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#2061 お粗末な仕事:根室市議定数2減 Aug. 21, 2012 [A.6 仕事]

 センター(大都市部)の繁栄とペリフェリ(辺縁部)の人材枯渇と町の衰退、そしてその次に起きることはセンターと国力の衰退である。地方の衰退は序曲に過ぎぬ、本編はこれからはじまる。
 地方自治とこの国のこれからの困難を知るために、このブログはいい材料を提供しているのだろう。高校生や大学生はこころしてわがブログを熟読してほしい。君たちの将来に係わる重大問題が潜んでいる。問題を先送りしたり放置するのを黙認してはいけない。往々にして、利息がついて問題が破壊的に大きくなるからだ。

 こんなものかな?
  根室は昭和和30年代半ば頃から札幌圏や東京圏などの大都市に学力トップクラスの人材を供給し続けてきた。根室に残った人材の中ではこの委員長さんはかなり優良なほうだという評判だった。それでも"こんなものかな?"という感想をつぶやかざるをえない。人材枯渇した町は自己改革ができない、できなければ衰退がとめられぬ。行き着くところまで行くということか。
 根室の人材層がどうなっているのかを特別委の議論の中身をと結論を追うことで知ることができる。病院建設特別委でも整備市民委でもそうだった。どこを切っても同じ顔、まるで金太郎飴のような人材構造の町。

 評判どおりしっかりした仕事をする人かと委員長殿には少し期待し、議会改革調査等特別委員会の議論を観察していたのだが、どうやらこの程度の仕事でも荷が重すぎたようだ。
 市民4団体から市議定数削減が要求されたのはもう3年も前だ。そのときは市議選が近いからと、次期の市議の手に委ねると逃げた。ところが市議選は泡沫候補と噂された1名が定員オーバーとなっただけで実質的には無投票のような状況で、3名の新人市議を除き、同じ市議たちが再選された。そして、3年間もたってから、2名減だという。
 こんな市議会必要あるのだろうか?市側の予算案には全部賛成している。病院建て替えも予算案に否決票を投じた議員は一人もいなかった。市政チェック機能はないに等しいのでは市議会に存在理由があるだろうか?

 民間病院の約2倍の単価での市立根室病院建て替え、毎年記録を更新しついに年間13億円を超えてしまった病院赤字、療養病床ゼロという地域医療の危機、民間取引への過剰介入とも言えるベトナムサンマ輸出、効果があったのかないのかわからぬ英国での8度にわたる野鳥観光宣伝。そして年中行事に堕し無気力で効果のない北方領土返還運動。市議会はないも同然だわ。

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市議会特別委
 定数2減 正式決定
   来秋の改選から適用へ

【根室】現行の20議員定数を2減する方向で最終調整していた市議会議会改革調査等特別委(佐藤敏三委員長)が20日開かれ、定数18とする結論を賛成多数で正式決定した。9月議会で条例改正し、2013年9月の改選からの適用を目指す。(栗田直樹)
 征服委員長が定数2減案を提出し、委員長を除く委員9人で起立採決。市政クラブ2人、創志クラブ3人、新風1人の計6人が賛成に回って過半数に達し、共産党2人無所属1人が反対した。定数削減は24人から4人減らした05年以来。
 定数削減をめぐっては当初、6月末までに決着させる予定だったが、結論を先送りする議会の姿勢に市民の批判が根強かった。現状維持を求めていた市政クと、削減幅で会派内の意見が割れていた創志クが、新風が主張していた定数2減案へ同調し、3年近くかかった協議にようやく終止符を打った。
 ただ、採決前の態度表明で共産の神忠志氏が「市民の声なき声を受け止めるため、削減よりはむしろ維持すべきだ」と現状維持を主張。無所属の壺田重夫氏は「20人は多すぎるという市民の声をよく聞く。住民意志を反映し定数6減を求めたい」とさらなる削減を最後まで訴えた。
 この問題は09年、定数削減を求める市民役4千人の署名要望が発端だった。今回の決着について、佐藤委員長は「議会広報の充実、議決権拡大など議会のあり方全般の議論を充分重ねた上での結論。時間はかかったが、理解してほしい」と話した。

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 前回改選前からの検討事項であった定数現に3年間もかけてこんな結論しか出せないのはふがいない。議論のスピードも遅いし、内容もお粗末だ。そもそも議員諸氏に市側の提案のナカミをきちんと調べて議論するだけの資質があるのだろうか?それができないような市議は要らぬというのが市民の声だ。
 副業市議が多くまともに議論する時間の余裕すらなかったのかも知れぬ。

 釧路の教育を考える会ではフェイスブック上に会員専用の掲示板を立ち上げて議論や提案をまとめていった。いまもFM釧路の学力問題に関するレギュラー番組にスタッフも含めて協力体制をとっている。番組案や放送内容は順次専用掲示板上で会員にオープンになっている。だから、距離の離れた根室の会員であるebisuも議論に参加できるのである。これだけツールが発達した世の中なのだから、副業市議であっても、意欲と能力があればいくらでも深い議論とスピーディな仕事が可能だ。ところが根室の市議たちにそれができないし、ブログを書いて意見を述べているのも一人だけ、なぜ?

 副業市議と60歳以上の市議は半ばボランティアで報酬は月10万円、専業市議は月35万円で定数4増ぐらいの議論はできないのか?

