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#4721 眼科受診:病院システム更新に10億円? Mar. 1, 2022 [36-1 白内障手術とその後]

<最終更新情報>3/1朝9時 余談の最後の部分を追記

 今朝9時半に眼科受診に行ってきた。昨年11/17に視野検査をして、3.5か月の3/1・10時に指定された予約診療だった。
 眼科は昨年からコロナの関係で入院ベッドが空かないために白内障手術を中止したままになっている。コロナパンディミックはもう2年2か月めになる。白内障手術は毎週水曜日に4-6人ほど手術していたから、困っている白内障患者が200人ほどいるのではないだろうか。7月までは白内障の新規手術は受け付けられない旨、ディスプレイに表示が流れていた。
 7年間、常勤で眼科で患者を診て来られた大谷先生は2/1の診察が最後だった。お子さんがそろそろ小学校へ通う頃だから、札幌圏での仕事を選択されたのだろう。小さいお子さんと根室市総合文化会館前で遊んでいるのを偶然にお見かけしたことがある。子どもの教育問題はドクターにとって、大きな問題である。根室にいたら国立大学医学部への進学は困難と考えられたのだろう。国公立大学なら6年間で400万円未満の学費で医者になれる。それには学力が高くなければいけない、北海道なら札幌が断然有利だ。
 大谷先生のあとに別の医師が来られている。

 昨年11/17日に視野検査をした結果を今日聞くことになっていた。視力検査をして、散瞳薬を点眼してもらい30分後に瞳孔が拡大したのを確認、その後眼底検査をしてもらった。それからドクターの診察だった。眼底診察用の検査機器に顎を載せて、右目、左目の順でまぶしい照明をあてて眼を診察。次いで、右手にペンライトをもって目に当てながら左手で瞼を広げて診察。
「眼圧が少し高いようですね」とMH先生。
 実は左目が緑内障の前駆症状があり、大谷先生は大きなディスプレイに画像を出して、赤い帯状のラインを指さしながら、左目の方が赤い帯が細くなっているのを指摘し、これがもっと進むと治療を始めなきゃいけなくなりますと説明してくれていた。今日の診察では、緑内障前駆症状には言及なしだった。コンピューター処理された画像を確認しなければ判断できないだろう。ツァイス社製の高性能の検査機器もコンピュータにつないで使われなければ診断精度が維持できないのではないかと素人の私は思ってしまう。
 画面はくらいままだから、緑内障の前駆症状についての説明はなかった。半年後に次の予約を入れてもらい、会計の済んだのが11時20分だった。
 
 非常勤か派遣なので、病院システムの操作にまだ慣れていないのかもしれない。前の患者の診察が終わって、1分くらいでわたしの番号が表示され、入室したが、ドクターの使用しているコンピュータのディスプレーには何も映っていなかったから、わたしの前回11/17の眼底写真はチェックしていないように感じた。履歴を表示してチェックした後で電源を落とす必要はないからだ。履歴の引っ張り出し方がわからなかったのか、それとも患者が多いので手間だったので端折ったのかどちらかだろう。大谷先生は履歴を引っ張り出して、画像を見比べて診察し、説明してくれていた。
「(このコンピュータ処理された)画像で見るかぎり、緑内障の前駆症状に前回と変化はありません」
 それで安心できた。今回はそれがナシだった。半年ごとに定期点検してもらっているのは、緑内障が進行していないかをチェックするためだった。

 ここにひとつ問題がある。派遣医や非常勤のドクターの場合、病院システムにも機械にも慣れていないから、患者の履歴データを確認しないで、診察を行うようなことが起きるということ。パッケージシステムを過剰にカスタマイズしてしまうと、同じパッケージシステムでも病院ごとに操作方法が違ってしまうなんてことも起きかねない。25億円しか売上のない小規模総合病院で10億円も新規システムの導入にお金をかけるというのは、民間病院ではありえないことだろう。赤字が膨らみ経営が危うくなる。病院を建て替えてから9年でシステムの入れ替えが3度目だから、5年ももたない。5年で計算しても、メンテナンス費用とリース料で年間2.5億円ほどお金がかかる。年間16億円の赤字を出している病院で、そんな巨額のシステム導入が行われつつあることを、先週知った。市立根室病院のシステム担当責任者から弊ブログにその旨、投稿があったからだ。副院長とシステム担当者と2人でこんなに大きなシステムを新規導入するという。
 ( あえて書くが、9年間で3度目のシステム更新だから以前のシステム導入体制にも疑問符がつく。)
 年間16億円の赤字経営をさらに圧迫するから、そういう事態を引き起こさないために半分以下の予算でやるべきだと思うよ。先に予算額を決めて、その範囲内に収まるように仕様を絞るのが普通のシステム開発のやり方です。「御用聞き」でユーザー要望を片っ端から入れたら、お化けになります。たぶん、大規模システムの開発経験がないのでしょう。ソフトハウスが、新規パッケージスステムを開発するような予算ですよ。
 病院長が承認し、市長が承認し、市議会が承認したのか、これから皆さんが承認するのか、一体どうなっているのでしょう?
 病院事業特別会計ですから、一般会計予算のように市議会では議論されていないのでは?そんな体制で十分なチェックもしないで大丈夫ですか?
 システムや診療実務のわかる方が、このお二人の仕事をチェックして責任を分担してあげたらいかがですか?

