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#1625 ロンドンで若者たちが暴動 :失業率20% Aug. 11, 2011 [64. 教育問題]

 ロンドンで若者たちが暴動を起こし、各地に広がっている。

*「英首相「暴動には反撃」、ロンドンで警官1万6000人投入」(ロイター)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110811-00000563-reu-int

*BBC News
http://www.bbc.co.uk/news/uk-14449675

 朝のNHKラジオで解説をしていた。
 暴動の背景に、昨年大学の授業料が3倍に上がったことと、若者の失業率が高い(20%)ことを挙げていた。英国の失業率は8%だから、若者の失業率は2.5倍も高い。

 では日本はどうか?独立行政法人になってから、国立大学授業料が値上げされている。おおよそ3倍になっているのではないだろうか。
 年齢別・学歴別失業率は2008年と2010年を比べてみると大きく変化している。大卒の失業率が上がってきている。60歳を過ぎた高学歴層が退職によって働く意欲があるにも関わらず失業しているようだ。そして大学を卒業しても就職できない大卒がじわじわ増えてきている。

*「学歴年齢階層別失業率」
http://www.garbagenews.net/archives/1700819.html

 25歳から34歳までの大卒の失業率が4.8%になっており、それ以降の年齢階層の2.4%の2倍である。高卒以下は7.8%と大卒に比べて失業率が高い。非正規社員として雇用されている者が増えているから、職についている者たちの年収を含めた雇用条件はさらに悪化しているとみるべきだろう。

 釧路の教育を考える会副会長の三木さんが今日のブログで、貧困と低学歴の負の連鎖を取り上げている。

釧路市の生活保護を受けている母子世帯の母親の三人に一人は中卒の学歴しかないが、その父親の42.3%、母親の51.9%が中卒(高校中退を含む)だった

 『ルポ 生活保護 貧困をなくすた新たな取り組み』(本田良一著/中公新書)からの抜粋である。基礎学力の有無が職に就くためにも、生活力のある伴侶を見つけるためにも重要なファクターであることがわかる。
 "負の連鎖"や"低学力=低学歴"の世代を継いだ再生産を止めるには、子どもたちの学力底辺層の基礎学力を高めることが有効だということがわかる。

*「釧路を発祥の地にせよ」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/4124865.html

 隣の町、釧路市の実態レポートになっているこの本を三木さんに倣って私も宣伝したい。事実を知り、実態を理解することから、釧路と根室の教育改革が始まる。



ルポ 生活保護―貧困をなくす新たな取り組み (中公新書)

ルポ 生活保護―貧困をなくす新たな取り組み (中公新書)

  • 作者: 本田 良一
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2010/08
  • メディア: 新書

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コメント 2

ZAPPER

要保護・準要保護世帯の小学生が40%を超えていて、中には50%を超える所も複数ある。悲しいかな、その子ども達の多くは学力弱者であり…

教育行政担当者に学校関係者よ、奮起せよ!あなた方が「本気」になったならば、「負の連鎖」の多くを食い止めることができるのだから。この現実を知ったまともな大人なら、立ち上がらずには入られないはず。

そう願うばかりです。
by ZAPPER (2011-08-11 16:46) 

ebisu

ZAPPERさんへ

英国では移民が3Kや単純労働の仕事を担っているようです。そうした職層では低学力層と移民が仕事を奪い合うことになります。

道東では厚岸の水産加工関係に中国人がたくさん就労しているようです。その数100人とも言われています。何がどうなっているのか、技術修得というような名目で最低賃金を下回るような条件で働いている人たちもいるようです。

若い人たちが額に汗して働く水産加工場を嫌っているようなので英国のように職の奪い合いにはなっていませんが、そうした間隙を縫ってじわじわ海外からの"出稼ぎ"が増えていくのでしょう。気がついたら水産加工業は海外からの出稼ぎ者ナシには成り立たないなんてことになりかねません。

気になるのは職種の棲み分けが進んでいることです。お手軽にお金の入る仕事に流れ、技術の修得とかキャリアの積み上げがないまま、40代になったらどうするのでしょう。その年代になった頃は親も退職して寄生していられなくなります。
職はあっても必要な基礎学力やスキルがなければ、中年になってから生活保護でしょうね。

基礎学力をきちんとつけて卒業させてやれば、生活保護を減らせるのでしょう。
小中学校、高校の先生たちは生徒に基礎学力をきちんとつけさせて卒業させてほしい。
そのためだったら、放課後補習でも何でもとことんやってほしいと思います。それが仕事の責任というものです。

高校入試レベルで120点が"基礎学力"の最低ラインでしょう。
4月の学力テストの結果では120点以下(300点満点)は次のようになっています。

A校 46.6%
B校 54.3%
C校 58.9%

これでは教育の効果が疑われます。
公立中学校は基礎学力欠損症ともいえる120点以下の層を10%未満にすべく期限を切って取り組んでほしい。
取り組めば何が問題なのか具体的な課題が見えてくるはず。
by ebisu (2011-08-11 19:01) 

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