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#4393 根室市の人口:「広報ねむろ11月号」より Nov. 2, 2020 [26. 地域医療・経済・財政]

<最終更新>11/2 23:32


 『広報ねむろ11月号』が届いた。裏表紙に人口が載っている。

●世帯数 12486
●総人口 24968(うち外国人316人)
●男 11884
●女 13074


 昭和41年が49896人で一番人口が多かった。昭和40-43年の4年間は49000人台であるから、そのおよそ半分のサイズになった。
 社会保障人口問題研究所の地域別推計を見ると、根室の人口は20年後の2040年には15190人、25年後の2045年には13210人となる。
 現在の市役所は人口が最盛期のころに建てたものだが、いまそれよりも大きな庁舎で建て替え案が市議会を通過してしまった。

 鉄筋コンクリート建物の耐用年数は50年である。耐用年数の半分経過したころには根室の人口は13000人。どうしていま、こんなに大きな庁舎を建てる必要があるのだろう?総合政策部長さん、根室の行政は感覚がおかしいのでは?人口が1/3になるのに、新庁舎の延べ床面積は人口最多の時期に建てた市庁舎よりも大きい、中学生だってヘンだと思うよ。

 面積が大きくなれば、冬の暖房費も増える。外断熱仕様だと建築コストは1割増し、暖房費はおよそ半分以下になるだろう。市立病院はその点では失敗作、今度は間違えてもらいたくない。次の世代の負担がたいへんだ。大きな市庁舎、人口は最多期の3割、市役所はスカスカ、なんてことになる。

 北斗小学校を10億円の範囲でリニューアルして、15年後にコンパクトな市庁舎を建てるのがよさげに見えるが、どうしてそういう案が市議会から出てこないのだろう。面積が足りなけりゃ、柏陵中学校を使えばいい。
 当初32億円だった建て替え予算が、膨らんでいく。市立病院の建て替えでもそうだった。

 こんな新庁舎建て替え案に市議会は承認を与えてしまった。病院建て替えのときと同じ構図です。大事なところで仕事ができない、市側の案のチェックもできない、そして対案も作れないなら、市議定員は16人でも多すぎるのでは?機能を果たせないなら、要らないと思う市民がますます増えますから、ちゃんと仕事してもらいたい。
 市議会あって市議会(の機能:市側の案のチェックや対案提出)なし。しっかり仕事してください。

  市立根室病院建て替えのときの市側の当初案は、東和田のニホロ地区への移転でした。商工会館で開催された市民への説明会で、土地の取得原価にインチキな説明があり道新がすっぱ抜いて、ニホロ地区への移転は中止となりました。現地建て替えは不可能と当時の助役(前市長の長谷川氏)が説明してましたが、後ろ側に建て替えたら可能だし、音の出ない工法もあるから問題なしとわたしが説明しましたが、聞く耳持たずでした。
 資料にごまかしのあった市側の案を建て替え整備市民委員会も市議会もチェックできませんでした。わたしは商工会館での説明を聞いただけで道路を敷く工事費や上下水道工事費がニホロの土地の取得原価に算入されてないことに気がついて発言してます。道新はフォローしてくれましたよ、駒場町の地主に取材・確認したのです。その結果、市側の説明の単価よりもずっと低かった。こういうインチキを平気でやってます。今回も、改築は27億円もかかるなんてインチキ資料を作って、建て替えたほうが得なんて言ってますが、氷見市を見たらいい。そんなにかける必要なしです。なんにも調べない市議会はまたもエラーです。
 病院新築時と同じことがまた繰り返されているのかもしれませんね。一番最後に2009年にアップした弊ブログを一部抜粋してありますので、興味があったらお読みください。

*

#1312 市立根室病院建て替え:業者選定基準 Dec.23, 2010 

#1224 「輪=和」の広がり:市議3名が市民説明会開催要望書提出 Oct.1, 2010

  この中に2010年の道新の記事が載っている。
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市立病院建て替え
 予算大幅増、説明を
  
   3議員が要望書を提出
【根室】市議会の無所属議員3氏が連名で30日、長谷川俊輔市長に対し、市立根室病院の建て替えについて「より分かりやすい市民参加の手法に改めていただきたい」とする要望書を提出した。
 要望したのは、壺田重夫、瀬谷周平、本田俊治の各氏。10月の定例市議会に提出される議案の説明を9月28日に受けた際、建て替えの総事業費が62億8千万円となっており、16日に市議会の特別委理事会に報告された55億3千万円から大幅増となったことに疑問を持ったのがきっかけという。
 具体的な要望書は8項目で、「建設費用62億円を圧縮できなかった理由を明らかにするなど、市民衆知の徹底を図ること」などを求めた。
 また、要望書は、新病院建設の課題や対策を市民に判りやすく説明しないまま「強引に事業を進める手法は、長谷川市長が掲げる市民参加のまちづくりとは言い難い」と指摘している。(幸坂浩)

