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#1990 Fukushima tests seafood demand in local trial sale  June 28, 2012 [74.高校・大学生のためのJT記事]

  #1986「なかなかいい作戦だ」でとりあげた話題であるが、該当部分を抜粋して続きを書こうと思う。
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-25
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【いい作戦:タコとツブはセシウム未検出】
 南相馬沖でタコとツブをとり、セシウムを測ったら未検出だったという。米国西海岸沖合いで獲れたマグロですら福島第一原発由来のセシウムが6.7Bq/kg検出されているから、どういうわけだろうと不思議だった。セシウムは魚の筋肉組織に溜まるから、生物種の違うタコやツブには蓄積されないのかもしれない。
 逆に言うと、魚をすり身にして測定すればかなりな濃度のセシウムが検出されて当然だから、それを避けてタコとツブに限定したのは賢明な作戦だ。

 北海道の海が放射能で汚染されてもタコやイカや貝類はセシウム汚染をまぬがれるということか。面白い知見だ。
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 根室に住んでいてもこうしてブログで英字新聞記事を紹介する根室人のブロガーがいる(自画自賛)、いい時代になった。ebisuは高校生に戻ってこのブログを読み、そして英字新聞記事をプリントアウトして辞書を引きながら格闘してみたい。自分が中高生なら、こんな塾がほしいということを頭に描き、50歳を過ぎてからふるさとに戻って始めた仕事だ。"根室の高校生たち、ebisuのブログで英字新聞紹介記事を読んで勉強しろ"。

 英字新聞記事は次のように内容を伝えている。
①話題になっているのはタコと糸巻貝
②獲れた場所は相馬沿岸沖合い50kmの水域で、水深150m
③販売価格は通常値段の40%割引
④目的は、これら3種類(タコ2種類(水ダコ、ヤナギダコ)と糸巻貝)の需要と販売価格を判断するため
⑤2011年4月から今月まで163種類の海洋生物種の放射能汚染を測定して、放射能汚染のないものと汚染が低いもの3種類を選んだ

 いい作戦どころではない、周到に163種類もの魚介類の放射能汚染を測定している。163種の魚介類で汚染濃度が低いかセシウムが未検出のいずれかだったのはたった3種類(タコ2種類と糸巻貝)である。あとは食べられないほど汚染されていたのだろう。こちらのデータも公表してほしいものだが、新聞には載っていない。ほとんどの魚介類について調査していながらそのデータを公表していないから悪質と言える。公表したのは3種類1.8%の生物種のみ、残り98.2%は隠蔽された。毎年測定して、どのような経年変化をたどるか漁獲再開のめどをつけるためにも公表すべきだ。
 仕事は正直に誠実にやるべきで、漁業組合は情報隠しをしてはいけない。
 
【水揚げ日本一、根室産サンマへの影響懸念】
  今年とれる2年物のサンマは福島県沖を3度回遊して根室沖にやってくるが多少の放射能汚染が懸念される。太平洋を大きく回遊しているマグロは米国沿岸でとれたものですら6.7ベクレル/kgの放射性セシウム汚染があった。
 日本一の水揚げを誇る根室漁協は正直に放射能汚染データを公表するだろう。30ベクレル/kg以下ならわたしは迷わず食べる。還暦を過ぎてこれから子供を作る予定はないし(笑)、なにより根室のサンマが大好きだから。10ベクレル/kg超えるようなら中高生には数年間は勧めたくない。回遊しない地元の魚がほかにあるからそれを食べて我慢しろ。チェルノブイリ原発事故のあったウクライナや隣国のベラルーシュは25年たったいまたいへんなことになっている。「チェルノブイリ 奇形」「チェルノブイリ 癌」をキーに検索すれば納得いただけるだろう。
 根室の水産業は生きるか死ぬかの危機的状況を迎えるかも知れぬが、土壌汚染に遭遇している福島県下の農業ほどひどいことにはならぬ。彼の地は二百年間農作物をつくっても食べられぬし、チェルノブイリをみると住んでいるだけで若い人に被害が出ることを想定せざるを得ない。
 サンマへの影響は数年にとどまるだろう。福島第一原発事故(3基の原子炉が次々とメルトダウン、休止中の4号炉の建屋も大爆発)はすでに起きてしまったことだから被害をできるだけ小さくするように心がけながら受け入れるしかない。回遊魚であるサンマの放射性セシウム汚染もその一環。これ以上の被害を将来出さないために、全国の原発は全面停止⇒廃炉。
 わたしは根室人の仕事に対するプライドと活力を信じたい。サンマ水揚げ日本一は都合のよいときだけの標語ではない、消費者に対して生産者としての責任がともなっている。

