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#4522 高校英語教科書Vivid音源:朗読音源を無償提供できないか? Mar. 31, 2021 [49.1 英語音読トレーニング]

 中学生と高校生に英語を教えていて、苦手の生徒が多いことに驚く。小学校で英語教室に通っていた生徒たちの中にもそういう生徒が少なくない。次のような論理式が成り立っている。(「⇒」は「ならば」と呼んでください)
 ①「スムーズに英語の教科書を読めない ⇒ 英語が苦手」
 スムーズに読めないから、読まない。読まないから覚えられない。

 ②「英語が得意 ⇒ スムーズに教科書が読める」

 英語が得意な生徒は英語の音読もスムーズにできる。とっても残念なことだが、スムーズに読めて発音のよい生徒にも、英語が苦手な生徒はいるのである。そういう生徒は音読しているだけで、意味と音がつながっていないのである。頭を使わない音読トレーニングをしているのである。
 毎日、語順を意識しながら音読トレーニングを積めば徐々に英語の語順に脳が慣れて切り変わっていく。語順や意味を意識しないではいくら読んでも効果は小さい。

 ここからが本論である。教科書出版会社が教科書の音源をホームページ上でリリースしてもらいたい。教科書出版会社の社会的な責任の範囲だと思う。根室高校では第一学習社のVividを採択している。

 残念ながら、世の中には発音の悪い先生はいるし、そういう先生に中1のときに当たれば、カタカナ発音の癖がついてしまう。cやseeがsheと同じ「シー」になってしまう。thの発音も日本語の「サ」。
 学校の授業では音読トレーニング時間がほとんどとれていない様子。授業の最初に10分間ほど音読トレーニングをやってくれたら、教科書が読めないなんて生徒はほとんどいなくなるだろう。何年も生徒を通して学校の授業を観察しているが無理のようだ。そういう学校は全国にたくさんあるに違いない。

 教科書の音源を無料でリリースしてくれたら、全国の中高生が同じ音源でトレーニングできる。
 簡単なことだから、文科省の方でもそういう要請を教科書会社にしてもらいたい。

 タブレットを使って英語授業をやっている学校があると聞いている。タブレットには英語の教科書や副読本や問題集が入っていて、音読も画面に文が表示されながら、それを読み上げてくれるし、AB間リピートや、3あるいは10秒巻き戻しが可能らしい。そういう教材で勉強している学校と教科書本文の朗読音源すら提供されない環境で勉強している大多数の生徒がいる。理不尽だと思うが、どこからもそうした声が上がらないのはどういうわけ?
 教科書本文の音源をサーバー上にもって、生徒が自由に利用できる実践例が載っている文書がありました。学校 
*高校生におけるタブレットを活用した英語授業の実践 (jst.go.jp)

 もっと良い方法があります。
 クラウド上にシステムと音源をもてば、全国の中高生が一斉に利用できます。文科省でクラウド上にシステムを作って、そのシステムに合うような仕様・形式で教科書会社に音源を提供させて、そのシステムに音源データをぶら下げるだけでいい。AB間リピートやクイックリピート機能(3秒と5秒と10秒)をつけてあげたらいい。システム要件は簡単です。全国の中高生が一斉に利用できます。

<余談:発音矯正はとっても時間がかかります>
 英語の成績の悪い生徒は、個別に発音矯正レッスンをしている。数時間でクリアできる生徒もいるし、発音矯正とスムーズに読めるようになるまで20時間もかけなければ治らない生徒もいる。カタカナ発音の癖がついてしまうと治療にはたいへんに手間がかかる。中学校でそういう癖がついた生徒を、高校の先生が直してくれるなんて言うことは、まず考えられない。音読指導や発音指導の時間がとっても少ないからだ。
 そういう事情の中学校や高校は全国至る所にあるだろう。教科書の朗読音源が無料で提供されれば、カタカナ発音の生徒を激減させうるのではないか。英語の学力をアップさせたかったら、文科省はそれくらいのことはやってもらいたい。
 すぐにやれるのだから、教科書会社がその社会的責任において自らやってほしい。


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C++python

一部の教科書会社さんを除いて、大半は資本力の乏しい企業で実質「1人情シス」の状態なので、音源を無料で提供するなら文科省が取り纏めるべきだと思いますが、文科省に任せるとベンダーに全て丸投げして独自のシステムにするでしょうから、音源データのシステムが完成するまでに3年はかかってしまうでしょう。




by C++python (2021-04-01 09:24) 

ebisu

C++python

おはようございます。
なるほど教科書会社は資本力が乏しい。大手出版社もかつての名門の岩波書店のように火の車のところが増えてます。おっしゃる通りですね。

解決策はある、文科省が補助金だせばいいということですね。1社あたり数百万円単位の話ですから50社あってもわずか2.5億円。

クラウド上で音読システム提供するのに3年もかかりますかね。
外部仕様は1か月でまとめれれる程度の仕事です。
大手ソフトハウスの優良なSEと仕事すれば、せいぜい半年。必要なレベルの人材が集められたら、3か月で開発できる程度の仕事ではありませんか?複雑なシステムを作るわけではない。市販されているツールも利用したらいい。

各章ごとに4パートの編成になっているので、何なら市販のプレイヤーソフトで十分。
クイックリピートとAB間リピート機能があればいいだけ。10年間くらいは画面表示はなくていい。mp3ファイルで十分です。

例えば補助金だしてmp3ファイルで音源を提供させたら、パソコンでもスマホでも、再生利用はいますぐにでもやれるでしょう?mp3プレーヤーで再生できます。
そういうわけで来年からでも全国の中学生や高校生が利用可能な状況は作れます。
日本人の英語力をアップするには毎日10-20分間の音読トレーニングが鍵です。飛躍的に英語力がアップします。
高校生の10%が英検準1級をとれるようになり、その内の10%がTOEIC900点以上になれば、日本としては十分ではないでしょうか。
世の中が必要としているのは英語運用能力ではなくて、専門能力の高い人材です。優先順位は後の方にあります。

by ebisu (2021-04-01 10:10) 

ebisu

状況は劇的に変わりました。
中学校の英語の教科書sunshineは各ページにQRコードがついています。
高校1年生の英語の教科書FLEXにもQRコードがついていて、音源をスマホで聞けます。
高校2年生のFitと3年生のPROMINENCEは対応していません。
状況はずっとよくなりました。
来年は全部の教科書にQRコードが印刷されているかもしれませんね。
by ebisu (2022-06-16 09:07) 

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