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2009年5月27日#592「市立根室病院建築仕様の前提条件」
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-05-27
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《病院問題へ関わる端緒:ニホロ移転案に係る市民説明会》
 5年くらい前だったか6年前だったか、商工会館で当時助役だった長谷川氏がニホロ移転案に対する市民からの質問に、不誠実で実にインチキな説明をしていたことを思い出す。横にいた爺さんと婆さんたち数名が、ため息をついていた。
「ニホロになったら通院できない」
「どうしてあんなところに建てるのか?」
 私は自分の目で見て、耳で聞いたことを、当時の商工会館での説明会を記憶の中から再現してみたい。

 市側の説明はニホロの土地が一番安いということだったが、道路をひいたり、上下水を引いたりする投資を入れたら、駒場町よりも安くないのではという質問に、計算できないし、していないと答弁した。5000万円と仮定すれば駒場町の方が安い。計算は簡単だ、都合が悪かったのだろう。ニホロが一番安いという唯一の選定論拠が崩れてしまい、移転案は根底から覆る。ニホロに固執しなければならない事情が市側にあったのだろう(畜産振興事業団の案件がつぶれたので、道庁へニホロ地区開発の約束が反故になり、それで急遽あの場所に病院移転が決まったという噂はを後から聞いた。真偽のほどは定かではない)。
 駒場町は上下水道の整備ができているので、同じ条件にしないと比較ができないはずなのに、「裸地」で整備投資が必要な場所と、投資が不要な場所を比較していた。つまり、ニホロ移転ありきという結論に都合のよいような恣意的な比較資料をつくって市民に説明していた。実に不誠実な態度だった。
 駒場町とニホロの両方を市民委員が独自に現地調査しニホロに決定したと説明していたが、そのバスツアーは市側が企画実行したものである。結論のまとめ方もニホロ移転のためのアリバイ作りと言う恣意的なものだった。「市民委員」は当時の市長が委嘱した者たちであるから、市側の案に都合の悪いことを言うはずがない。「市民委員」「市議会特別委」も単なる翼賛機関に堕している。
(10日追加記入:平成16年12月の第4回定例市議会議事録を見ると、市民委員のうちの一人がニホロ案に反対し、駒場町を押したようだ。まともな意見を言う人が一人はいたようだ。ありがとう m(_ _)m
*「行政報告 市立病院建設用地の選定について」http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/10746ab968f4c50f492570c700061691/$FILE/gyousei.pdf

 市長は今回の本会議でも「市民委員」への説明と意見聴取をもって「市民」へ説明を行ったと繰り返し答弁しているが、実態は意見をもたない者たちを選び、委員を委嘱しているので、市側の案には異を唱えない。実質的なチェック機関とはならず、百害あって一利なし。このような委員会は根室の将来に大きな害なす。
 総額90億円のニホロ移転案を市民委員も市議会「特別委」も無修正で可決した。調査分析の能力も意思もない人は委員を引き受けなければいい。現在委員の任にある人は、誠実に全力で調査分析し、市民の立場にたった公平な見解を市にぶつけてほしい。
 一人一人が与えられた職務に誠実かつ全力で取り組めば、根室はよくなる。それができない、あるいはするつもりがないなら委員を委嘱されても辞退すべきだ。責任ある立場の人が善良な市民としての見識をもてば根室はよくなる。

《市民説明会の説明は重要部分のほとんどが真実ではなかった》
 その後、北海道新聞が駒場町の地主に取材し購入予定代金そのものがインチキであることを報道して、ニホロ移転案はつぶれ、駒場町になった。市側の小細工があったのだ。
 そうしていつの間にか、助役の長谷川氏が不可能だと言明した現地建て替え案に変更になっている。この間の事情を、別の場所に移すと新設になり必要な医師数を確保できないので現地建て替えを決意したと説明している。駐車場が狭い、傾斜地で建てられないと当時の助役がはっきり否定した場所に建て替えるという。同じ人間の発言とは思えない。

