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#4530 NHKラジオ英語講座と文科省の英語教育政策大転換について April 26, 2021 [55. さまざまな視点から教育を考える]

 #4529で「中学英語教科書の内容が増えた:英語教育政策の転換」と題する記事を書いた。今回はその続編である。

<NHKと文科省の連携>
 文科省が英語教育政策の大転換に舵を切った。それと歩調を合わせるようにNHKがラジオ英会話の番組を一新している。基礎英語が1,2,3とあったが、3がなくなり、オールイングリッシュの会話形式の番組に変わった。
 番組名称は次のようになっている。

  ①中学の基礎英語レベル1
  ②中学の基礎英語レベル2
  ③中高生の基礎英語 in English

 ③は英検2級2次試験のスピーキングテスト対策用には十分な内容だ。これで、都会と田舎の生徒のスピーキング格差を解消できる。

 グローバリズムを推し進めるような英語教育政策の大転換は日本の国力を弱めることになるので反対だが、目指しているものを実現するために、用意周到に準備したのは仕事としては実に手際がいい。
 2年以上前から、番組内容について打ち合わせをしていなければ、このタイミングで歩調を合わせて、文科省の英語教育政策に対応して番組内容の変更ができるわけがない。

 こういう実務が他の省庁ではぐちゃぐちゃになっているのが実情である。新型コロナを見ても日本医師会と歩調を合わせた議論なんてなされてもいないし、担当部署や大臣も田村厚生労働大臣、西村コロナ担当大臣、河野ワクチン担当大臣とてんでんバラバラ。仕事は暗礁に乗り上げている。厚生労働省に全体を仕切り実務を調整できる有能な官僚が不在だからだろう。1980年代後半のエイズの感染拡大のときから問題は露呈していた。大手検査センターに問い合わせもせず、エイズサーベイランス委員会はHIV陽性者数を公表していた。SRL1社だけで公表数の10倍以上のHIV陽性検体が出ていた。スクリーニング検査で陽性になった検査は全部ウィスタンブロット法で確認検査していたのでHIV陽性数は確実である。日本のHIV政策はその検査陽性データすら適正に収集できなかったために、対策が著しく遅れて、感染拡大を招いた。COVID-19でまた似たようなことを繰り返しているのではないか。

 日本の教育が目指すべきは経済格差を拡大するグローバリズムを支える人材を輩出することではない。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」に代表されるビジネス倫理とモノの生産方式を丸ごと低開発国へ広めることだ。そういう日本からの援助があれば、低開発国は自国で消費するものの大半を自国で生産できるようになる。グローバルな視点での地産地消である。自立型経済圏の拡大であるから、それはグローバリズムの利害と真っ向から対立することになる。
 ほとんどの産業の尖端レベルの生産技術を有している国として日本はユニークな立場にある。それを意識すべきだ。やるべきことがある。
 教育問題は教育分野の人間とだけ議論していたら大きな方向を間違えることがある。広く異分野の人間と議論すべきだ。


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