#2205 東京都立入試過去問をやらせる:抽象度の高い作文問題あり Feb. 11, 2013 [62. 授業風景]
年が明けてから毎日来て勉強している三年生が二人いるが、学力テスト総合A・B・Cの平均点に比べて、最後の学テで五科目合計点が40~50点上がっている。夢中になって勉強し始めると成績はぐんぐん上がる。塾長は生徒の急激な成長を信じてやればいい。
最近一週間ほど一人が不得意の理科を克服するために、東京都立の過去問を6年分解いていた。そして分からなかった箇所の復習をしているから、理科だけでさらに20点点数が上がるだろう。昨年のチャンピオンデータは学テ総合A・B・Cに比べて70点アップ、240点台だった。
個別指導だから1クラスは8~10人まで。
国語の得意な生徒が、
「先生、都立の国語の過去問やりたい」
「やってみるか、むずかしいぞ、一度都立の過去問が道立高校入試に出題されたことがある。設問はやさしく改作されていた」
この生徒は都立も国語過去問を8年分をやった。都立入試の国語は200語でまとめる作文問題が出題されるのだが、ある年度だけ文意が読み取れずに、頓珍漢な作文をしていた。作文問題は私が点数をつけることにしている。
「文意がつかめていないようだね」
「今度だけはなに言ってるか分からなかった」
「なるほど、そういうことか、抽象度の高いテクストを読むのが苦手のようだから、読む本のレベルを上げないとこういう問題には対処できないね」
「先生、どんな本を読めばいい?」
横の本棚にあったもののなかから、デカルト『方法序説』と数学者岡潔の著作をだして見せたら、読み始めた。中3に薦めたのはこれで三人目だ。北海道教育大札幌校に進学した生徒と高校を卒業して家業の漁師を継いだ生徒である。
ほかに初学者向けの哲学書『ソフィーの世界』や市倉宏祐先生の『現代フランス思想への誘い』と『ハイデッカーとサルトルと詩人たち』、和辻哲郎『古寺巡礼』『風土』などが教室においてある。
この生徒は『ソフィーの世界』は読んでいるはず。『古寺巡礼』は読みやすい本だから中3にも読めるだろう、しかし、『風土』や市倉先生の著作はまだ無理だ。硬い学術書が読めるようになればうれしい。『風土』が読めるレベルの読書力がつけば、ほとんどの教養書は読みこなせるだろう。
抽象度の高い本は読み慣れないと読みこなせない。意識して抽象度の高い分野へと足を踏み入れる時期がある。私の場合は案外早く来た。それが訪れたのは高校2年生だった。哲学書や経済学書を独力で読み漁り始めた時期である。
生徒が同じように抽象度の高い分野へ足を踏み入れるお手伝いをするのは塾先生としては喜びである。
ニムオロ塾では、三色ボールペンで線を引きながら週に1回音読トレーニングを実施している。中1に斉藤孝『読書力』、中2に藤原正彦『国家の品格』、中3に林望現代語訳・世阿弥著『風姿花伝』である。
それでも、東京都立の問題には歯が立たないものが混じっている。
東京都立の入試問題の難易度は標準的だと思うが、道立高校に比べると難易度が高いとは言える。都内の有名私立高校の問題は都立の問題よりもずっと難易度の高いものが多い。
道立高校入試で50点(60点満点)取れる生徒が、都立の入試問題だと70点(百点満点)くらいしかとれない。だから、負荷を大きくした「筋力トレーニング問題」として入試直前には使い勝手がいい。8年分もみっちりやれば、自分の弱い箇所はチェックできるし、そこだけ繰り返しやることで弱点の克服が短期間でできる。
毎日のように来て勉強している生徒は入試のときには五科目合計点で、学テ総合A・B・Cの平均点に比べて+70点を今年もクリアするだろう。
せっかくオープンしてあげても、来ない生徒もいる。もったいないな、実力をしっかり築くことができるのだが・・・
3時半から7時までの時間帯で席が空いている限り中3は来て勉強していいことにしている。とにかく、来て勉強する生徒はトコトン面倒見るつもりだ。真剣になったときは集中力が上がり予測を超えた力のアップをみることになる。
塾先生は楽しい。
(念のために書いておく。入試の得点をあげるために抽象度の高い本を読む必要はない。たまたまある年度だけ抽象的なテクストが本文に使われていただけで、例外である。しかし、3年たったら抽象度の高い本を読んでいる生徒は力がぐんとついているだろうな。そして社会人となって3年もしたら、他の人とはずいぶん差がついているだろう。30代を迎えることには圧倒的な差になっている。経験的にそう言いうる。確かなインプットを十年以上継続した社会人の文章は、読むものが見ればはっきりわかる。良質のインプットを大量にしないと、良質のアウトプットはむずかしい。そんなことができるのは特別に文才に恵まれたもののみである。私たち凡人はひたすら良質のインプットを行い、己の技倆を磨くのみ。)
学ぶことと教えること
学ぶこと
本を読んでいる人は地力が違います
都内でも合格するために勉強してきた方と日頃から読書をしている方の差は合格後にでます。少ない地域ですが今まで様々な地域社会を見てきて、学力の低い地域の特徴として本屋がありません。現代はインターネットで購入できるからと言っていますが、実際に本を手に取って読み、購入することは大事だといえます。
学ぶことはいつでもできます。
親から学び、社会から学び、友人から学び、教師から学び、子供たちから学びます。(書いた順番は考えてください。教えることの責任感から変わってくるでしょう。)
このように年を重ねる毎に教えていただく方は増えていきます。学ぶということを忘れなければいつでも学べます。
教えること
学ぶことで書いたように社会として教えること、親として教えること、友人として教えることがあります。
学ぶことができた人は教えることもできます。しかし学ぶことが出来なかった人は教えるこも出来ないのでしょう。
学ぶことを大事にしている人は人に教えることも大事にしています。
人間は誰かに教えたい(人に自慢したい?)
しかし学ばなかった人が何を教えるのでしょう?
自分が学んできたことを教えるのです。
それがなんであれ。
AppleのSteve Jobsは「バカはバカを...」
自分で調べてください。
最後に
問題1 洗濯せよ。
1 体罰指定校 教育理念 体罰で生徒の教育を行う
2 体罰禁止校 教育理念 体罰は行わない
上記の学校のどちらに入学しますか?
by 男塾 (2013-02-11 17:03)
問題文が不正
問題1 洗濯せよ。→選択せよ。
1 体罰指定校 教育理念 体罰で生徒の教育を行う
2 体罰禁止校 教育理念 体罰は行わない
上記の学校のどちらに入学しますか?
上記の不正あるため試験中止
by 男塾 (2013-02-11 17:05)