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#3699 四月の学力テストの五科目合計平均点予測:史上最低? Feb. 22, 2018 [71.データに基づく教育論議]

 四月に行われる新中3年生対象学力テスト(通称「お迎えテスト」)の点数を2月2日実施学力テストの実データを利用して試算してみた。B校とC校の両方が100点を切りそうである
 両校の先生たちは過去12年分くらいのデータはあるはずだから、最低点かどうかをチェックしてみてほしい。わたしは、2003年からデータを見ているが、一度だけ100点を切った得点通知表を見たような気がする。限りなく百点に近い点数だった。
               ①表
    2月 4月 4月/2月
C中 2011年 225.7 119.3 52.9%
  2017年 216.1 112.6 52.1%
  2018年 184.0 97.3 52.9%
    184.0 95.9 52.1%
        ②表
B中 2017年 250.3 108.8 43.5%
  2018年 167.3 72.7 43.5%

 
 ①表はC中の2011年と2017年の実データである。実施月は2月と4月で、2月のデータは2年生対象、五科目合計500点満点の学力テストで、4月データは同じ学年が3年生になったときの最初の学力テストである。どちらも2月の学力テストの52-53%が四月の300点満点の学力テストの五科目合計平均点になっている

 ②の表はB中の2017年のデータである。四月の学力テストデータは2月の学力テストの43.5%になっている。次のブログで紹介するが、この学年は3年次の学力テストの合計点を比べると僅差である。だから、2月のデータの差の34.2点は「特異」に見える。しかし、2年次11月実施の学力テストデータでもB中のほうが 25.9点高い。
 これほど大きく水の開いていた差が3年生になると消滅してしまうのはなぜだろう?
 生徒たちの頭は「やわらかい」のではないだろうか?先生の指導の仕方如何でこれくらいの差は縮めることが可能なのだ。現に、百点満点でいつも平均点で15-20点も差をたたき出す、B中の理科のS先生がいた。記憶の定着を図るために小テストを繰り返していた。1科目で20点も違ったら、2科目そろえば他校と五科目合計点に圧倒的な差がついてしまう。
 
 2校のデータを比較してみると、生徒の学力は常に変化していることがわかる。次のブログで科目別に分析してみたい。興味深い事実が浮かび上がるだろう。

 さて、推計値の評価をしてみたい。①表の推計値では4月の学力テストの五科目合計平均点はおおよそ95-98点区間(C中)に入るだろう。百点を切ることはほぼ確実だ。学力テスト総合ABCでも、横ばいのラインをたどることになる。このままではC中史上学力が最低の学年になりかねない。
 ②の推計値は11月の五科目合計点が250.3点と高すぎた結果、「4月/2月」比率が43.5%と低く出て、推計値も72.7点と極端に低くなった。この比率をC中の53%に置き換えても88.7点(B中)だから、やはり異常に低い
 どちらの学校も四月の学力テストでは五科目合計点平均点が百点を切るだろう2校揃ってというところが心配だ。A中学は大丈夫だろうか?

 B中は学力の高い学校だった。学力テストの五科目平均点が高い時には160点台、ほとんどが130-150点の間にあった。B中の先生たちは手元にデータがあるだろうから、12年分くらいチェックしてみたらいかが?300点満点の学力テストで百点を切ったことはないし、五百点満点の学力テストで200点を切ったこともないはず。つまり、B中も2003年以降ではつぎの四月のテストが最低を記録することになりそうだ。500点満点で167.3点というのは衝撃的だ
 どちらの学校の生徒も学年2番の生徒は、十数年前だと15番以内には入れない。学年順位で学力を判断してはいけない。

 #3695で2005年1月と2018年2月の学力テストデータの得点階層別比較表をアップしてある。得点201点以上の学力上位層が1/7に激減しているが、四月の学力テストではどうなるだろう?
 表を再掲しておくので、ご覧いただきたい。

