出し、2014年には国民の7%、1270万人が被害に遭っている。

 ドイツでは1970年代に検討されたが、国民のプライバシー侵害の懸念が大きく、成立に至らなかった。ドイツでは行政機関ごとに別々の番号で管理している。
 あとは、青・太字をクリックしてお読みください。


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くまを

わたしの昔々のプログラマ時代の話。

厚生年金の「出産手当」が夫と妻が別の会社に勤めているばあい、それぞれ申請を出すと倍額もらえてしまうという大ザル仕様を治したことがあります。

簡単なことで、夫婦のばあいは相手のDBテーブルの1バイトに「1」のフラグを立てるようにすれば良い。

文系プログラマのわたしでも一人で一日かからぬ仕事でした。

いままで事故なかったのかなと上司に聞いてみたら
「奥さんの会社の経理が本人に確認するでしょ」
と超性善説なのでした。
by くまを (2023-06-12 02:38) 

ebisu

くまをさん

昔の日本人は、ダブルで出産手当を請求するなんてことはしなかったのでしょうね。だから、上司も
「奥さんの会社の経理が本人に確認するでしょ」
と性善説で問題にならなかったのでは。

善悪は別にしてミスというものはあるものです。
1984年に財務経理システムの外部設計書を書いたときに、勘定科目コードと組織コードを4ケタにしました。一番下位の数字がモジュラス11で計算した数値でした。
半年ぐらいしてから、営業所で「荷造り運賃」が発生していました。これは営業所では発生しない費目、エラーですので、原因を調べました。
ウェイトは換えてありましたが、なかに組織コードと勘定科目コードのチェックデジットが同じものがありました。
プログラムを作って、同じコードをリストアップし、組織コードの方を使用禁止にしました。
支払伝票の勘定科目欄に組織コード印を押していました。そういうミスを外部設計の時に想定できませんでした。テストデータはつくってテストしましたが、完全ではなかったということ。(笑)
いい経験をさせてもらいました。

by ebisu (2023-06-12 11:18) 

くまを

国民年金の制度改正がメインの仕事でしたが、プロジェクト名が「第三号被保険者創生」。

第三号とはサラリーマンの奥さんです。
そう、それまでは「無年金者」だった(汗)
かんたんに離婚できなかったですね。

3月31日の深夜に全国民のデータから抽出と、国家プロジェクトなのでかなりプレッシャーがかかってました。
失敗したら「F通の社長のクビが」「N公社の会長が国会に呼び出し」とか。

資金は潤沢で、民間のプログラム1行(ステップ)300円くらいだった時代に5,000円。

気さくなF子会社の副社長が「財源はいくらでもあるんだよ。独身OLが数年で結婚するだろ。それまでの厚生年金は掛け捨てなわけだ」
(制度が変わり現在掛け捨てではないはず)

いまでは第三号を廃止せよ、とかいう時代になりました。


テストデータ、わたしも苦い思い出があります。

J**カードで 優良顧客にS、ブラックはX、を付けるという処理(冗談みたいですが)。
前のプログラムからわたしのプログラムにつなげるとまったくデタラメ。

前のを作った理系に「こんなのおかしいでしょ?」と尋ねると、自分が間違えるはずがないの一点張り。わたしも「そんならマシンがおかしくなってる」と言うと爆笑され。これだから文系は、と周りに言いふらし散々馬鹿にされました。

結局は、テストデータがおかしかった。つまるところ、ヤツの作ったのも間違っていたわけですが。

こちらに一言も詫びがなかったのが腹立たしい(いまも 笑)。
by くまを (2023-06-12 17:44) 

ebisu

くまをさん

おはようございます。
論理で攻めてテストデータをつくっても、それが100%であっても漏れは出ますね。
基本的に人間がかかわる限りは何しでかすかわからないからです。考えられないようなことをする人が出ます。
でたときに、原因を短時間で突き止め、ソフトを修正できればいいだけです。

ところで自分のした仕事をごまかす奴は、スキルが頭打ちになりますね。いましたね、そういう人が。何年たってもスキルが向上しないままでした。次々に言い分けをするので、そちらに脳の半分くらいに資源を浪費しているようにみえます。嘘をつくと辻褄合わせるのに次々に嘘つかないといけないことになるようです。それでは満足な仕事がいつまでたってもできません。

素直で好奇心の強い人は天井知らずでスキルが伸びます。
理系・文系に関係なしです。
それぞれ得意分野が違っているだけ。

すこしスキルが上がってくると、ハイブリッドになっているのが普通です。どちらから攻めてもいい、10年やってスキルが飛躍的に伸びていたら、レベルを上げて一緒にいい仕事を楽しくやれます。
そんな人がいましたね、NCDのU田さん。そろそろ定年かな。彼は理系だったのだろうか、文系だったのだろうか、まったくわかりません。

1984年にデータチェックするために、ソロバンはじいていたら、「ebisuさん、ソロバンできるんですか!」ってびっくりされました。
ソロバンできるSEは少ないかも。(笑)
3~4段相当。
ピアノの上手なSEがいました。キータッチを見てすぐにわかりました。指運びが美しいのです。
by ebisu (2023-06-13 11:13) 

くまを

ソロバン日商3級ですw
ピアノは社会人になってからY音楽教室に申し込んだら連絡しますと言われ放置(たぶん不審者と思われた)。ギターしか弾けません。

ところでマイナンバーにはふりがながないのですね!
https://agora-web.jp/archives/230612105620.html

なかなかのヌケサク仕様です。
by くまを (2023-06-14 20:09) 

ebisu

「マイナカードには全体設計がない。カードの所管官庁は総務省だが、e-Taxの所管は財務省、戸籍の所管は法務省、コロナ接種の所管は厚労省。いろいろな官庁が自分の都合でシステムを設計し、それを寄せ集めたので、パスワードも4種類ある。」

