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#1634 交替:内閣総理大臣 Aug. 30, 2011 [B7. 政治に求めるもの]

 民主党代表選の演説を途中から聴いた。野田候補の演説、どじょう政治論は説得力があった。さすが津田沼駅前で二十数年間街頭演説をし続けただけのことはあり、海江田候補や他の候補に比べて断然上手だった。不特定多数を相手に毎日やっていることはうまくなるものだなあ。辻説法は反応がすぐにありPDCAのDoとCheckに隙間がないから上達が速いわけだ。

 ところで、彼は松下政経塾の1期生だそうだ。わたしは松下政経塾出身の政治家がきらいだ。20代後半から30代は、男が仕事を一心不乱にする時期で、こなした仕事の重さに応じてその後の仕事の責任も重くなっていく。そうした負荷に耐えて40代を迎えて初めて仕事のできる男に成長する。

 松下政経塾出身者の多くはそうした時期に松下政経塾で「お勉強」していたか選挙に明け暮れたいたやからが多いようだ。剣術で言えば、道場剣法で、実際の仕事という実戦経験なしということ。経験のないことに非凡な才能を発揮する人間はたしかにいる、いることはいるが極めて稀だ。
 福島原発事故処理、年金・医療問題、まもなく1000兆円を超える国債及び政府保証債務残高など大きな仕事が山積みである。国難ともいうべき重大な時期に仕事の経験のない政治屋たちがこぞって政権の中枢に居座り続けることになって、結果がどうなるかはすでに鳩と菅で証明済みだ。

 辻説法ニ十数年の野田氏の演説が他に比べて群を抜いていたように、やっていない「仕事」の分野ではまるで能力がないだろう。辻説法のスキルは毎日磨いただろうが、仕事のスキルを磨く機会はまるでなかったのだから、これで仕事の能力が人並みにあったら不思議だ。論より証拠、財務大臣のときに彼はなにかやったか?財務官僚の作ったシナリオをなぞっていただけではないのか?仕事ができなければ官僚の言いなりになって自分の言い分をいくらか通すしかない。
 国会議員定数の削減と引き換えに増税によって辻褄合わせをするようだが、それとこれとは別問題だろう。定員が多すぎるなら減らせば良いだけで、増税とは何の関係もない。

 もう一つ彼の主張をあげつらえば「三党合意」と「マニフェストの堅持」だ。三党合意では民主党マニフェストを見直すとしていたのではないか?矛盾である。仕事のできる人間はこういうことは言わぬ。できることはできると言い、言ったとおりにやり抜くし、できないことはできぬと明言するものだ。仕事でトラブルを起こさないようにするには好い加減なことを言ってはいけない。この点だけでも彼の仕事の甘さが透けて見える。まるで新入社員のような仕事ぶりだが、自覚もなく叱る上司もいないところが怖い。
 鳩山由紀夫氏のようにあっちにもこっちにもいい顔をして、時間がたつにしたがってにっちもさっちもいかなくなるような事態にならなければ幸いである。

 民主党マニフェストについても言及しておきたい。あれは松下政経塾出身者や弁護士や市民派の政治家が中心になって創ったものではなかったか。そのマニフェストが絵空事であることは十分にわかったはずだ。
 泉下の松下幸之助は「こんなはずではなかった」と泣いているだろう。

 野党時代には民主党議員はこぞってこういう主張をしていたはずだ。
「内閣総理大臣が交代するならあらためて国民の信を問うべきだ」
 民主党議員の面々は総理大臣が変わるなら選挙をしろと主張していたが、政権与党になったとたんにだれも言わぬ、見事なものだ。変わり身の術が見事すぎて、開いた口がふさがらぬ。
 立場が変われば言説が180度変わってしまうなら、私たちは誰を、そして何を信用すればいいのだろう。民主党国会議員は節操をなくしている。

 つまらぬことを書いてしまった。
 将来政治家になるかもしれない中高生諸君に向けて書いておこう。こういう恥知らずな節操のない大人にはなるな、泥沼に咲く真っ白な蓮の花であれ。


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