SSブログ

#4940 スマホへ乗り換え(2):愉しさ ①「ブック」機能 Mar. 12, 2023 [15-1 ガラケーからiPhoneへ]

 スマホはおもちゃだね。「大人のおもちゃ」と書いたら、読んでいるあなた、別のものを想像したでしょ(笑)

 HP67とHP97で卓上型の数値計算コンピュータを使い始めたのが1978年、逆ポーランド方式のプログラミング言語でした。経営改革のために自社の5年間の経営分析をするのにプログラミングが必要でした。25項目を5分野に分けた経営指標群を計算して、レーダーチャートに表し、総合偏差値評価をしていました。翌年には三菱のオフコン、COOLという12ケタの数字から構成されるプログラミング言語で動くダイレクトアドレッシングの「原始的な」コンピュータを使っていました。こちらは事務用コンピュータですから数値計算には向かない。1980年には2代目のコンパイラー言語で動くオフコン、言語はPROGRESⅡ、納期管理と円定価システムを立ち上げています。売上高総利益率が27%から42%にコントロールできるようになりました。納期管理システムと仕入システムを組み合わせて、円定価システムと連動して為替予約をすることで、為替差損がでないような仕組みを創りました。社長の関周さんと新しい経営統合システムの開発に関して意見が合わず12月初旬に辞表を提出、引継ぎ業務があったので会社側の希望で1984年1月末まで退職を引き伸ばし、正月明けにリクルート社の中途採用斡旋で試験を受けて、3社の提示を受け、そのうちの一社であるSRLで2/1から勤務。当時富士通で最大の大型汎用コンピュータ(10億円)を使って臨床検査企業初の経営情報系システムの開発の仕事をしていました。同時に全社の予算管理を統括していました。3メガメモリーを増設するのに1984年の中頃に富士通に5000万円支払った記憶があります。

 iphone SEⅢには64GBのメモリーがついています。1984年に日本最大の汎用大型機に増設したメモリーの21000倍ですよ。CPUはもっと高速したのかも。
 タイムマシンで1984年へ戻って、このiphoneを見せても、それが39年後に生まれる製品であることを説明しても誰も信じられないでしょう。

 男の子はおもちゃが好き、それを使って無心に遊ぶんです。時間は矢のように流れます。コンピュータを使い始めて39年目、久しぶりに愉しいおもちゃを手に入れた気分です。

 1978年9月、中途採用で新聞募集のあった2社へ応募書類を出して、青山のガラス張りのオフィスだった森英恵の会社へ社長面接をして、ニューヨーク支店か国内の子会社の経営を担当してもらうから少し時間を下さいと言われ、二つ目の会社へ、「一つ目が決まったので」と電話すると、総務・経理担当役員のN村さんがとにかく会社まで来て社長に会え」というので直接お会いして断ろうと思って地下鉄駅日本橋人形町で下車しました。
 産業用エレクトロニクス輸入商社の関商事(のちに上場してセキテクノトロンへ社名変更、2010年頃経営不振で上場廃止、吸収合併されてます)へ勤務を決めたのは、技術部のところにマイクロ波計測器と制御用のパソコンがごろごろしていたからでした。「オモチャが一杯だ!」、好奇心をくすぐられてしまいました。オモチャ(機械)が好きな男の子は多いのです。やれらました。(笑)

 あの会社にいた6年間、毎月技術営業対象のさまざまな周波数帯の計測器の技術講習に出席してました。欧米50社ほどの総代理店でしたから、毎月1-2社のエンジニアが来て新製品の説明会が開かれます。それも洩れなく出席していました。毎回顔を合わせるので技術営業のみなさんや技術部の面々と自然にお友達になりましたね。よく一緒に飲みに行ってました。東京営業課長のE藤さんは「ebisuさん、30分行こう」って社内電話が来ると、梯子酒でたいがい朝まで二人で飲むことになってました。午前中は気持ち悪くて、トイレへ行って吐いては、仕事はキッチリしてました。お昼になるとよくなります。「芳梅」のおかゆランチがおいしかった。

 「門前の小僧縄わぬ経を読む」の類で、勉強会や説明会に片っ端から参加しているうちに、理解が深くなります。計測器はディテクターと機器制御&データ処理部とインターフェイスから成り立っています。これが基本です。ディテクターがマイクロ波だとマイクロ波計測器、ミリ波だとミリ波計測器、光だと光計測器ということになるのでしょう。臨床検査機器では酵素系は490nm付近の光を計測しています。だから、臨床検査センターに転職して、経営情報システム開発を8か月でやり終え、2年後に八王子ラボの機器購入を担当したときに、関商事で6年間学んだことがまるまる役に立ちました。最新の医療機器のフェアーや展示会があると職権を利用して片っ端から見て回しました。コーニング社やHP社など、世界一流の企業の最新製品を見て回り、すぐに現場の検査部門と調整して買いあさっていました。購買課で世界中の製薬メーカーと検査試薬の値引き交渉、それと検査機器の購入を担当する前は、全社の予算管理責任者だったので、予算額に糸目なしです。必要なお金は検査試薬の値引き交渉で捻出できますから。だからわたしが決めたら、経理担当役員と副社長のY口さんは、OKだすので、フリーパスでした。思いっきり遊んでいました。

 機械やコンピュータは仕組みが気になるんです(笑)
 どんなオモチャも使っているうちに慣れます。コンピュータなら仕事で使っているうちに、必要な機器のコンピュータ言語をその都度マスターしてしまいます。そうするとアルゴリズムそのものに興味が行きます。いろいろな言語を通してその奥にあるものを見るようになります。
 わたしの専門はマルクス経済学、しかもその体系構成に関する研究でしたから、民間企業の経営改革とは一見関係がなさそうに見えますが、そうではないのです。マルクスが見落とした「簿記」や「原価計算」や「経営」を外して、「経済」が理解できるわけがないのです。コンピュータも簿記も普遍的で重要な経営のツールでした。いじくりまわしているうちにどんどん深みに沈んでいきました。深くなればなるほど、他の諸学との関連が見えてきます。ユークリッド『原論』もデカルト『方法序説』も。

 スマホは1984年の日本人が想像もつかぬほどの高性能のおもちゃです。使い倒しているうちにまた何かが見えてくるのかもしれません。あるじき夢中で、無心に愉しんだらいい。目的なんてどこにもありません。ただ無心に愉しむ、遊びとはそういうもの。だから、勉強と遊びに境目はありませんよ。

<「ブック」機能>
 明治期の文学が無料でダウンロードできる。著作権が切れているからだろうが、夏目漱石の『こゝろ』をダウンロードしてみた。ルビがふってあって字の大きさもちょうどよく、読みやすい。
 外出先で、ちょっと暇ができたら暇つぶしにとってもいい。
 中学生のみなさんは、次々にダウンロードして読破したらいい。わたしの古里では家に漱石の『こゝろ』が本棚にある家なんて高校卒業するまで見たことがありませんでした。いまほとんどの中学生がスマホをもっているので、読めます。いい時代になった。

 ところで、復刻版の夏目漱石全集が本棚にある。初版のときの装丁や印刷そのままの復刻本で、塾をやめた後に通読するつもりで本棚の肥やしにしてきた。『吾輩は猫である』はペーパーナイフで、袋とじのページをカットしながら読むようになっている。漱石が注文を付けた装丁である。
 スマホと両方で愉しめることになった。


にほんブログ村

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。