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#2145 めんこい生徒たち Dec. 1, 2012 [62. 授業風景]

 今朝はマイナス1度、すっかり冬だ。いつのまにか、庭のもみじもはまなすも桜も葉っぱが落ちて寒々としている。

 市街化地域の3中学校の期末テストが終わった。B校が一番早く、金曜日に三年生全科目が返却された。
 生徒から電話が入った。
「先生、数学ヤバイ」
「え、点数取れなかったのか?」
「いや、よかった、82点だよ」
「ほう、そりゃたいしたもんだ、やればできると言ったが、予定よりもいいな、それで英語は?」
声が小さくなり、
「こっちはほんとうにやばかった・・点」
「ばかもの、看護師になるには国語と数学と英語だ、そんな点数で看護学校は入れるわけがない」
「わかってる」
「じゃあ、そろそろ言うとおりやるか」
「はい、やります、勉強します」

 ニムオロ塾ではテスト前は好きな科目をやらせている。私は生徒達の質問を捌くだけだ。わがままな生徒はきらいな科目はやらない。この生徒は社会と理科が大好きだ。しかし、社会にも理科にも得意分野と不得意分野があり、典型的な「偏食タイプ」だ。きらいな地理は昨年3年生の土曜日5ヶ月特訓に参加を許可したら、喜んで来ていた。
 わがままな生徒は偏食のまま放置することがある。こういう生徒は自覚が生まれるまで強制的にやらせてもイヤイヤやるだけだから、ヘンな癖がつくだけで、無理をさせても大して伸びない。高校卒業までの6年間で考えると、自覚をまってやるのが一番効果が大きい。
 この生徒は社会と理科が90点前後だから、ほうっておいても心配いらぬ。数学と英語が60点付近だと五科目合計点はまぐれで400点を越すことはあっても、それはまぐれで本人も自覚している。待っていると、他の生徒との競争心が働き、400点を常時超えたくなるときが来る。そういうときがチャンスだ。間髪いれず押す。430点くらいに簡単に行ってしまう。
 塾先生は生徒がどういう性格で、心がどういう状態にあるのかを読んで、ちょいと後押しするだけ。自分でやる気になるのが一番、そのあとは簡単、受け入れ態勢ができているから素直なものだ。高校生や時に大学生レベルの内容を説明してもきちんと理解してついてくるから、英語も数学もほどなく90点前後とれるようになる。

 これも昨日の話しだ、1年生の授業で、生徒から、
「先生、書き換え問題黒板に書いてくれますか?」
「よし、やるか」
教科書「プログラム8」の文章をピックアップして、解説しながら変換を指示する。そして類似文例の日本語を書いて英訳させる。英語の語順を覚えてもらうのが狙いだ。不思議と学校の授業では語順を説明しない。語学学校で使う英語問題集は"word order"の章がたいていある。繰り返し説明して覚えさせる。
「先生、そういう問題でなく並び替えの問題だして」
「並び替えなら、毎日教科書を音読するだけでできるようになる、指示通り一日9回読んでいるか?」
「・・・」
「やっぱりな、読まないとできるようにならないぞ、しかし、黒板に書いている問題をやれば英語の語順がわかり、日本語の語順と対比がつくから、主語が何か、動詞が何か目的語や補語が何かを探すだけでいい。そして場所を表す句や時間を表す句をどんどん覚えていけば、並び替えなんて誰にでも百点とれるようになるんだ、まかせとけ」
問題書いたり、解説しながら叱責が飛ぶ。
「こら、○○、先生が説明しているときに後ろ向いて私語するな」
「△△、姿勢が悪い、背中伸ばして勉強しろ」

「学校で勉強のできる生徒を後ろから見てみろ、背中が伸びていて姿勢がぐらつかないから。反対にできない生徒は姿勢が悪くしょっちゅうぐらつくから集中力が育たない、いい姿勢というのは成績を左右するからとっても大事なんだぞ、そういうところをおろそかにするな」
授業しながら、檄を飛ばす。

 学校から帰ってきたら3回、食事の後で3回、寝る前に3回、習っている単元や前のところを音読するように指示しているが、実際にやれるのはメッタにいない。ブカツが忙しくてやる暇がないのだそうだ。6時過ぎにブカツが終わって家に帰ると食事、そのあとはしばらくまったりしてテレビやゲーム。疲れがでてきて気力なし。勉強せずに12時前後に寝るというのが普通のパターン。
 これでは勉強する時間がない。ブカツを5時半までにすれば、家に帰って食事まで1時間勉強しろといえる。ブカツの疲労も少ないから集中力も持続できる。食事前に勉強した生徒の多くは、その後も1時間は勉強ができる。こうして勉強時間を組み込んだ生活習慣が身につく。
 B校の生徒二人にやっているうちに、C校の生徒が、
「先生、そこ私たちやっていない、この次ぎやるから予習になる。わたしも一緒にやっていい?」
「もちろんいいよ、予習、いいね」
 気がつくと全員一緒にやっていた。どんどん変換の難易度を上げて行く。作問しながら生徒に答えを聞いて黒板に書く。どこが間違っているかを説明する。間違える箇所について文法的な説明を押し広げていく。暗記すべき事項をホワイトボードに並べる。
「これは暗記だ!無理やり覚えろ、記憶力のいい者は5回、普通の者は10回早口で言ってみろ」
・・・
「え、先生、もうこんな時間、今日時間すぎるの速い!」
「問題集は家でやって来いよ、分からないところは印をつけてもって来い、説明するから」
「はーい」
生徒の要求に応じて、臨機応変にやるのも楽しい。ようするに、形はどうあれきちんと教えればいいのだ。塾にはいろんなタイプの生徒が集まってくる。 

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