【29日午後10時半追記】
 福島県立水産試験場が検査データをネット上で公表している。EXCELファイルで公開しているのでダウンロードしてみたらいい。
 昨年4月からデータを追ってみていくと、濃度が下がってきているのがわかる。たとえば、マダラは6月24日のデータでは100ベクレル/kgである。法律上は放射性廃棄物として処理すべき値であり、食用にはならない、出荷したら法令違反となる。サンプルによってばらつきがけっこうありそうなので、興味のある人はいくつかの魚種についてデータをトレースして統計解析をしてみるのも一興だろう。EXCELでのデータ公開はありがたい。
http://www.pref.fukushima.jp/suisan/sinsai/excel.xls

【水道水の放射能汚染も精度の高い測定をしてデータ公表をすべき】
 河川や湖沼に棲む魚は海の魚に比べて高濃度のままだが、これはいまだに周囲から放射性セシウムが流れ込んできているからだろう。だとすると、水源も同じことだから、水道水が放射性物質で汚染されているという假説が成り立つ。そしてそれは防ぎようがない。
 ネットで検索したら、東京都では20ベクレル/kg以下を「不検出」と表示している。検出限界以下という説明を東京都水道局はしているようだが、神奈川県は小数第2位まで測定、公表している。
 ドイツでは乳幼児に影響があるとして、水道水は4ベクレル/kgが規制値となっている。内部被曝を憂慮する人は東京都の水道水は飲めない。細胞分裂が激しい乳児のミルクはリスクを低減するために水道水を使わないほうがよさそうだ。
 精度の高い測定をして、継続的にデータを公表しないと不安が広がる。
 仕事は正直に誠実にやろう。


 この記事に興味のある高校生は、ジャパンタイムズオンラインニュースから、抜粋。ダウンロードしてプリントアウトすればいい。
http://www.japantimes.co.jp/text/nn20120626a2.html
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Tuesday, June 26, 2012

Fukushima tests seafood demand in local trial sale

Kyodo

FUKUSHIMA — Octopus and whelks caught off Fukushima were showcased in a trial sale Monday at supermarkets and other stores in the city of Soma, making it the first local seafood put on the market since the Fukushima nuclear disaster erupted in March last year.

A local fisheries cooperative said no radioactive substances were detected in the seafood, which was caught during a fishing trial Friday in waters more than 150 meters deep and 50 km away from Soma's coast.



The Fukushima Prefectural Federation of Fisheries Cooperative Associations said the trial sale is aimed at gauging demand and prices for the three species, which were chosen for their low or no radiation contamination during the monitoring of 163 marine species between April 2011 and this month.

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*#1956 本マグロ放射能汚染、サンマは大丈夫か? June 1, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-01

 #1932 第20回根室さんま祭り:根室水揚げサンマ信頼性向上のためにやるべきこと May 12, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-05-12

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Hirosuke

おはようございます。

さらに高濃度の汚染水がAFPニュースの取材で大量に発見されましたから、「あと数年の我慢」では済みそうにありません。

「微量」の漏れも続いているはずです。

監視はしているものの、
無対策では無意味です。

そのうちに、
台風が来れば溢れ出し、
何かの弾みで決壊します。

消費税増税に命を懸けた方々、
その軽薄な勇気と命で、
今度は人柱となってください。

やたらに数が多いので、
少しは効果があるかもしれません。

しかし全くヤル気がないので、
やっぱり烏合の衆かもしれません。

ちきしょう、何か手はないのか。


by Hirosuke (2012-06-30 05:10) 

ebisu

こんにちわ、Hirosukeさん


1号炉の建屋内部に溜まった汚染水面上20センチのところで10Svが測定されました。50分で人が被曝で死ぬ放射線量だそうです。

ところがこれにはオチがついていて、線量計が数十万Sv、しまいには百万Svを表示して振り切れてしまったと東電側が発表しています。
測定機器の故障ではなくて、正しい実測値であったのかもしれません。

これでは廃炉にもできませんし、外部にどこから洩れているのか探索もできません。5メートルも溜まっている汚染水がダダ洩れしてなくなるのを待つのでしょうか?
東京電力は太平洋は広いからいくらでも垂れ流していいと考えているのかもしれません。これが日本海側だったらたいへんな事態を引き起こしたでしょうね。日本海の水産物が数十年に渡って食べられなくなります。

"Redress will never come near the level of losses"

by ebisu (2012-06-30 13:07) 

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