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#3627 日米安全保障条約のリスクに関する議論ができない言霊の国 にっぽん Oct. 16, 2017 [8. 時事評論]

<最終更新情報>
10/20 夜10時半 <トランプに追随する安倍政権によって生じた重大危機>


  憲法第九条が選挙の争点の一つになっているようだ。北朝鮮のICBM開発が数か月前の160kt(広島に落とされた原爆の10倍の威力)の水爆実験成功により、威力を増していよいよ現実のものとなり、ICBMの開発と相俟(あいま)って、年寄りの米国大統領トランプ氏と若い北朝鮮のドン金正恩(キムジョンウン)が舌戦とチキンレースを続けている。

  日本全域をカバーする中距離弾道ミサイルはとっくに開発済みだから、それへ小型水爆が搭載される現実性が生まれたということだ。米朝が戦争になればグアムよりももっと近くにある在日米軍基地がまっさきに攻撃対象になる。沖縄米軍基地、横須賀米軍基地、岩国米軍基地、三沢米軍基地は戦争当事国の拠点だから真っ先に攻撃対象となるのは軍事の常識だが、選挙では輿(与)野党を問わずだれもそれを言わぬ。

  言えば言ったことが現実になるというのが2000年受け継がれてきた言霊思想だ。なんとなく不気味で、こういう現実の問題を口にしずらいところが邪馬壹(ヤマト)の国にはある。たとえば、飛行機にこれから乗る人に「飛行機が落ちるかもしれない」と言って、それが現実に落ちた(御巣鷹山の日本航空墜落事故)としたら、言った人はまずいことを言ってしまったと思うだろう。口に出した言葉が霊力をもつとなんとなく思うのが言霊ということ。Kとの葉には魂が宿る。
  さて、攻撃対象になるのは米軍基地だけではないだろう。金正恩の立場に置き換えて考えれば、日本全国54箇所に散在する原子力発電所も攻撃の対象となりうる。被害を大きくするということで選択すると、首都東京と福井県の原発が真っ先に標的になる。北西の季節風が吹く時期にここへ中距離ミサイルが飛んで来れば、原爆を搭載していなくても満杯になっている使用済み核燃料プールが吹き飛ぶだけで、京都や大阪に住む住民が被曝する。近畿圏全域が「お友達作戦」の艦船上の兵士たちと同様の被爆をすることになる。これだけ人口が集まっている地域で原爆30発分もの放射性物質が放出されたら対象となる住民の数が大きすぎて避難先はない。先の福島第一原発事故によれば、ヒロシマ型原爆の30倍の放射性物質がまき散らされたという、それと同様の被害が起きる。泊原発がミサイル攻撃されたら、札幌には人が住めなくなる。使用済み核燃料プールと原子炉が破壊され、膨大な放射生物質が日高山脈を越えて飛散する。
  北朝鮮が小型水爆実験をした日から、日米安全保障条約は日米危険保障条約へと変わった。日米安全保障条約を廃棄してどのような選択肢があるかというと、成立したばかりの国連核兵器廃絶条約に加盟するか、独自の核兵器をもつことである。

  昨日の、BS日本テレビだったかな、「お友達作戦」に従事した米軍兵士たち402人が起こした裁判がいよいよ法廷で争われようとしている。被爆した若い兵士たちは作業中に一斉に下痢症状を起こした。停泊して作業中だった艦船のトイレは駆け込む兵士で終日込み合っていたという。中には我慢しきれず漏らした者まででた。その後、5年たったが、白血病を発症、血中の白血球濃度が33万にもなったと、そのうちの一人が語っていた。生殖能力を亡くした兵士が何人もいる。女性兵士で子宮に腫瘍が見つかり摘出せざるをえなかった者もいた。彼ら・彼女たちは自分の遺伝子が傷害されたと思っている。傷害されるのは卵子だけでない、精子も放射能で傷害される。卵子の傷害のほうが影響はずっと大きいことは事実だ。被爆した女性兵士の卵子すべてが体内に取り込んでしまった放射能の影響下にある。お友達作戦期間中に飲んだ水、食べたもの、吸った空気が汚染されたいた。放射能は臭わないし色もついていないから、嗅覚や視覚で感知できない。
 生殖能力を残している兵士たちも子どもを作ることに大きなリスクを感じている。遺伝子が傷害されたいたら、それが子どもへ伝わり、なんらかの先天性障害を引き起こすのではないかと不安になっている。彼らは、自分たちの訴訟が、福島第一原発で被爆した人たちが声を上げるきっかけになることを望んでいる。自分たちの訴訟が勝利が福島第一原発事故で被爆した日本人の被害者たちへの支援となることを確信している。お友達作戦に参加した米軍兵士と福島第一原発周辺住民十数万人は「同じ船」に乗っている。
 訴訟は米国で行われそうだ。米軍兵士は米国政府を訴えることができない。そういう法律が米国にある。だから、東京電力と日本政府を訴えることになる。日本ではこうした報道がほとんどなされていない。

