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#4640 根室市役所職員には教育長の職を担える人材はいないのか?Oct. 28, 2021 [55. さまざまな視点から教育を考える]

 根室の教育長は道庁から人材をもらっている。寺脇教育長が去り、また今度も道庁の関係者である道立教育研究所長の波岸克康氏が赴任してくるという。北海道教育大旭川分校出身で、教員経験あり、教育行政畑のみを歩いてきた人のようだ。

 根室市役所には60歳前後で、教育長の職を担える人材はいないのだろうか?いないからこういうことになっている?
 校長職経験者の中には小中学校の児童・生徒の学力向上に功のあった人がいらっしゃる。たとえば、別海中央中学校元校長の青坂さんだ。厚床でも校長をしていたことがあり、ホームページがすばらしかったので知っている。彼は千葉大の教育学部出身者だ。北大教育学部よりも偏差値が高いのでは?
 他にも、根室市内で荒れた啓雲中学校を正常に戻し、学力向上に成果を上げた佐藤よしあき元校長がいらっしゃる。二人三脚で大石先生が支えていた。好いコンビだった。
 2年先輩の剣道部の吉岡さんが柏陵中と光洋中の校長職だったが、彼をどうして教育長にしなかったのだろう?1年先輩の道教育局の鈴木さんが教育長として赴任してきたが、あの人事には驚いた。高校時代の彼らを知っているわたしから見たら、ありえない人事。
 根室高校には現在の生徒玄関口の近くに柔剣道場があり、そこでわたしが受け身の稽古をしている横で、吉岡先輩が竹刀を振っていた。彼は光洋中学校ができたときに3年生、同じ学年生徒500人中、学力テストで10位だったと聞いたことがある。10番以内の成績で大卒で根室に残ったのはあの学年では吉岡さんだけかもしれない。文武両道の人。根室の大学進学率は10%以下でした、経済的な事情で大学進学できないのが普通の時代だった。みんな貧乏していたのです。もちろん私も大学進学など高校3年の秋まで考えたこともありませんでした。

 元校長職ならいま教育長を担える人がわたしの知っている範囲で2人います。もちろん、知らないほうが多いのだから、もっとたくさんいるでしょう。

 別海で子どもたちの学力向上に力のあった教育長の一人が真籠さんです。彼は別海町役場の元職員。教育長を退いた後も、小学生の女子バレー選手育成に関わっています。毎日朝早く畑を耕し、地産地消の運動にも加わっていらっしゃる。

 釧路の教育を考える会の会長の角田さんは元釧路教育長ですよ。いまでも釧路の子どもたちの学力に危機感を感じて活動されていらっしゃる。わたしよりも一回りくらい上だったから80代半ばか。釧路江南高校から北大へ進学、釧路市役所へ勤務、経済部長の後に教育長に就任したと聞いています。当時の部下の一人がいま釧路教育長の岡部氏です。3年前まで学校教育部長をしていた高木さんは、思うところあっていま釧路高専の3年生です。C言語のプログラミングを学んでいます、小樽商科大学出身者。釧路市役所職員には教育長という職を担える人材が多いようですが。なぜでしょう?

 さて、根室市役所にはなぜ60歳前後で教育長を担える人材が現れないのか不思議ですね?そういうレベルの人材がいないからだと思います。釧路市役所の教育長の経歴を見ると大卒で教育に対して確かな見識のある人たちが就任している。もちろん、前職で成果を上げた人が選ばれています。経済部長職だった角田さんのように。

 根室市役所には教育長を担える大卒がいないのはなぜでしょう。なぜそんな状態が何十年も続いているのでしょう。 
 コネ採用がダメージを大きくしているのではないかと推測しています。わたしが2002年秋に古里根室に戻ってきてからすら、いくつかコネ採用の話を耳にしています。
 ずいぶん前に、釧路市役所だってあるでしょう?と訊いてみたことがあります。とっくにそんなものはなくなっていると角田さん。
 別海町・中標津町・標津町・羅臼町は合同で職員採用をしているので、インチキはできないとのこと。いつからそうなったのか知らないが、いい人材を選考すればいいだけ、情実ナシ。そういうことが町や市の行政の足腰を強くしたのではないでしょうか。

 根室市役所は高卒が多いので、大卒の新卒を使うのを嫌がっていたのではないか、そんな気がします。釧路市役所に比べると大卒比率がかなり低いのではないだろうか。

 根室管内1市四町で根室市の行政の足腰が弱くなり、その結果として教育行政も弱体化し、小中学生の学力が、釧路根室管内最低という状況を招いたのではないか、わたしの仮説です。

 昨日アップした「#4639根室教育長退任の弁を聞く」を合わせてお読みいただけたら幸いです。

 思うところあり、故郷に戻って19年間、小さな塾を続けてきました。国立旭川医科大学へ現役合格者をようやく出せました。本人の資質が高かったのはもちろんですが、小4から勉強をスタートすれば、生徒数の5%の10人ほどは北大以上の難関大学を受験でき、その半数の5人は現役合格できるポテンシャルをもっています。根室の教育システムがそれを阻んできただけなのです。
 自分の仕事としてやれる範囲の仕事をし、ブログニムオロ塾で言うべきことを言い続けてきました。まだしばらく言い続けます。(笑)


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