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#4847 極東の小さな私塾のエンディング Oct. 15, 2022 [A8. つれづれなるままに…]

 ニムオロ塾のレギュラーの授業が昨日10/14終わった。2002年11月のスタートだったからちょうど20年間、古里に戻って子どもたちに授業できたことは幸いでした。

 途中、2006年にスキルス胃癌と巨大胃癌を併発して、消化器内科医の岡田優二先生(岡田医院・院長)に「胃癌だと思うので診察してほしい」とお願いし、すぐに内視鏡で癌の診断。そして釧路医師会病院へ入院、後藤幹弘先生(音更町の木野東クリニック)の執刀で6時間の手術、胃と胆嚢の全摘、胃周辺部のリンパ節切除、浸潤していた横行結腸切除、よくいままでやってこれたと、両先生にあらためて感謝です。消化器内科医と消化器外科医という専門医がいたお陰です。当時は市立根室病院には常勤の消化器内科医も消化器外科医もいませんでした。
 お二人の先生と看護師さんたちに手遅れで助からないはずの命を助けていただいた。わたしはその恩を、退院後は古里の子どもたちに授業をし続けることで報いたいと思いました。だから、40日の入院時に数学の問題集2冊を解いてしまいました。貴重な充電期間でした。必要だったのです、入院は天の配慮だと思えました。(笑)

 手術をしてから16年がたち、昨日が最後の授業でしたので、お母さんが数名来られ、ご挨拶ができました。初めてお会いする方もおられた。
 生徒がいたから授業が続けられたわけで、その生徒を塾に通わせる保護者のみなさんがいたから、小さな塾をいままでやって来られました。みんなありがたい。

 塾をやる傍ら、母親の介護、ほとんど女房殿に任せっぱなしで、苦労を掛けました。その母親も平成23年に亡くなりました。長男の義務は果たしたように思います。実際は女房殿のお陰です。

 はっきりした目標があり勉強に熱心な生徒、親に言われてしかたなく来ていた生徒、勉強がわからなくなってどうしていいか悩んで塾へ来た生徒、他の塾が合わなくて来た生徒、動機は一人一人違っていました。急激に成長した生徒、穏やかに少しずつ薄皮をはぐように今までのあまりよろしくない生活習慣を落としていって、人としてしっかりしてきた生徒、全然変わらす辞めていった生徒、ほんとうにさまざまでした。少人数で一人一人丁寧に対応しようと努力したつもりですが、至らなかったケースもありました。
 教えた生徒たちは、人生の荒波にもまれながら、これからも成長し続けるのでしょう。地元に戻って古里の地域医療や地域経済に貢献する者も何人か現れます、期待しています。ああ、何人か戻ってきて地域医療や地域経済を支えています。優秀な生徒の中に北大進学をやめて、高校卒業して根室市役所へ就職して仕事している者もいます。理系科目で学年トップの生徒でしたので、もったいなかった。北大水産なら、楽勝だったでしょう。根室市役所には大卒でなくても、優秀な人材がいます、彼ら・彼女たちは根室の未来にとって宝です、潰さないでいただきたい。もっとも、つぶれるようでは「人財」とは言えません。十年間は辛抱ですよ。

 根室高校から現役で国立医大への合格者を出したいと思ってましたが、OT君が7年間通塾してくれて、一生懸命勉強してました。道北・道東推薦枠で入試、現役トップで合格してます。2次試験の小論文が300点満点で295点でした、そこで差が大きくついて、名だたる進学校からの受験者をなぎ倒してのトップ合格でした。6年間で17冊の本をピックアップして音読トレーニングと大学のゼミ方式での対話型の読解をしてます。音読した17冊の本のリストも、小学5年生1月からの勉強の記録も弊ブログに残してあります。いつまでに何をどうやればいいのか、参考にしてください。後に続く者たちのために指導記録を残しました。旭川医大の偏差値は北大医学部と同じで65です。学費は6年間で360万円にすぎません。学力さえあれば、国立大医学部への進学はほとんどの生徒に可能な選択肢ですよ。
 小4からスタートすれば、OT君と同じくらいの学力を発揮できる生徒が、根室には各学年に2-3人います。今年、札幌光星高校マリスコースへ合格したKH君、一昨年、札幌光星高校へ柏陵中から合格したNS君、この二人はそういう学力の生徒です。NS君は塾へは通わずに独力で学習してました。KH君は昨年8月から3月まで通ってくれました。難易度の高い問題集シリウスをものも言わずに消化してました、いい集中力だった。すでに数ⅠAは8月に終了し、シリウス数Ⅱと数Bをやっています。ブラスバンド部も続けてます。物理学者になりたいのだそうです。思いっきり勉強して、なりたいものになったらいい。京大物理か東大へ現役合格してくれそうです。

 あとは、今日10/15午後から、2時間の英語音読トレーニング授業を残すのみ。予習してくる生徒に限定したら、3人になりました。もう一年頑張り切れば、北大現役合格を目指せる学力があります。メンバーの一人が昨日家族がCOVID-19検査陽性でお休みせざる得を得ないのが残念です。高3年生用教科書PROMINENCEⅢをしっかり予習していました。Lesson6までは終わります。16章あるのであと10章です。残りをしっかりやり切ってください、このテキストは高校教科書では最高難易度の教科書です。これ1冊を2回まわしてください。質問は東京へ引っ越してから、メールで受け付けます。12月にはやれそうです。
 一昨年からやっている、メール配信方式の英作文トレーニングはすでに3年分の問題と解答・解説を作成してあるので、現在の高校1年生が共通テストを受けるまで配信できます。希望者に配信を続けます。

 いままで通ってくれた塾生のみなさん、そして通わせてくれた保護者のみなさん、どうもありがとうございます。これから、引っ越しのために家財道具の整理と処分をします。大きな家具類はお陰様で、ほとんどが引き取り先ができました。これもありがたい。電気製品は東京の家にそろっているので、テレビ一つをのぞいて廃棄処分します。
 古里に戻ってきて20年間、わたしが古里でやるべきことはやり終えました。
 東京へ戻ってからは、ライフテーマである、経済学の体系構成に関する研究と、公理を入れ替えることで新しい経済学の可能性を切り拓く仕事をするつもりです。
 若い人たちが苦役としての労働を公理とする経済学から脱皮して、職人仕事を公理とする経済学をベースにした経済社会を構築をしてくれることを願っています。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」をベースにした大きな社会実験です。いつの時代も、時代を切り拓くのは若い人たちです。


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