マイナーコードにパスワード四つなんて、ジョークとしか思えません。
能力ないから、別々にできた官庁システムをつぎはぎしただけ。
お金の無駄、やめたらよろしい。バラバラでいい。
米国も英国もドイツもバラバラでやっています。プライバシーの問題が大きすぎます。

河野アホ大臣、総点検命令を出したようですが、どうやって総点検するの?具体的な作業手順もわからないで、ヒステリー、あれでは下で仕事やる人たちが気の毒です。




by ebisu (2023-06-14 21:42) 

灰原哀

まるで悪しき日本の世襲制が凝縮された光景ね。こうした世襲制と共に人間の過ちの歴史が繰り返される訳よ。
政治家の子は政治家になる。
頭取の子は頭取になる。
医者の子は医者になる。
これじゃあいつまで経っても日本は変わらないって事よ。
by 灰原哀 (2023-06-22 13:54) 

ebisu

灰原哀さん

おはようございます、名探偵コナンの灰原哀さんの登場ですね。

戦国時代なら、バカ息子が世襲したら、有力な家臣が主家を見限って有望な隣国と反旗を翻して、淘汰されました。
江戸期にはバカなお世継ぎの「押し込め」なんてことが行われ、優秀な次男三男がお家を継ぐようなこともありました。それもダメそうなら、他家から養子をもらい跡を継がせています。

商家なら、息子には跡を継がせず、手代の中から最優秀な者を選んで番頭にして、娘と娶せ、継がせています。長男は家から出してしまいます。

そうしてみると「悪しき日本の世襲制」は明治以降にできたものです。学制が敷かれたことと関係がありそうです。

岸田総理は開成⇒早大出身だったかな、河野デジタル大臣は慶大。
学歴は政治家の品質保証にはならないということ。デジタル化の指揮は受験勉強とは関係なしです。

岸田総理が「総点検」をこの大臣へ指示し、河野大臣はおそらく事務次官に「総点検」を指示、事務次官も自分の部下に「総点検」を指示したのでしょう。

埼玉県のデジタル担当者がテレビで言ってましたが、「何をどうやれ」というのか伝わっていません。
仕事のできないものが、こういう風に縦に何人もつながっていたら、機能不全になるのはあたりまえです。
日本は政治家も官僚も、すでに国家機関の正常な機能を担える状態にはないのかもしれませんね。

健保組合の誤登録を点検するには、マイナンバーの氏名・生年月日・住所と健康保険記載のそれらの項目を突合するしかないでしょう。
住所の標記の仕方がバラバラなら、ソフトで変換すればいいだけですが、むずかしいことではないでしょう。それで漏れるのは、エラーではじいて、第三者が目で確認して、正しい情報を入力すればいい。
全データをやる必要があるので、作業手順まで示さないと、現場は動けませんよ。もちろん予算の手当ても必要です。
人手とコストが小さくありませんから。現場のシステム責任者の判断でできる仕事ではありません。

そういう仕事の実態がまったくわかっていないのが、岸田総理と河野デジタル大臣のお二人です。他の国会議員へ変えても、似たようなことです。
もう、政治家の2代目、3代目では現実の政治課題や政策を立案実行できないということです。
難関大学出身者が政治家には多いようですが、現実の問題に対処できる智慧を持ち合わせていないことが証明されてしまいました。これは自民党に限りません。世との公明党も同じことです。
野党も同じであったことは、民主党政権が見事に証明してくれました。
官僚もまた、難関大学出身者がキャリア官僚になって、事務次官に上り詰めるというシステムそのものが、機能不全の主要な原因となっています。

こうして日本は次々に政策が破綻し、問題を適切に処理できない国家になり果ててしまっています。
原発一つ見ても、廃炉の方向だったのが、耐用年数を延長して再稼働にいつの間にかなっています。
でたらめがまかり通り、迷走がとまりません。やっている政治家自身が、それを不思議と思っていないのですから、始末に負えない。
by ebisu (2023-06-23 09:21) 

あぐり

これは酷い!

マイナンバーカードで最も怖いのは個人情報漏洩 何か起きても「デジタル庁は責任を負わない」と規約に明記
https://news.yahoo.co.jp/articles/466f67ae6947e9990519cff3545dc3bf8ef02957

最低限の保証がないのであれば、カード化する意味がない!
by あぐり (2023-06-23 09:45) 

ebisu

あぐりさん

社会保険証番号に紐づけされた「フラット型」の米国では7%の人が何らかのトラブルに巻き込まれています。1200万人もの人が実際に被害に遭っていますから、そういう実態を知っているので、日本でもマイナンバーにいろいろなシステムが紐づけされたら、当然これからネット犯罪に利用されます。
だから、「デジタル庁は責任を負えない」のでしょう。道道と宣言しています。安全だというなら、「デジタル庁は未来永劫国民に対してマイナンバーに関わって起きた犯罪被害は補償いたします」と言えるはずです。

それができないから、英国もドイツもスェーデンもフラット型を断念しています。プライバシーの保護と犯罪防止の手段がないからです。正直だと思います。

政府もデジタル庁も不正直だし、誠実性の欠片(かけら)もありません。これでは政治不信がますます大きく育って当然です。
無能でもいいから、せめて正直に話し、誠実に対応する政治家が出てきてもらいたい。

by ebisu (2023-06-23 10:42) 

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