#1733 "クサレン"って何?:日本語ボキャブラリー Nov.16, 2011 [64. 教育問題]
寒くなりました。夜9時半の気温が2.7度でした。さて今夜は、ボキャブラリーについてのお話を・・・
あるとき授業で中2年生に「形容詞は名詞をシュウショクする」と説明したら、生徒から「先生、シュウショクってなあに」と質問があった。他の生徒に知っているよなと聞いたら数名が知らなかった。
漢字で黒板に「修飾」と書いて意味を説明したが、英語の授業でも基本語に属するような日本語の語彙を説明しなければならないようなことが起きる。国語の授業で1年生のときに説明を受けているはずだが、生徒たちが聞き逃したのかもしれない。繰り返し出てきたはずだから、それはそれで問題である。
とにかく日常会話で使われない語彙群が貧弱であることはたしかなことのようだ。
生徒と話しをしていてときどき何を言っているのかわからないことがある。最近あった6年生との会話を紹介しよう。同じクラスで成績を競い合っている生徒がいるかとの問に対する会話である。
生徒「先生、クサレンだよ」
先生「クサレンってなに?どういう漢字を書くの?」
生徒「先生、クサレンも知らないの?クサにレンって書くんだよ、学校の先生も使っているよ」
先生「どう使うの?」
生徒「保育所と小学校が同じクラスだからそういうのをクサレンっていうんだ」
それで納得した。
先生「それってくされえんって言うんだろう?」
生徒「違うよ、クサレンだってば、辞書にも載っているよ」
先生「じゃあそこにある国語辞書を引いてご覧、"腐れ縁"て書くんだ」
生徒「クサレン・・・載っていない、"腐れ縁"・・・あった」
先生「どういう意味か読んでご覧」
多少脚色しているが、大筋こういう次第だ。耳から入った情報だけで言葉を理解しているとこういうことが起きる。小学6年生は児童書から卒業して大人が読むような本への切り替え時期に当たるが、そういう類の本はほとんど読んでいないという生徒が圧倒的多数だろう。
ルビを振った本が少ないことが子どもたちから読書を遠ざけている。出版社はもっとルビを振った本を増やしてほしい。新聞社や出版社はコンピューターを導入するのが早すぎた。性能が十分でなく、ルビを振ることができないのに、印刷原稿を作るのにコンピュータの導入をしてしまった。コストを下げるために文化的な貢献(ルビを振ること)をやめてしまったのだ。おろかだった。もう15年遅くてよかったし、DTPでルビを振れるようになるまでソフトの進化を待つべきだった。
本を読みながら日本語語彙を増やすのが一番いいのである。昔は北海道新聞もルビを振ってあった。新聞を読みながら語彙を増やした子どもも多かっただろう。私もそうした子どもの一人だった。取り返しのつかぬことをしたと思う。決定した当時の大人たちの罪である。
ニムオロ塾にはルビを振った本をおいて生徒の要望に応じている。量をある程度読まないと読解力は身につかぬもの、とにかく量を読め。悪い本も良い本も読め、毒になる本も薬になる本も。
では、そろそろ締めにしたい、ボキャブラリーテストをしよう。一緒に楽しんでほしい。
甘いの反対語は何?
思いつく限り6つある。近くにいる小中学生に訊いてみてほしい。全部出たら国語の成績が優秀だろう。3つなら普段の国語の点数は50点を越えないだろう。四つまでは比較的簡単だが、残り二つが出にくいかもしれないから、あとでコメント欄へヒントを書いておく。
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【ルビの振ってある本紹介】
『斉藤孝の音読破<3>銀河鉄道』
『斉藤孝の音読破<6>羅生門』
この2冊はamazonで出てこないから絶版だろうか?
ニムオロ塾には数冊あるから、読みたかったら来られる人は塾までおいで、貸してあげる。
①山漬け
②点数、タイ料理
③ミカン
④柿
⑤薬
⑥ebisu先生
by ebisu (2011-11-16 23:41)