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#4394 えっ!あのレナウンが破産申請? Nov. 2, 2020 [8. 時事評論]

 アパレル業界の巨人のレナウンが破産申請、驚き桃の木山椒の木、あたりき車力よ寄与車引き。
 「レナウン、レナウン娘がわんさかわんさか♪ イェイイェイ~イェイェイ」、1970年代の懐かしいテレビコマーシャル。
 あんなに大きくて創業百年を超える老舗のレナウンですら潰れる。経営不振で2010年から中国企業の傘下になっていた。
 百貨店に依存した営業戦略から抜けきれなかったんだ。お粗末な経営者が続いたようだ、哀れ。社員がかわいそう。経営者の責任って大きいね。
 一般的な話だが、会社が大きくなれば、社員の高学歴化が進み、幹部社員に難関大学出身者が増える。それが凋落の始まりなのかもしれない。受験エリートは、創造力が欠如しているうえに事業にリスクが取れない人間が多い。受験問題は正解のある問題、それに特化して中高6年間勉強し続けたら、それが思考の鋳型になってしまう。常識や既成概念にとらわれて、そこから抜け出せなくなる。受験勉強を長期間やればやるほど、硬直化した思考しかできなくなるのはモノの道理だ。
 企業が成長して大きくなり、数十年もたつと元高学歴の社員や役員が増えていくのは止められぬ。そういう構造ができあがったときに、環境が激変すればリスクをとった経営方針の大転換ができずに右往左往し、経営状態が悪化、そして先人たちが積み上げた内部留保を使い果たして経営破綻する。
 わたしが2番目に勤務した産業用エレクトロニクスの輸入専門商社は、初代がスタンフォード大学でHP社創業者のヒューレットとパッカードと大学の友人、2代目は慶応大学大学院経済学研究科卒、わたしが職を辞してから3代目社党となったのは東大卒だった。格言通りに3代目が会社を潰した。この会社上場の基礎は1978年に入社してすぐに分野の異なる5つのプロジェクトを担った私が創り上げたから、高収益で財務安定性のある会社の基礎を頑丈につくったので、20年間は誰が経営しても大丈夫だと確信していた。三代目社長の経営手腕が試されるのは20年後となると予測していた。三代目が東大生のときに、二代目社長と経営統合システム開発に意見が合わず、1983年12月初旬に辞表を提出し、正月明けにリクルートを通じて転職活動、1/31に引継ぎを終え、2/1から大手臨床検査会社のSRLへ東証2部上場準備要員として転職した。ボーナス支給直前の辞表だったが、ボーナスは予定通りに支給された、当たり前だがありがたかった。危ない橋をわたったかにに見えるが、複数の専門技術と経験をもっている30代にとってはリスクの小さな転職だった。企業規模も、そして偶然ではあるが開発すべき経営統合システムも十倍の規模になった。経営統合システムという尖端分野で優良な経験を積んだSEは当時は日本国内にまだ育っていなかった。複合分野なのでKE(Knowledge Engineer)でなければ無理な仕事だった。5年間でいつの間にかSEを通り越してKEの領域で仕事していた。いい仕事がなければ腕を磨けないもの、そういう仕事に2社続けて恵まれたのは運がよかっただけのこと。

 レナウンを取り上げたので、アパレル業界とのかかわりを書いておく。1972年から小さな紳士服メーカで、3年間、経理と生産企画の仕事をしていたことがある。裁断師の浦田さんからデザイン(型紙)はイタリアから輸入していることや、品質の高いスーツをつくるために欠かせない重要な工程、下職の縫製技術の指導など多くを学んだ。小さな会社だったので入社した年に社長が若向きの背広の生地の選択とデザインを任せてくれた。それが当たってしまったら、翌年から若向きの製品開発がわたしに任された。会社で定期購読しているドイツの雑誌と米国のファッション誌(Men's Wear)を見ていたら、翌年の日本の流行が読めたので、生産企画は面白かった。飛ぶように売れ、営業マンから「若向きと一緒に年配向きのスーツも買ってもらえる、売上が大きく伸びた」と感謝された。あの時代からレナウンは仰ぎ見るほどの存在感のあるアパレル業界の雄だった。
 うれしいことにコートのサンヨーはまだあるようだ。クローゼットに2000年ころに購入したサンヨーコートBLINKER(白っぽいグレー)がかけられたままになっている。根室へ戻って来てからは移動は車なので、長いコートは着る機会がない。長くてインナー(ファスナーで取り外し可能)がついているので、風の強い根室ではとっても温かい。あのコートで冬の銀座を歩いていた。転職した会社の本社が銀座四丁目交差点から1分の距離にあったからだ。


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