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#4534 世界最大のビール祭りオクトーバーフェスト中止決定と東京オリンピック開催 May 4, 2021 [8. 時事評論]

 ミュンヘンで開かれている世界最大のビール祭りである「オクトーバーフェスト」の中止決定がなされた。今朝のNHKラジオニュースで知ったが、4/21にバイエルン州の州首相マルクス・ゼーダ―が決定・公表したようだ。
 毎年9月から10月にかけて行われるこのお祭りには海外から200万人が集まる。新型コロナのリスクが高すぎるとして中止決定をした。COVID-19のパンディミックの終息が見通せないからだ。
 準備にビールや食べ物そして必要な人の手配も途中でやめたら莫大な損失が出る。だから、準備を始める前に中止決定がなされた。ドイツらしい合理性だ。そして常識的な判断である。

 同様に、パンディミックの終息が見通せないどころか、緊急事態宣言が出されている日本で、オリンピックの開催中止決定がいまだになされていない。オリンピック委員会関係者に開催中止の選択肢をもつ人は一人もいないようだ。パンディミックの現実を直視できず、具体的な対策もいまだに公表もできないのに、中止という選択肢すら考えられないありさまはまるで戦時中の大本営さながらである。
 決定権限を持つ人たち、たとえば橋本聖子会長、小池百合子東京都知事、菅義偉総理は三人とも常識的な判断ができないほど狂っている。前線での敗退を勝利や転進と言いつくろい、現実を直視できなかった大本営とまったく同じ構造がそこにはある。

 開催まであと3か月余だから、COVID-19対策はPERTチャートが描かれて、仕事が割り振られてスケジュール管理がなされていなければならないが、無観客が決まっただけ。看護師や医者の手配も「暇な開業医がいるはず」とか「自衛隊を動員すれば」とかいまだに具体策がない。自衛隊の医療班を派遣するなら、すでに医療崩壊を起こしている大阪が最優先だろう。東京だって五月下旬には大阪を上回るようなひどい事態に陥る。重傷者が2倍になったらなんて想定して、打つ手を具体的に検討している気配すらない。

(1978年からPERTを使ってプロジェクト仕事をマネジメントしてきました。だから、どんなに難易度が高い仕事でもスケジュールを外したことがありません。PERTでクリティカルパスを析出して、必ず事前に手を打っています。システム開発プロジェクトには必須のスキルです。これが描けなきゃジョブ管理ができないというぐらい重要な技術です。スケジュールや複雑なジョブ管理にとっても役に立ちます。元々はポラリス原子力潜水艦を開発するために考え出されたジョブ管理技術です。イベントが10万あっても管理できます。ずっとスケールの小さい運動会のジョブ管理だってこれでできます。国際運動会=オリンピック、だいぶ大きいね。そういう絵柄の書ける人は日本の主だったオリンピック開催関係者には一人もいない様子。PERT図の具体例

 オリンピック関係者が揃いも揃って、パンディミック下にあって常識的な判断ができないような精神状態に陥っている。戦争の作戦指揮をしていた大本営の参謀たちは陸軍大学卒業の超エリートたちだった。そのエリートたちが常識的な判断ができずに、作戦を誤って敗戦に導いた。いまパンディミック対策を打ち出している人たちにも、先にあげた三人を除けば学歴エリートが多い。大本営と同じように「常識」も「合理的判断」も失っている。
 大東亜戦争の参謀本部は学歴エリートの集団であり、現在の官僚組織も東大法学部出身者が多い学歴エリートの集団と言ってい良いだろう。それが共に常識的な判断ができなくなるという、共通した現象を呈している。専門家の意見が聞けないところも同じだ。そして自分の都合のよい専門家だけを集め、その者たちの意見だけを聴く。残念ながら、政府の諮問委員会というのはそういうものだ。

余談-1インパール作戦
 兵站を無視し精神論を重視したこの作戦で死亡した日本兵は16万人。戦死者のほとんどが餓死である。
 北方領土の最先端であったアッツ島の戦い(1943年)も兵站無視で、「日本軍の損害は戦死2,638名、捕虜は29名で生存率は1パーセント」。


<余談-2:オリンピック医療スタッフへのワクチン接種とPVR検査>
 オリンピックは医療スタッフが必要だが、ボランティアで参加することになっているそれらの人たちへのワクチン接種やPCR検査をするかしないかについてすら、今日5/4の時点で何も決まっていないという。どれくらいの頻度でPCR検査をやるのか、いつどこでPCR検査をやるのか、どの検査機関がやるのかなどについて、とっくに具体案があってPERTチャートが完成して、関係者に通知され、準備が着々と整っていなければならないが、なにもない。ワクチン接種は3週間置いて2度行わなければならないから7月前には第一回目の接種が終わっていなければならない。具体的に見ていくとこんなありさまだから、必要な医療スタッフの手配すらできないだろう。
 オリンピック委員会会長の橋本聖子も開催都市の都知事である小池百合子も、オリンピック担当大臣の丸川珠代もなにをしているのか?やらなければならない仕事の内容がわかっていないようだね。



<余談-3:根室金刀比羅神社例大祭はやるのかやらぬのか?>
 さて、昨年中止だった根室金刀比羅神社例大祭(八月9/10/11日)は、今年はどうなるのだろう?進学や就職で根室から離れた人たちがこの3日間に集中して帰省する。友人たちに会いたいからだ。この三日間に帰省するのが「お約束」になっている。だから、やればそこで一気に感染者が増える可能性が大きい。利害を離れて、常識的な判断ができるかどうかが根室人に問われているのだろう。昨年は九月の蟹祭りもサンマ祭りも中止した。健全な判断だった。
 お祭りをやるかやらぬかは、根室っ子にとっては重大事である。


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どういうわけかこのところアクセス数が多いのです。ソネット内ではこんな風になっています。

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