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#4215 米国から日本のCOVID-19検査体制にクレーム:大慌ての日本政府 April 8, 2020 [35. 感染症および自己免疫疾患]

 医師会や対策専門委員会や東京や大阪の首長が要請していた緊急事態宣言をあれだけ渋っていたのに、なぜ日本政府は4/8突然に緊急事態宣言を発することになったのか?

 米国は3月23日、日本を渡航禁止と滞在者に帰国を促すレベル3に指定した。その理由を4/4付の日刊ゲンダイが報じている。
*https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/271425?fbclid=IwAR2aC_eWitHdlfmUlLCefNUfCxPfHd0mEbnXz7JVl0eGrgAe2OIxqTw_8F8
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在日米国大使館は3日、HP上で日本に滞在する米国人に対し、強く帰国を促す通知を出した。日本での新型コロナウイルスの感染急増を受けてのものだが、日本政府の対応のマズさをズバリ指摘している。
幅広く検査を実施しないという日本政府の決定によって、新型コロナウイルスの罹患率を正確に把握することが困難になっている今後数週間にわたり、医療体制がどのように機能しているかを予測するのが難しい
 政府は、今月1日にPCR検査は1日9000件以上実施できる態勢を整えたとしているが、厚労省によると、同日の検査実施件数はわずか3604件にとどまっている。
 安倍首相は2日の衆院本会議で、「全相談件数に占める検査実施の報告件数が少ない都道府県については、背景や事情をフォローアップする」と語り、実態調査に乗り出したようだが、「検査過少」は2月から幾度も指摘されてきたではないか。何をいまさら――。

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 検査の網を広げていないから、感染の実態がつかめないし、したがって今後日本の医療体制がどのようになるのか予測もできない、日本政府の新型コロナ対策は検査数が異常に少ないので信用できない。ありていに言うと、意図的な情報操作だと指摘しているのである。

 米国大使館ホームページには日本を渡航禁止、滞在者引き上げのレベル3に指定した文が載っている。
**https://jp.usembassy.gov/ja/health-alert-us-embassy-tokyo-april-1-2020-ja/
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米疾病予防管理センター(CDC)による日本への渡航情報: CDCは3月21日、日本におけるCOVID-19の状況から、レベル3の警告(不要不急の渡航中止)を発令しました。
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(高校生は青字の「レベル3の警告」の文字をクリックしてください。英文の解説ページへジャンプします。PISAの読解力テストではネット情報を統合して問題を分析して、考え、解決法や新たな問題を発見することを要求しています。日本の高校生はこの部分が実に弱い。弊ブログを読むことはPISAが要求する、ネット時代の新しい読解力育成にきっと役に立つでしょう。
*https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/日本の15歳が「読解力低下」oecd調査があぶり出す学校教育/ar-BB12hPcr?ocid=spartandhp)

 これに慌てた日本政府はあれだけ渋っていた緊急事態宣言を出さざるをえない状況に追い込まれたようにみえる。ドイツは50万テスト/day体制をとっているが日本は4/1時点でわずか3604テストしかPCR検査がなされていない。これでは同盟国の米国が日本政府が国内の感染実態を隠蔽していると受け取るのも無理はない。検査数が少なければ、感染者数も実態よりもはるかに小さくできる。

 一方で、原子力空母セオドアルーズベルト内で新型コロナ感染者が100名以上出て、運用不能に陥っている。乗員は4000名、全員が退避するわけにはいかないので、1000名は船内に残っていなければならない。個室をもっているのは上級のものだけ。100名が3段ベッドで寝泊まりしている部屋もあるという。下級の乗員は複数で一つの部屋を共有している。これでは感染の防ぎがない。艦長がグアムで半数の乗員を下ろして検査するよう本国へ要請をだしたが、解任されたという噂が流れている。米海軍の太平洋上での運用に支障が出始めている。空母ですらこういう事態が起きているから、もっと狭い原子力潜水艦でも同様の事態が発生しているかすぐにも発生しかねないと考えるべきだろう。