  <B中学校>      表4
  得点階層 2005年 2018年
  201-300 17 20.2% 3 5.4%
  101-200 57 67.9% 32 57.1%
  0-100 10 11.9% 21 37.5%
  合計 84 100.0% 56 100.0%
  平均点 143   122.7  


 根室市教委と教育長は普段の学力テストデータをしっかりモニターすべきだ。そしてデータに基づいた教育政策を立案し、とどまるところを知らない根室の子どもたちの学力低下に歯止めをかけることに協力してもらいたい
 このままでは30年後の根室を支える人材が消滅してしまうから、地元企業経営者にとっても重大問題である。現状を見ても他地域から若くて優秀な人が根室に定着する例はほとんどない。地元の人材をいかに育てるかで、30年後の根室が決まる。

#3693 中3テスト比較①:3年生学年末テスト Feb. 14, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-14


 #3695 中3テスト比較②:2/2学力テスト編 Feb. 16, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-15-1


 #3699 四月の学力テストの五科目合計平均点予測:史上最低? Feb. 22, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-21-1

 #3700 四月学力テスト平均点推計のための補足データ① Feb. 23, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-22


 #3701 四月学力テスト平均点推計のための補足データ②:7つの表 Feb. 23, 2018
http:
//nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-24-1

 
#3702 四月学力テスト平均点推計のためのデータ補足③:解説 Feb. 23, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-24



<余談-1:日本語音読トレーニング>
 今日は月に2回の日本語音読とレーニングの日だった。2年生が2人、3年生が1人のクラスである。斉藤孝著『日本人は何を考えてきたのかー日本の思想1300年を読み直す』をテクストに使っている。ずいぶんたくさんの本を書き殴って出版しているうえに、様々な方法で語彙力拡張トレーニングを自らに課しているので、『読書力』(岩波新書)のころに比べて、格段に文章がよくなった。内容はところどころお粗末なところが散見されるが、日本思想史の観点から巨視的に歴史を見ているところは頷けるので、異論がありそうなところは具体的に解説しながら生徒と一緒に音読している。あと2回で終わる予定だ。次のテクストを選んでおかなければならない。さて、いくつか候補があるがどれにしようかな。
 三人とも音読授業が一番楽しそうである、スキルがアップするたしかな手ごたえがあるからだろう。生徒たちにとって一番大切な日本語音読授業はボランティアでやっている。2年前まで、20分早く来てもらって、授業の前にやっていた。やる気のない生徒が数人出始めたので、全員対象の日本語テクスト音読授業をやめた。現在は希望者だけである。このほうが生徒も私もいい。90分びっしりやるので、慣れない生徒たちはたいへんだろう。今日は途中から、歩きながら読んでもらった。

<余談-2:ホタテの刺身>
 新鮮なホタテ貝を買って、貝から外して晩御飯のおかずに供してくれた。実にうまい、サンマと同じでわたしは胃がないから少量でいい。
 北海道は新鮮な食材が手に入るので、手をかけずにそのまま食べるのが一番おいしい、だから、料理の工夫が足りない。ほかの地域は、新鮮な食材が滅多に手に入らないから、香辛料やらなにやら、手をかけて調理しなければおいしくいただけない。腕の良い料理職人がすくなく、素人料理に毛の生えた程度のものを出すお店が多いのが北海道の特徴だと、ある写真家さんがFBで言っていたがその通りだと思う。
 小学生の時に食べた、茹でたての大きなタラバガニの棒肉は関節一つで30㎝くらいあり、実においしかった。あの蟹の味をしっているから、冷凍ものなんて食べる気がしない。新鮮なタラバガニを大きな釜で茹で上げ、すぐに食べるのがなんといっても最高だ。いまは、そういう大きなタラバを鮮魚店でもめったに見ないし、あっても数万円はするだろう。庶民にとってはあんなに大きな茹でたてのタラバガニは幻である。

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日本人は何を考えてきたのか――日本の思想1300年を読みなおす

日本人は何を考えてきたのか――日本の思想1300年を読みなおす

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2016/03/01
  • メディア: 単行本

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