 現有地での建て替えが可能だという質問に対して、長谷川助役(当時)は土地が斜面で狭く不可能だと言明した。
 あの程度の斜面で設計建築が不可能だというゼネコンは国内には一社もない。現に私はもっと条件の悪い土地で病棟の建て替えに関与したことがあると反論したが聞く耳なしだった。

 鳴海公園を駐車場として使うべきだという市民の意見に対しても、国から補助金をもらってつくった公園だから駐車場にはできないということでだった。建築費全体から見れば、用途変更で国に返還しなければならない補助金は微々たるもの。どういうわけかいま鳴海公園は半分駐車場になっている。
 このように嘘を一つつくと、次々と嘘を重ねざるをえなくなる。無駄なエネルギーだ。そのようなエネルギーがあるなら、問題を解決するために使えと言いたい。

《長谷川助役(当時)への評価》
 こんな人が市長にでもなることになったら根室の町はえらいことになると漠然と不安を抱いた(その当時は市長になる芽はほとんどないと思われた)が、不安は正夢になった。
 対立候補もなく、たった数十人の「オール根室」の支援を受け無投票当選を果たした。
 すでに助役ではないのだから、市長として相応の見識を身につけてもらいたい。課題に正面から取り組むつもりがあれば、まだ成長できる。心のもち方を変えるだけで人は変わりうる、長谷川市長も例外ではない、そう信じている。だから、私は市政批判をする

《企画振興部長、準備室長との話し合い》
 35年ぶりに生まれ故郷に戻った途端にこういうことが持ち上がる。この問題に関わるのは運命かもしれない、そう感じた。医療関係の業界に仕事で18年間携わっていた。特例許可老人病院を療養型病床群の病院に切り替えるために、2000年前後に新病棟の増築に係ったことがある。
 ひどい説明会だったので、その後、関与したことのある神奈川県下の300ベッド弱の病院へ行き、理事に根室市の状況を説明して「増改修工事」設計資料の写しを入手し、藤原市長へ面会を求めた。
 移転後の損益シミュレーションも3パターンやってみたが、移転後の病院経営に強い危惧を抱かざるをえなかった(基本設計後でないと建設費を入れた病院経営改善プランがつくれないと市長が市議会で説明しているが、わたしは5年前にそれをやっているし、資料も渡した)。
 藤原市長は道庁から出向していた病院移転を担当していた企画振興部長(当時)と病院移転準備室長と話しをするように指示してくれていた。訪れた当日と、私が休みである日曜日に計2回資料をもとに話し合った。

 私はおおよそこういうことを彼ら二人に話した。ニホロは場所は遠いしバスの便が悪い。人口は減っている。あなたたちは出向組みだから数年の任期で本庁へ戻るだろう。15年後(2020年)
根室の人口は2万5千人を切るだろう老人人口の割合も30%を超えている。交通の便の悪い病院へタクシーで老人患者が通うことになる。片道2000~3000円、国民年金暮らしの老人は交通費が負担できずに病院にかかれないで死んで行くだろう。ニホロ移転後の病院事業損益シミュレーション資料を渡し、移転後の市立病院の運命を次のように説明した。
 交通の便が悪いから患者は減るので現在よりも病院売上が減少し赤字が増える。使えない病院と大きな赤字が残り、病院は早晩閉鎖せざるをえなくなるだろう。

 自分が根室に永住すると想像してほしい、自分の親をどうケアする?できますか?あなたたちは本庁へ戻るからいいが、わたしたちは根室に骨を埋めるし、年老いた親を抱えている。自分の身に置き換えて考えて欲しい。
 二人はきちんと聞いてくれた。真摯な態度だった。公務員にはこういう人も多くいる。きちんと受け止めてくれた。