***https://www.afpbb.com/articles/-/3276445
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【4月1日 AFP】米軍の空母「セオドア・ルーズベルト(USS Theodore Roosevelt)」の艦長は国防総省に対し、空母内で新型コロナウイルスの感染が拡大し状況が制御不能になっているとして、乗組員の隔離に向けた迅速な支援を要請した。米国の2紙が3月31日、報じた。
 空母のブレット・クロージャー(Brett Crozier)艦長は4ページにわたる書簡で、現在米領グアム(Guam)の港に停泊している空母の乗組員約4000人の間で感染拡大が止まらない惨状を説明。米地方紙サンフランシスコ・クロニクル(San Francisco Chronicle)によると、「われわれは交戦中ではない。水兵らは死ぬ必要はない」と述べた。
 クロージャー艦長は空母の「空間は元来、制限されている」ことに触れ、「感染症の拡大が続き、加速している」と言明した。
 クロージャー氏は、乗組員全員を船内にとどめておくことは「不必要なリスク」であるとし、ほぼ全員をグアムで下船させ隔離できるよう要請。「配備された原子力空母の兵員の大半を下船させ、2週間隔離することは異常な措置にみえるかもしれない」としつつ、「これは必要なリスク」だと主張した。
 サンフランシスコ・クロニクルによると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が確認された乗組員の数は100人を超えている。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)も報じたこの書簡について、米海軍はその内容を確認していない。(c)AFP

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 日本政府が8日に出した緊急事態宣言は、米国からの強い指摘に驚いたからではないのか?
 緊急事態のときには国民と真摯に向き合い、信頼関係を築こうという姿勢が大事だ。なんど世論調査をしても、安倍総理を信用できないという国民が8割もいる、情けない。しかし、代わりがいないし、米国に言われると、昨日までとはまるで違うことをしだす変わり身の早さはなかなかのもの。そういう人が総理大臣であるときに戦後最大の国難が襲ってきた。

<余談:新型コロナ対策の要点>
 通勤電車が密閉・密集・密接の三つの密の最たるものだろう。ここを何とかしないと爆発感染が抑えきれるようには思えない。通勤電車で感染したら「感染経路不明」となります。
 医療関係企業や生活必需品の生産、そして物流企業を除く一部上場企業へ非常事態宣言下の拠点の1か月休業要請を出したらいい。法人企業統計では500兆円前後の内部留保がある、その大半が東証一部上場企業だろうから、補償なんて出さなくても2年間売り上げゼロでも耐え切れます。こういう時にこそ上場企業は内部留保を吐き出したらいい。自己株式買い取りで株価を上げ、内部留保の薄い米国企業にはできない政策です。経営者が10億円を超える報酬を手にし、配当の多さを競い、非正規雇用を増やして社員の人件費を削り、利益を内部留保せずに株価を上げるために自己株式消却にお金を費やす、そういう経営スタイルが感染症の前に無力であることが証明されてしまいました。
 武漢コロナウィルス感染症騒ぎがおさまったら、政府の借金減らして、せっせと内部留保を積み上げないと、災害は目白押し。極東沖の400年に一度の巨大地震は20mクラスの津波を伴ないます。富士山が噴火したら、首都圏は完全麻痺、最近関東周辺で地震が多発しているから直下型地震がいつ起きるかわからない。九州で巨大自然災害が起きるかもしれぬ。災害対策用の内部留保が必要なことぐらいは誰にでもわかる理屈だろうが、備えはまるっきりない。日本人は何か事が起きてからでないと対応できない民族なのか?近々起きる自然災害を予想して、具体的な対策を練り、準備しておくことができれば、自然災害は人災を伴なわずにすむ。

 一部上場企業に勤務する者たちの首都圏の通勤停止なんて要請を出すのに、利益が減るので経団連は猛反対するだろうね、政権も吹っ飛ぶかもしれない。でも大半の一部上場企業は「要請」にしたがいますよ。
 政権維持なんてケチなことを考えている場合じゃありません。感染爆発をしばらく回避出来たら、その間に準備して万全の体制で爆発を迎えたらいいじゃありませんか。それで政権がぶっ飛ぶなら本望と思うくらいの保守政治家はいないのですか?
 日本には伝統的な商道徳がある。大きな企業こそ信用を大事にしたらいい、政治家もね。
売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし

 休業補償は中小零細業者と中小零細企業に勤務する者たち、そして非正規雇用や派遣社員。一部上場企業の社員や公務員は給料が減るわけではないから対象外。わたしのような年金受給者も同じ理屈で除外。

<余談-2:内部留保>
 企業が蓄えている内部留保が非常時には絶大な力を発揮することはすでに書いた。内部留保の厚い企業は1年間売上がゼロでも社員に給料を支払い続けて経営はびくともしない。
 おなじことは政府財政にも言えるのではないか。税収の25年分もの借金ではなくて、10年分の内部留保があったら、それを使えばいいだけ。赤字国債の発行も必要なしだ。無制限に赤字国債を発行し続ける政策は実に危ういのではないか。武漢コロナウィルス感染症で政府財政がどうなるか、また、日銀がどうなるかだれにもわからない。リスクを示すメータがあるとしたら、針は大きく振れているに違いない。
 国の成り立ちも文化も伝統も米国とはまるっきり違うのだから、かの国の後を追ってないで、そろそろ国の在り方を変えろということ。


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