#1633 あ～、泊原発再稼動 ：百年後の札幌に人は住んでいるのか？ Aug. 26, 2011

　かつて政界の実力者だった町村自民党議員が担ぎ、私たち道産子が2度も選んだ高橋はるみ北海道知事が泊原発1・2号機の再稼動にゴーサインを出した。もともと経済産業省のキャリア官僚だから原発推進派であり、当然の決断だろう。

*「知事　泊同意　安全と言い切れるのか（８月１８日）」道新ニュース
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/312503.html

　泊原発の近くで震度6の直下型地震が起きれば福島原発事故が再燃する。西側50km圏内に札幌がある。泊で事故が起きれば偏西風の影響で人口190万人の札幌、石狩平野と十勝平野が放射能で汚染される。帯広や釧路へも大きな影響が及ぶだろう。その被害の大きさを想像するとぞっとする。

　ZAPPERさんがブログに8月21日付けの米国の元原子力技術者ガンダーセン氏のビデオを紹介している。
　ガンダーセン氏は使用済み核燃料プールの燃料が即発臨界爆発を起こしたとの見解を支持しているが、NRC（アメリカ合衆国原子力規制委員会）は飛散した放射性物質の分析とMOX燃料破片の飛距離から原子炉（3号機）が爆発したという見解を公表している。ガンダーセン氏はNRCの見解を支持していないが、もしそうだとすればたいへんなことだとコメントしている。

　私たちはテレビ報道でたくさんの専門家たちのおそまつな説明を聞かされてきた。なぜ、こういうことが起きるのだろう。それは専門家たちが専門知識をもっているからだ。半端な知識ほど厄介なものはない。その知識が邪魔して目の前の事実が見えなくなる。
　ガンダーセン氏も3号建屋の損壊は認めるものの、原子炉格納容器や原子炉圧力容器の損壊を認めていない。建屋の損壊状況を写真でみれば原子炉格納容器や原子炉圧力容器の損壊は明らかなように私には見える。
　壊れるはずがない
　⇒壊れない
　⇒壊れていない

　メルトダウンも同じことだった。
　耐震基準にしたがって地震対策はしてある
　⇒震度6で原子炉配管が壊れメルトダウンが起きるはずがない
　⇒メルトダウンは起きない
　⇒メルトダウンは起きなかった

　こうしてさまざまな事実から専門家たちは眼を背け、自分の理屈にあった（事実と異なる）説明をしてしまう。専門知識があるから事実に目をつぶるということが起きる。専門家は自分の理屈に合わせて現象を解釈してしまう。

　専門家がしなければならないことは、事実を認めてそのうえで起きている現象の解釈をすることだ。己の屁理屈に合わせて現象を説明することではない。

　経済学でも同じことはある。特定の学派に属するとその学派の説にしたがって現象を見てしまう。不都合な事実や学派の理論に合わない事実は切り捨ててしまう。半端な（いやそうではなく、著名な）専門家ほどそうしたことをしてしまいがちだ。こうして「専門家の理屈に合わない事実」があとから小出しに洩れてくる。
　建屋の構造図と爆発後の現場写真（#1460及び#1462）を比べてみれば原子炉格納容器や原子炉圧力容器の上部が吹き飛んでいるのは明らかだろう。 

  ある地形変動学者によれば、積丹半島西方沖10～15㌔の日本海海底に長さ60～70㌔ｎ活断層があり、マグニチュード7.5の地震が将来起こりうるという。
　大きな4枚のプレートの狭間にある弧状の日本列島はその圧力を受けて活断層だらけである。知られている活断層は1割もあるのだろうか？いつでもどこでも直下型の地震はあるものという前提で考えるべきなのだろう。
　泊原発の近くに活断層があっては困る
　⇒泊原発の近くに活断層があるはずがない
　⇒泊原発の近くに活断層はない
　これが北電の論理だ。不都合なモノには目をつぶる、福島原発事故を起こした同じ論理パターンが泊原発にもみえる。東電と北電は双子の兄弟のようであり、歴史はまた繰り返されつつある。

　
　百年、二百年後の札幌に人は住んでいるのだろうか？
　石狩平野でとれる米や十勝平野の農産物や酪農製品はいつまで安全であり続けられるのだろう？

　話しは結局元に戻る。わたしたちは原発推進派の元経済官僚を再度道知事に選んでしまった。ふるさとの未来を考えれば知事を替えるという選択肢もあったはずであるが、そうはならなかった。道内に人材が枯渇しているのかもしれぬ。
　道知事を選ぶのは私たちである。目先の利益に左右されず、百年、二百年後のふるさとのことを考え行動できる道産子がどれだけいるのだろう。


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*「3号機は即発臨界による核爆発か（福島原発事故）」
　ガンダーセン氏のビデオのURLがある。
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51793666.html


*「現実を直視しない日本」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/4256831.html#comments

●EX-SKF-JP　がんばれ日本！負けるな日本！政府をあてにするな！
フェアウィンズ・アソシエーツ、アーニー・ガンダーセン
 「新データがフェアウィンズの分析を支持／放射能汚染が日本と世界に拡大」
http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/08/blog-post_24.html


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*#1506 「3号機爆発は使用済み燃料の即発臨界爆発だったという假説 May 7, 2011」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-05-07-2

*#1463 「福島第1原発3号炉はもう無い：東京電力社員退去要請の意味」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-06

*#1462 「裸の王様：原子炉圧力容器は破損している　論より証拠、よく写真を見てごらん 」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-05

**#1460 「原子炉圧力容器損傷か？：写真で検証」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-03-1

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