 ブログで意見を公表する市議はH市議のほかにはいないのか?意見や提案がないなら議員はやらぬがいい。
 市政チェックも市議会の役割だから、予算書や決算書ぐらいはきちんと読めるように勉強したほうがいい。どんなにデタラメな予算案でも決算でも全部了承してきたではないか、監視機能すら果たせぬようでは市議会の存在意義はないに等しい。

 数週間前に回ってきた初めての「議会広報」を見て驚いた。市議の皆さんこんなに一生懸命に市議の仕事をしてくれているのかと感謝の念が起きた市民がどれほどいるのだろう。何に驚いたかというとebisuは内容のお粗末さにあらためて驚いたのである。「議会広報」にはありのままの市議会の様子が現れていた。これでは市議会の傍聴者がほとんどいないのもうなずける。

 2010年5月20日に市議会改革調査等特別委が招聘した森氏の講演会を再録する。要点はたった二つだが、特別委のメンバーは森氏から何も学ばなかったように見える。学ぼうという謙虚な心がないのか、よほど頭が悪いのか、信じられぬテイタラク。
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「夕方・休日開会も一手」
   市議会改革委活動第1弾
  
   森氏が講演で指摘
【根室】市議会改革調査特別委員会は20日、活動の第1弾として、NPO法人自治体政策研究所(札幌)の森啓理事長の講演会を市総合文化会館で開いた。テーマは「地域主権と議会の役割について」で、市議や市職員、市民ら合わせて約60人が耳を傾けた。(幸坂浩)

 森理事長は議会の役割を「首長と政策的に向かい合うこと」と説明。市民の関心が高い定数削減については「減らせば、議案が通りやすくなって首長が喜ぶだけ。本来は増やすべきだ」と述べた。
 ただ、自分の信念を貫かず、いたずらに会派に同調する議員が多いことを批判し「そんなことをしているから、議員を減らせという声が出てくる」と話した
 議員のなり手が高齢男性に偏っており「地域を代表していない」とも指摘。現役世代を含め、さまざまな人が議員になれるように、「仕事が終わった夕方や休日に議会を開くのが一つの手だ」と指摘した。
 また、特別委が制定を目指している議会基本条例については、議会だけでつくらずに「議会と首長部局が一体となって、自治基本条例を作ったほうがいい」と強調した。

 市民
「とにかく改革を」
【根室】20日に開かれた議会改革の講演会で、自治体政策研究所の森啓理事長の話しを聞いた市民は「とにかく改革を進めてほしい」と話した。
 無職男性(63)は「議会を休日にやればいいことはみんなわかっているのに、やらない。昨年8月の市議選が終わってから何も進んでいない」と批判。森理事長が、委員会に市民を呼んで議論した上で採決を議員が行う仕組みなどと紹介したため、男性は「市民も意見が言える仕組みが必要だ」と指摘した。
 自営業の男性(30)は「議会改革の論点をあらためて確認できた」と話した。
 一方、約60人の出席者のうち一般市民は5人程度。残りは市議と市職員、それに市議会から案内を受けた経済団体関係者で、会場からは「平日の午後だからでは」と、、日程設定を疑問視する声も出ていた。(幸坂浩)



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 ひどいものだ、自ら招聘しておきながら要点を二つとも無視する傲慢さ。市が病院建て替えで長氏というコンサルを招聘して30億円での病院建て替えを提言されて無視したのとよく似た構図にあきれる。市側も市議会も両方揃ってこれでは町の将来に希望がもてなくなるのは無理もない。
 根室の人口減少加速は、自己改革意欲と能力のなさ、そしてこうした構造・旧弊そのものが引き起こしているのではないか?

 4年前に比べて根室市の人口は1,800人ほど減少している。次の4年間でさらに1,800人減少するだろう。すでに2.9万人を割っており、根室市の人口減少は加速している。
 市議定数は4人は減らすべきではないのか?
 2減は誤りで、訂正すべきだ。きちんと市政チェックができるようなレベルに達したら、理由を明示して定数増案をだしたらいい。
  根室の未来を決めているのだという自覚をもって、正直に誠実に仕事をしてもらいたい。 


*#1136 歓迎すべき市議たちの変化  July 29, 2010 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-07-29

 #1080 教育問題に関する質問(佐藤敏三議員):市議会第二回定例会 Jun. 21, 2010
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-06-21

 #1065 市議会第2回定例会を傍聴しよう Jun. 10, 2010 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-06-10

 #1040 「地域主権と議会の役割」講演会(2):市民の声May 24, 2010 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-24

 #1036 「地域主権と議会の役割」講演会 May 22, 2010 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-22

 #632「ア然!市議アンケート18人が回答せず(北海道新聞)」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-06-30-1
 


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ZAPPER

釧路市は定数28名です。
調べてみたら中標津は定数18名なんですね。
何だか、根室市はそれを基準(ライバル視?)にしているようにも思えてしまいますね。^^

ちなみに我が釧路市では、議会の模様をリアルタイムの動画配信で見ることが可能ですし、市議のみなさんによる出張形式での議会説明会も行われています。ブログやサイト等で、活動内容を逐一報告なさっている方も多くいらっしゃいます。

やはり議員のみなさんには「専業」であっていただきたいものですよね!
by ZAPPER (2012-08-22 11:40) 

ebisu

根室市議が10人束(タバ)になっても、釧路市議の月田さん(釧路の教育を考える会副会長)一人分の仕事もできないというのが現実です。

実質的には無投票当選ですから、市民の意見に背を向けたままでも市議の席は安泰です。半分にしたら市民の意見に背を向けるようなことはできなくなるでしょう。
根室市議会は、選挙で健全な競争がないとここまで腐るという実例です。

ガオー!(笑い)
by ebisu (2012-08-22 11:48) 

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