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#3648 気温マイナス1度のサイクリング:帯広畜産大編入の生徒 Nov.27, 2017 [85.サイクリング]

 例年ならもうロードバイクは物置に置きっぱなしになるのだが、今年はしぶとくまだ使っている。天気がいいので11時半ころ分屯地コースを回ることにした。

 11時 気温マイナス1.0度、北西の風5.9m 湿度44% 

 東へ向かって走っているうちから切る風が痛い、顔が凍りそうだ。雪かき用の防寒手袋をつけていたが指先がぐんぐん冷えてくるのがわかった。綿のインナーグローブをつけているから2重になっているのに、指先が冷たくなり、感覚が失われていく。掌を閉じたり開いたりしながら走る。西へ向かって走ると猛烈にしゃっこい。北西の季節風にわずか1周半で降参、完敗である。寒さにはとっても弱い。
 でも、今年はまだ数回走れそうだ。

 2年前に高校を卒業した塾生から、帯広畜産大学の編入試験になんとか合格できたとメールが入った。よかった。高校では吹奏楽部、2年の時に写真部へ入り、部長を引き受けた。それまでやったことないのに度胸がよい。統率力があるということ。小学生のころからずっと書道をやっていたから、書道部にも所属していたようだ。「広報根室」の昨年正月号の表紙にには根高書道部の写真が載っていたが、しっかり大きく写っていた。書道が上手なことは知っていたが、書道部に属していたことは知らなかった。この子は絵も上手だ、漫画家にしたいくらい描いた人物の表情が生きていた。漫画家でも生きた表情が掛ける人はごくわずか、特異な才能の持ち主なのである。スマホでデジタル画を描いていたが、プロ並み。授業中に描いたという「ミロのビーナス」が美しかった。女性的な柔らかみと色気を湛えたデッサンだった。古いマンガだが『動物のお医者さん』という北大獣医学部生を主人公とする漫画があった。動物の表情が実に上手に描き分けられていたから、人気が高かった。30年ほど前の漫画だ。この生徒がいままで2年間牛の世話をしてきた経験、そしてこれから帯広畜産大で起きる様々なトピックスを書きためておいて、いつの日かそれらをテーマとする漫画を描いてくれることを夢見ている。
  わたしはこの生徒の才能と八面六臂の活躍ぶりに半ばあきれていたのである。わたしが高校生でもこれほど破天荒ではなかった(笑)。
 本が好きで、ジャンルを問わず文庫本を読み漁っていた。読むのが速かった。わたしの倍くらいあるかもしれない。本棚から自分が興味にありそうな本を見つけては、「先生、これ借りるね」ともっていった。中2の時だったと思うが、ヨースタイン・ゴルデル『ソフィーの世界』は600ページを超える「哲学ファンタジー」だが、これを見つけると数日で読み終わっていた。このときに、この子の読書力の高さに気がついた。内容理解の深さはともかく、大雑把に論旨をつかんでハイスピードで読むことができるのだ。中3のころから、「これ読んだけど、面白かったから、先生も読んでみたら」とグリム童話(オリジナルの方)や東野圭吾や山田悠介の本を何冊かもってきた。数冊はカテゴリー「本を読む」で紹介している。
 塾では理科と社会の勉強をよくしていた。気まぐれだから高校生になると、本棚にあった『Gone with the Wind(風と共に去りぬ)』を読みたいというので、一緒に読んだが、十数ページであえなくダウン。50ページ我慢してくれたらと思い、読みたい本があるかと問うと「ダーレンシャン」がいいというので、これを読み始めたらやはり30ページもいかぬうちにダウン。英文は『風と共に去りぬ』よりもずっとやさしかった。気まぐれなのだ。でも、さらに別の本はないか訊いてみるべきだった、この生徒は他の生徒よりもすっと世話が焼けるが、「三度目の正直」があったかもしれぬ、そういう生徒なのだ。
 このように多方面の才能にあふれた生徒だが、数学と英語の勉強だけは最後まで嫌いだった。ペットとして犬を飼っていたが老衰で死ぬとウサギを飼いはじめた。本人の心の中では一貫しているのだろうが、牛が好きだと言って農業大学校へ進学、汗を流して家畜の世話を精一杯やりながら当初から編入を考えて調べていた。夏休みに帯広畜産大編入試験の過去問をもってきて、「教えてください」というので5時間ほど授業をした。ちゃんと手順は踏んでいた。その後音沙汰がないのであきらめたと思っていたら、合格。なかなかドラマテックな人生だ。嫌いなことはしないしできないと思っていたが、そうでもないらしい。長文問題は英文の難易度がセンターレベルよりもだいぶ高い。嫌いな英語の勉強をしないと編入試験には合格しないから、昼間牛の世話作業をしてから夜勉強したのだろう。まだまだ成長し続けているということ。
 ジャンルを問わない読書が彼女の世界を広げ、基礎的学力を充実させていたのだと思う。とってもユニークで面白い生徒である。
 こんなにうまく転がるのは例外中の例外だから、中高生の皆さんは勘違いしないように。(笑)


 小学5年生の時に入塾してきて、高校卒業まで来ていた。「塾の主」でもあった。わたしがものを探していると、「先生、何探してんの」「〇〇だよ」「それならこのあたりにあるよ、ほら、あった」、わたしよりも何がどこに置いてあるかよくわかっていた。散らかっていると「わたし片づけてあげる、上手だから」そう言っててきぱき片づける。引き出しの中はきれいに整理整頓。いなくなってからはもの探しがたいへんなのだ。(笑)
 何はともあれうれしいので、三枚におろして冷凍していた秋刀魚の刺身を肴に北の勝「大海」を飲んでいる。身体がほんわり温かい。



 <本日の走行距離>
  たったの5km、累計走行距離3885km


               70%       20%      
 
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