 建築単価が高い理由を聞くと、「道の基準が坪単価130万円ですから、下げられない」という答え。大理石の病院を建てるのではあるまいし、いまどきそんなにかからないと、持参した「増改修工事」設計資料を渡し説明した。この設計仕様で、2002年に建築坪単価65万円で新病棟を建設した。担当したゼネコンは新日鉄、一流である。たまたま、知り合いの東大出の1級建築士が部長をしていたので、協力を要請した。彼の方から一つだけ条件が出た。それを飲むことでこちらの予算枠を超えないという条件を飲んでもらった。大きな仕事は常に信頼関係の基盤の上になされる。そうするといい結果がでる。
 院内の各スタッフと話しをして仕様をまとめるのが一番たいへんな作業だったかもしれない。市立病院はこうした作業を病院事務局がやっているのだろうか?以前のニホロ移転案は医療のことをあまり知らない設計事務所がそれなりに調べて、現場スタッフとの詳細な調整なしにつくりあげたもののように見えたが、違っているだろうか?
 仕様変更があればすべて上乗せしてくるのが大部分のゼネコンのやり方だから、交渉の前に建築仕様をしっかりまとめておき、大きな仕様変更が出ないように詰めておく必要がある。基本設計ができてから、院内スタッフと調整をやれば予算額は膨らんでしまう。
 医者、看護師、レントゲン技師、事務スタッフ、ヘルパーさんの意見をヒアリングし、経営とのバランスを考えて建築仕様をまとめるのはなかなかたいへんな仕事だ。各部門の要求を聞き、そのままやろうとすれば仕様は膨らみ建設費も増額になる。優先順位をつけて黒字経営の許す投資予算内にまとめるのがプロジェクトリーダーの役割だ。そういう人材はなかなか見つからない。多少変更があっても坪単価80万円なら可能だろうと話した。

 説明してから半年ぐらいで彼らは本庁へ戻った。次に来た人たちは建築単価を85万円に切り下げ、病院建築費は約20億円下がった
 どのような引継ぎがあったのかわからない。しかし、あの二人は根室にとっていい仕事をしていってくれたのだろうと思う。部長も準備室長も人柄がよかった。私のサラリーマン生活でも、あのように私利私欲の少ない誠実な人たちはめずらしい部類に入る。短い出向期間で根室に利害がなかったからでもあるだろう。

 根室人ではない人たちがしっかり仕事をしてくれているのに、根室で生まれ育った一部の人が根室の町を衰退に導いているように見えてならないのはどういうわけだろう。市長から検討を委嘱された市民委員の面々、市議会特別委のメンバー、病院事務局、財政課、市長自身などなど。これらの人々が問題に正面から取り組み、渾身の力で市民のために仕事をすれば、根室の町はずっとずっと住みよい町になるに違いない。わたしも余計なことを言わなくても済む。ぜひ、そういう根室になって欲しい。
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赤井秀一

建替えは権力者の見栄です。
賛同がなくても実績を造れば功績になるという見栄ですよ。

能力者が進言しても動かない市が、
一部の権力者の進言は「不必要」でも動くような市に何を求めてるか?
by 赤井秀一 (2020-11-05 11:25) 

ebisu

赤井秀一さん
初めての投稿ありがとうございます。
見栄でしょうかね、それもあるでしょうが、根室の場合はもっと単純のようです。利権の配分と選挙協力のバーター、モチツモタレツの関係でしょうね。

人口2.5万人、それも衰退が加速しつつある田舎の市ですが、人口縮小はやむなしとしても、ハッピーな縮小の仕方というモノがあります。
市議会は明治公園の再開発に反対して、再開発計画はなくなった様子。市議の中にも数人ですが市の未来を憂えている人がいるようです。

歴代市長や歴代教育長が何をやり、何をやらなかったかを書き残しておくこともどうやらわたしの役割。だから、市政批判をするだけでなく、代替案を書いています。

水産業界衰退の兆候は昭和30年代後半に始まっています。それが人口減少を引き起こすのはさらに10年ほどたってから。
あれから50年を経て、似たようなことが起きています。地元企業が経営改善できない。日本の標準的な企業の在り方を知らない、無知なだけ。そして学ぼうとしない。視野狭窄、頑迷固陋、アホの経営の見本のような地元企業は何をどうしようとも勝手につぶれていき、人口減は加速します。ああ、ハナマルの清水さんのように京セラ創業者の稲森和夫のもとへはせ参じて教えを請うた人はいます。出色ですが、根室のカラーには合わない。さっさと本社を札幌へ移してしまいました。

経営改善の方法を知らない、そういうキモチがない、そういう地元企業はそれでいいのです。碌でもない地元企業はつぶれ好いものが生き残ればいい。

新しい首相も「まずは自助」と云っています。自助がなければ共助ではなくて、市政と地元企業の共倒れがあるだけ。
25年後には1.2万人減少して13000人の町になるのでしょう。変わらざるを得なくなります。いつまでも変わらないものなどないのです。
パトリオットのebisuは、根室人が動くのか、座して25年後に人口13000人の町に住むことになるのか、楽しみです。根室の町に戻って17年、私塾をやることですでに種は撒きました。やるべきことはやりました。もうすぐ最後の仕事の結果が出ます。(笑)
by ebisu (2020-11-05 22:32) 

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