SSブログ

#2988 和を積になおす公式(三角関数)  Mar. 1, 2015 [55. さまざまな視点から教育を考える]

 生徒が「青チャート」の三角関数の問題をやっていて質問が出た。三角関数の「和を積になおす公式」を利用する問題である。公式を使い始めたら、生徒が学校では習っていないというので、数Ⅱの教科書をみたら載っていないから学習指導要領には記載がないのだろう。発展問題としてやれということか。
 学校で習っていないというから、このレベルの難易度の問題を根室高校では授業でやらないのだろう。授業でやらなくても、受験では必要だから、進学講習の理系の「数学応用」ではやっている?文系の生徒はやらない、そういうことかもしれない。

 この公式は、「赤チャート」では「ステップアップコーナ」188ページに「積→和の公式」と「和→積の公式」がセットで解説されている。
 『高校 数学公式活用ハンドブック』(聖文新社、平成20年)には「21. 積を和・差で表す公式」251ページと「和・差を積で表す公式」252ページに解説されている。
 松坂和夫著『数学読本2 簡単な関数 平面図形と式 指数関数・対数関数 三角関数』(岩波書店、)では378~379ページで解説されています。
 佐藤恒雄著『史上最強の実践数学公式123』(講談社、ブルーバックス)には記載がありません。

 古いものを二つ調べてみた。1983年『理解しやすい基礎解析三訂版』(編著者:藤田宏、文英堂)には49ページに載っている。
 1974年発行の『数Ⅱ演習』(板垣・土井著 育文社)にも載っていた。

 最後に挙げた問題集『数Ⅱ演習』は『チャート式数学Ⅱ』(通称「赤チャート」)よりも問題の難易度が高く、解説もスマートだ。

 古い問題集と、いま生徒たちが使っている問題集を見比べたら難易度が下がってしまった印象を受ける。現在だって難問題集はいろいろなものが出ているから、それほど難易度が低下しているわけではないのかもしれない、いや、そうであってほしい。

---------------------------------------------------
<和・差を積で表す公式>
(1) sin A + sin B = 2sin{(A+B)/2} cos{(A-B)/2}
(2)  sin A -  sin B = 2cos{(A+B)/2} sin{(A-B)/2}
(3)  cos A + cos B = 2cos{(A+B)/2} cos{(A-B)/2}
(4)  cos A - cos B = -2sin{(A+B)/2} sin{(A-B)/2}
---------------------------------------------------

<余談>
 24時ころから雨が降り始めた、屋根を叩く雨音がしている、根室は暖かい。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村


nice!(1)  コメント(5)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 5

ペトロナス

数Ⅲの教科書に「三角関数の微分」の公式をを微分の定義にしたがって導く説明の部分で「三角関数の和から積」、「三角関数の積から和」の公式を説明しているので、数Ⅲの教科書には必ず記載されています。

教科書会社の1番難易度が高い教科書と教科書準拠問題集には数Ⅱの教科書の「発展」の項目に記載され、練習問題も掲載されています。


by ペトロナス (2015-03-01 23:36) 

ebisu

ペトロナスさん

いつも情報ありがとうございます。
わたしの手元にある『新編数Ⅲ』(数研出版、平成24年版)で確認してみました。

「第2節 いろいろな関数の導関数」に「A 三角関数の導関数」がありますが、そこでは「積から和」も「和から積」の公式も記載がありません。(140~141ページ)
同じ出版社から何種類も教科書が出ていますから、たまたまこの教科書に載っていないのかもしれませんね。

「三角関数の積を和や差の形にする」公式は、198ページ「B 三角関数に関する不定積分」のところで、「加法定理を用いて右辺を計算すれば左辺を導くことができる」と三つだけ載っていました。

数Ⅱの一番難易度の高い教科書の「発展」の項目にはこれらの三角関数の公式が載っているのですか。
残念ながらわがふるさとの高校では採用されていませんから、「赤チャート」あるいは『数学公式ハンドブック』で勉強してもらうことになります。
by ebisu (2015-03-02 00:55) 

ペトロナス

調査していただきまして有難うございます。
チャート式だと「白チャートⅡB」には211ページの「ここで解説」というコーナーに三角関数の和積公式が詳しく説明され、例題や章末の「EXERCISES」で演習できるようになってます。




by ペトロナス (2015-03-10 00:20) 

ebisu

ペトロナスさん、おはようございます。

>チャート式だと「白チャートⅡB」には211ページの「ここで解説」というコーナーに三角関数の和積公式が詳しく説明され、例題や章末の「EXERCISES」で演習できるようになってます。

白チャートは教室においてあるのに、見ていません、反省。
白チャートで三角関数の和積公式が解説してあるというのは、参考書としてはオーソドックスなあり方ですね、あとで確認してみます。
いつも協力ありがとうございます。
by ebisu (2015-03-10 08:45) 

ebisu

手持ちの『白チャート』で確認しました。211ページではなく18xページにありました。数が違うのは版の違いかもしれませんね。三角関数章のの終わりのほうに出ています。

公式の導き方も「和と差の公式」を二つセットで足したり引いたりして簡単にやれると書いてあります。
簡単ですから暗記する必要はありませんね。

受験生に確認したら、学校の授業でやった記憶はないとのことでした。5分で解説できるから、授業でやったらいい。

お調べいただき、ありがとうございます。
by ebisu (2015-03-10 23:56) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0