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#2005 (太陽光:原子力)電力固定買取制時代到来:Feed-in tariff era gets under way July 9, 2012 [74.高校・大学生のためのJT記事]

 今日も雨が降った。夜6時頃に激しく降り、あとはまた濃霧へもどった。朝夕は毎日のように霧が出ている、10日以上も晴天がないから、根室も"梅雨"なのかも知れない。

  さて、本題である。太陽光発電に関する面白い記事を見つけた。核融合発電に関するケッサクな記事もあったのだが、今夜は7月2日付けジャパンタイムズ紙第一面の記事を紹介したい。
 原発は太陽光発電で何年かかってどれくらいの量が代替できるのだろうか?鈍い私には記事を見ただけではさっぱり事情が見えてこない。しかたがないから、HP35sを使って・・・単位をそろえるハメになってしまった、お付き合いいただきたい。

 再生可能エネルギーの固定買取制(Feed-in tariff)がはじまった。たとえば太陽光発電の場合の買い取り価格は42円/1キロワット時である。

 再生可能エネルギーには太陽光、風力、水力、地熱、その他エコ・フレンドリーなソースによる発電すべてを含む、買取期間は20年、コストは消費者に転嫁される。
  The system requires utilities to purchase all electricity generated through solar, wind, water and geothermal power, among other eco-friendly sources, at fixed rates for up to 20 years. The costs will be passed onto consumers.
 
 京セラが鹿児島県に7000万キロワットの太陽光発電を計画している。三井化学や他の企業も太陽光と風力発電事業への参入を計画している。
 Meanwhile, Kyocera Corp. plans to construct a 70-megawatt solar facility in Kagoshima Prefecture and is scheduled to establish a special company to oversee the project later this month.

 政府はすでに44箇所の太陽光及び風力発電を認可済みで、その総発電量は4160万キロワットに達する。
  The government had approved 44 solar or wind power facilities with a combined output of 41,605 kw to join the system as of Thursday, according to an official at the Agency for Natural Resources and Energy, part of the industry ministry.

 再生可能エネルギー固定買取価格制度導入によって、月額7000円電気代を支払っている家庭で87円の値上げになる。


【原子力発電と太陽光発電の発電量比較】
 ジャパンタイムズ紙の記事はここまでだ。認可済みのものと計画されている再生可能エネルギーの発電量を福島第一原発の稼働率を参考にして、比較してみたい。

 福島第一原発の平成22年度の発電量を検索してみたら、一番多い月で3200(100万kWh)、地震が起きる直前の2月までの11ヶ月合計値23,550(100万kWh)である。
*資料:http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/data_lib/pdfdata/bk1001-j.pdf

年間値に換算すると、
 23,550*12/11=25,690(100万kWh)

これが1号機から6号機までの合計発電量だから、年間平均値は
 25,690(100万kWh)/6=4,281(100万kWh)
 これは年間値だから、原子炉1基当たり4,281(100万kWh/year)。
福井県にある唯一の高速増殖炉"もんじゅ"のように発電したことのない原子炉もあるが、無視して1ヵ月当たり平均発電量4,281(100万kWh)に54基を掛け算すると231,218(100万kWh/year)である。年間231.2tWh(テラワット時/year)。
 政府がすでに認可した44箇所だけで4160万kWだから何分の一だ、・・・え~と、よく見たら、単位が揃っていない。

【単位をそろえる】
 私は最初うっかり単位を間違えて比較してしまった。当然おかしな結論になるから、そういうときの違和感は大事にしておきたい。中高生諸君、テストのときにもこういう違和感が大事なんだ。どこかで感覚的にあるいは直感的に何かがヘンだというアラームが鳴り出す。かすかなときもあるし、はっきりそれとわかるときもある。アンテナで受信できるかどうかはセンス次第だ、微妙なセンスを大事にして磨く努力を意識的にしたらいい。

 ebisu先生、間違いに気がつき、ワット/h(時)に単位をそろえてみる。この記事とりあげなきゃよかったと思いつつ、行きがかり上いかしかたなしとあきらめる。(笑)
  ("*":乗算記号、 "/":除算記号  "^":この記号の右は10の累乗の指数部をあらわす)
  kWを「速度」にたとえると、それに時間を掛けたkWhは「距離」にあたる。だから、太陽光が年間何時間稼動するかという假定条件が必要となる。

 <福島第一発電所実績値をベースにした全原子力発電所発電量推計値>
 231,218百万kWh/year
=231,218*10^6*10^3・wh
=231.2*10^12・wh
=231.2tWh/year
    
 
 <44箇所の太陽光発電>
  41,605kWとなっているから、これは時間当たりの発電能力だろう。だとすると稼動時間数を掛け算しないとkWhにならぬ。
 実際に稼動してみなければどれくらいかわからないが、1日10時間*365日*0.6で年間発電量を計算してみる。
 41,605kW*10h/day*365days*0.6/year
=91,114,950kWh/year
=91.1*10^6kWh/year
=91.1*10^9Wh/year
=0.0911tWh/year

 <認可済み太陽光発電と原子力発電の年間発電量>
 tWh/year(テラワット・時/年)で単位が揃った。
 太陽光発電:原子力発電=0.0911:231.2=9:23120≒1:2500

 おおよそ、全国54基の原子力発電総量の1/2500である。計算に大きな間違いがなければという条件付だが、すでに認可済みの太陽光発電がすべて稼動してもこんな程度。

 1面の記事はセンセーショナルなものが多いので、念のために自分で計算して確認してみよう。過大な期待は禁物だ。
 単位の換算が嫌いな生徒は多い、ebisuも好きではない。太陽光発電稼働率に関する具体的なデータがあったらコメント欄で指摘していただきたい。興味のある人は、自分で電卓で計算し、ebisuの計算に間違いを見つけたらyはりコメント欄へ計算式と計算値を書き込んでほしい。ネット上での協同作業になる。

【ソーラ・パネル需要は急拡大】
 計算の結果から言えることは、今後大規模な太陽光発電設備市場が形成されるということ。原子力発電の発電量をカバーしうるだけ太陽光発電を普及させるためにはすでに計画認可済みの2500倍もの新規設置が必要だから、ソーラ・パネルの需要は急拡大する。
 製造メーカはコスト削減して効率のよいソーラパネルを開発し、市場に投入できれば利益は百倍にもできるし、株価もうなぎのぼりになるだろう。千載一遇のビジネスチャンスである。
 ソーラ・パネル製造業界にとって再生可能エネルギーの固定買取制度導入は朗報だ。

http://www.japantimes.co.jp/text/nn20120702a2.html
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Monday, July 2, 2012

Feed-in tariff era gets under way

   KyodoThe feed-in tariff system for renewable energies entered into force Sunday to help promote their use and cut Japan's dependency on nuclear power.

・・・


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*#2012 Feed-in tariff system について :ちょっと面白い解説 July 13, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-13
            
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