  首都東京や近畿圏の住民はこれらの被爆リスクを議論していない。核兵器を開発・配備を急ぐとか、核兵器廃絶条約に加盟するとか、現実的な選択肢の議論すら言霊の国日本ではできない。

  選挙の重要争点の一つは、まさしく北朝鮮と米国の開戦リスクにあるべきで、戦端が開かれた時の被害の現実をちゃんと議論し、日米安安全保障条約が大きな脅威になってしまったことを国民へ知らしめるべきだ。

  わたしが考える選択肢は2段階である第1段階は日米安全保障条約を解消して、日本独自に多核弾道ミサイルを開発・配備すること。日本にはそれらに必要なコンピュータも遠心分離機も47tの再生処理済みプルトニウム(原爆5000発分とも言われている)、ロケット技術も民間会社やいくつかの研究機関にすでにあるから3年で実践配備できる。
  そのうえで第2段階は、2017年7月7日に国連で122か国によって成立した「核兵器禁止条約」核保有国として最初に加盟したらいい。条約は長ったらしい名前をもっている、「核兵器の開発や実験、製造、移譲、使用及び威嚇としての使用、ならびにその廃絶に関する条約」という。

  言霊の国日本で、こういう議論ができるだろうか?歴史と伝統の足枷(あしかせ)はそうは甘くない、孫子(まごこ)のために不可欠の議論だが、悲観的足らざるをえない。


<ヤマトの表記について>
 魏志倭人伝には卑弥呼の後に(とよ)が女王となった事が記されている。邪馬台国の台の字は、この「臺」であるから。「ヤマタイ」ではなくて正しく「ヤマト」と読むべきだ。中国の歴史家は正しく音で表記したのである。
  ウィキペディアによれば、「魏志倭人伝中では「壹與」であるが、後代の書である『梁書』『北史』では「臺與」と記述されている」。
 いずれにしても「と」と読む。
*https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B0%E4%B8%8E
 
<言霊について>
 井沢元彦逆説の日本史シリーズの3巻が『逆説の日本史3 古代言霊編 平安遷都と万葉集の謎』になっています。言霊に興味がある方は、こちらをご覧ください。このほかに、井沢氏の著作には『言霊』『言霊Ⅱ』祥伝社があります。



*#3475 ロシアに対抗して根室にダミーのミサイルを設置しよう Dec. 5, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-04-1

 #3304 補助金もらって寝て待つ2島返還論:楽するとろくなことがない  May 28, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-28

 #3544 北朝鮮のミサイルが高浜原発を狙ったら対策はあるの? May 22, 2017 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-05-22-1


*#195「少し過激な北方領土返還論」MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07

 #465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-30

  #1401「ロシアがフランスから新型軍艦を購入し北方領土へ配備、対抗措置はあるか」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-1

 #1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06

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<トランプに追随する安倍政権によって生じた重大危機> 10月20日追記
 弊ブログと似たようなことを書いている解説記事を見つけました、併せてお読みください。

*日本人だけが見ないフリ!? 政権中枢にはびこる「アブない国家観」2017年10月20日
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53260?page=3



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