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#4353 数学嫌いの生徒の「数学って役にたつの?」という問いをめぐって Aug. 30, 2020 [52. 数学]

 数学が嫌いで「何に役にたつのか?」という生徒はいるけど、社会や理科に対して同じことを言う生徒がいないという高校の数学の先生の意見に対して、社会は暗記科目でつまらないという理系の大人の意見あり。また、音楽・図工・体育に関しては生きてくのに必要ないから、「これって役にたつの?」なんてことすら聞かないというのは別の理系の人のご意見。必要なのは国算社理英の五科目のみ、芸体三科目は役に立たぬということか。

 FB上で今日なされた議論です。あなたの意見はどうですか?

 意見は十人十色。
 だから、意見の異なる人との対話は楽しい。
 リアルタイムで空間の制限を超えて分野の異なる人たちと議論ができるのはとっても便利。
 SNSは使いようで役に立つ。(笑)
 以下は網掛け部分はFBに書き込んだわたしの意見です。

歴史はとっても面白い。よく眺めてみると、おおよそ400年ごとに日本は大きな歴史的転換点を迎えてきたことに気が付く。いまそういう転換点の時代を迎えている。パラダイムシフトが起きている中で生きているんだ。
学校の試験なんかを基準に考えていると、どの科目だってつまらない。授業で教えてもらったことを超えて、好奇心に任せて何を学び取るかが勝負だろう。
古典文学だって、詩歌だって、経済学だって、統計学だって、コンピュータシステムだって、好奇心があれば愉しいものに変わる。
つまらない教科と感じたら、それはつまらない勉強の仕方をしているからだろう。
数学にも文学にも社会科にも理科にも面白さの差は感じません。
役に立つ勉強の仕方をすればどの教科も役に立つし、底の浅いいい加減な勉強の仕方に終始すればまったく役には立たないとわたしは思ってます
そして学びの半分くらいは経験からかな。学校の授業で教えてもらえることはほんのわずかです

 もちろん、数学だって、音楽だって、図工だって、体育だって役に立ちます。文系科目(たとえば、原価計算論)にだって微分方程式が出てくるし、大学教養科目にある統計学は数学が理解できなければ無理。Σ記号を使った式がふんだんに出てきます。確率分布や推測統計は数Bの範囲ですが、高校の授業ではやっていません。統計学には数Ⅱと数Bの知識が必要です。統計データは分野を問わず様々な専門書にでてきます。できれば選択科目になっている数Ⅲまでしっかりやっておいた方がいい。欲を言えば線形代数への橋渡しに行列式もやっておいた方がいいのです。いまでは高校数学からなくなってしまいました。社会人になって仕事をし始めると高校数学の範囲では足りませんから、あとは独学でやることになります。数学の概念と世界が広がるので、複素関数の初歩ぐらいは高校と大学を通じて趣味の範囲でもやっておくべきですね。文系の学生でそこまで好奇心を広げられる生徒は千人に一人ぐらいの割合でしか出現しないでしょう。きりがないのです。

 悲しい時は、悲しい音楽を聴いて涙を流したらいいし、楽しい時は楽しい音楽を聴けばいい。音楽は短歌や俳句や詩の中にも流れています。情緒に関する部分はこころの核心部分ですから、知的活動を左右する部分です。音楽や図工はとっても大事です。国算社理英よりも重要性が低いなんてことはありません。
 身体が柔軟でなければケガが多くなるし、年老いてから故障が多くなります。体育だってやりようで役に立つのです。
 マウンテンバイクでT字路を左折するときに右折車が斜めに曲がって来て進路をふさがれました。とっさに急ブレーキ、前輪がロックして見事に一回転してアスファルトへ。とっさに頭を引っ込めて受け身してました。身体ってしっかり記憶していて、何十年たってもとっさに反応してくれます。運悪く着地したところに25㎝の高さの縁石があり左腿をしたたかに打ち、見る間に腫れましたが、骨折はしてませんでした。受け身ができなければ、かなりのケガでしたよ。わたしの場合は体育は役に立ってます。昨年は逆上がりができないという幼稚園の孫に実演して見せましたから。たのしかった。「ジジできるんだ」って大はしゃぎでした。(笑) 体操教室に通っていましたが、孫のやるストレッチを真似してやって見せたら、目をまん丸くして、「ジジ、どうしてできるの?」って一緒に遊んでくれました。孫よりやわらかいのです。ストレッチをするときの呼吸の仕方を教えてあげました。

 学びは授業だけではありません。生徒会会計をやったことがその後の人生の武器になりました。各部の部長と副部長を生徒会室に呼び、予算折衝をしてましたから、会社勤めをして中途採用でいきなり予算編成を任されてもOKでした。公平にやる、急所は生徒会会計の仕事と同じなのです。従業員が200人でも、3000人でも一緒です。予算編成と予算管理の本質は従業員1万人の企業でも同じ。それを支えるシステムに違いがあるだけです。企業規模に合わせたシステムが創れる専門知識と経験があればいい。そういう場ではより高度な学力と経験が必要になります。経営改革を目的とした経営管理や経営企画ということになるともう少し専門知識の範囲と経験のレベルが上がります。
 根室高校の校則改正(丸刈り坊主頭を廃止)の経験も役に立ちました。理不尽な旧弊はドンドン変えたらいい。経営改革とはそう言うことです。高校の校則改正も企業の経営改革も本質は一緒です。質の良い経験を積んでいれば、赤字の会社も黒字にできます、実際にいくつもやってきました。
 質の良い経験を中学・高校時代にしっかり積んでください。部活も生徒会活動も大事です、社会人になってからそういう経験智がモノを言います

 ところで、わたしも数学を教えていますが、「数学する」って楽しいから教えています。出力(授業で教えていること)以上に入力(学び)しています。英語もそうです。ハラリのSapiensの原書講読が左サイドバーのカテゴリー欄にあるので、そこ「44-3. 原書講読講座 Sapiens(41)」をクリックして読んでいただければ、生徒の疑問に答えながら原書を読む愉しさがきっとお分かりいただけます。

 どんな科目も将来の仕事にしっかり役にたちますから、深く学んで楽しんでください。
(ここまで、この文書作成におおよそ30分かかりました)

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 9/29追記:新型コロナ(COVID-19)の真陽性や擬陽性を理解するには高校数学「数A」の条件付き確率が理解できないと、話が呑み込めません。数学はとっても役に立つのです。

#4375 新型コロナPCR検査陽性者のなかで真の感染者の割合はどれだけか?



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