 4月から常勤医のドクターが赴任されるのかどうかはわからない、何もアナウンスがないからだ。今日診察してくれたドクターが、非常勤なのか派遣のドクターなのかを確認しようとホームページを見たが、担当医は大谷真一先生になったままだった。
 大谷先生が去られてからちょうど一月たっている、いつになったらアップデートされるのだろう?
 眼科の患者のわたしには何もわからない。
 8月は何というお名前のドクターが診察してくれるのだろう。履歴データはチェックしてくれるだろうか?

<余談:病院システムとのかかわり>
 わたしは総合病院のシステムについてはよくわからない。だが、大規模システム開発については、上場企業あるいは上場準備段階で何度かやっているので知っている。経営統合システムはわたしの専門分野の一つだ。
 病院システムで使われている臨床検査項目コードは1986年にわたしが作成して創業社長の藤田さんの承認をいただいた「臨床診断支援システム開発と事業化案」の10個のプロジェクトの一つで、大手臨床検査センター6社と臨床病理学会検査項目コード検討委員会の産学協同プロジェクトを提案し、数年にわたった検討作業の末に、公表され、事実上の日本標準コードとして制定されたものだ。SRLにコード管理事務局がある。1993年頃に公表されてから、全国の病院システムは例外なくこの臨床検査項目コードで動いている。市立根室病院の院内システムも、このコードで動いている
 SRLと帝人の臨床治験合弁会社の経営を担当していた時に、首都圏の大学病院の臨床治験システム開発が頓挫して、担当していたドクターから支援要請があったことがある。治験検査受託会社から治験データ管理会社へ事業の柱を変えて赤字会社から黒字会社にするために、治験データ管理用の汎用パッケージシステムを開発したところだったので、無償でお手伝いをしてあげたことがある。病院内の治験データ管理の実務を知ることは事業展開上、必要なことだった。いま、SRLには臨床治験データの管理子会社があるが、その事業の基礎を作り、会社の黒字化を1999年に完了。
 病院の経営については、総合病院のそれは知らない。わたしが知っている分野は特例許可老人病院である。首都圏の300ベッド弱の特例許可老人病院を療養型病床の病院に建て替えたことはある。常務理事として経営にもタッチしていた。
 25億円の売上規模で年間16億円もの赤字を出し続けている小規模総合病院で、10億円もの巨費をかけてカスタマイズのお化けのような病院システムを導入しようとしている、日本の常識から大きく外れたやり方である。わたしにはどこか別の国の話のように聞こえてならない。わが古里はそれぞれが頑張ってやっているとして、それですらどうしてこんな日本標準から外れた仕事のやり方になるのだろう?担当している人の知識と経験が貧弱だからだと思わざるを得ない。投稿された文面をお読みいただけばその技量のほどがわかると思う。経営統合システムに関しては1979年から86年頃まで3社(2社は大手)の業界トップレベルのSEと仕事でお付き合いがあったが、ああいう文章にお目にかかったことはない。ユーザー部門に理解できるようなドキュメントが書けるのだろうか?独断で突っ走るしか選択肢がないように見えて仕方がない。だから、相談相手や仕事をチェックして責任を分担する者が必要なのである。ケガが小さくて済む。いまとっても危うい、心の底から心配しています。

(1992年頃に資本提携話をまとめて、東北の臨床検査会社に役員出向したことがあった。そのときにたまたま細菌システムの開発担当者の仕事を見た。ラボで使う人たちが、まるで使えない代物だとクレームを言うのを聞いた。本社へ戻り開発担当者に訊いたら、ラボに行くとクレーム言われるので行きたくないと言った。コミュニケーション能力のない担当者だった。使っている言語も開発の仕方も時代遅れで、他の人にはメンテナンスできなかった。パソコン十数台をネットワーク化したラボシステムをコンピュータ技術担当役員が開発中だったが、社長と一緒にその役員の説明を聞いて機器を見て、売り物にならぬことを理由をあげて伝えた。開発は途中であきらめたようだ、うまくいかなかった。
この会社で開発したシステムが千葉ラボに入っていたが、生産性が低いので、まるっきり違う方式でラボシステムを開発して、生産性を3倍にアップすることに成功していた。いざとなればそれをもって来ればいいだけだった。AS400というRDBマシンともう1台を使った基幹業務システムとラボシステムだった。新規システム開発で赤字会社が黒字になった。)


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