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#1603 釧路の小学校で夏季補習が始まった(2 ):月田釧路市議の補習授業参観レポート  July 30, 2011 [64. 教育問題]

 月田釧路市議の現場視察レポートを紹介したい。釧路で小学校の夏季補習が始まっており、どういう準備の下に、どういうやり方でなされ、先生たちや父兄にどのように受け取られているのか、私としても興味のある問題である。
 隣の町では教育改革に市議11名が参加する「釧路市基礎学力問題研究議員連盟」と産学官のメンバーが集まる「釧路の教育を考える会」の両輪がある。月田議員は両方の前者の中心人物であり、後者の重要メンバーである。
 3日続けて釧路市内の小学校を訪れて夏季補習を取材してレポートしている。以下は、2回目は成績上位校である青葉小学校である。

http://blog.livedoor.jp/gekko946/archives/51614390.html
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2011年07月28日

第1873回 上位校なりの模索

99399385.jpg 釧路市レベルでは比較的学力上位にある青葉小学校。
 午前9時から、5日間日程の4日目のサポート学習の様子を見てきました。

 同校の対象学年は4年~6年の3学年。
 その理由は、低学年は相当数の参加者が予測され、個別指導が困難になることから、高学年に絞って設定したとのこと。
 確かに、全児童数(4~6年生)の約5割が参加(お知らせは参加申込み用の1回のみ)しており、保護者の関心の高さが垣間見えます。 

 個別指導重視の考え方に基づき、各学級ごとに(6年生は合同)複数の先生を配置。
 教育大の学生さんも4人、それぞれ違う教室に散って担当していました。

 進め方は、クラス内を巡回して鉛筆の止まっている子とのマンツーマン。
 教材は、市教委が配信しているベーシック問題のうち国語4枚、算数4枚とチャレンジ問題の中から国語2~3枚と算数3枚(どの学年も)です。

 1日の学習時間は、9時から11時までの2時間(途中10分間の休憩)。
 集中してプリントに取り組むと5日間の日程では、どうにも余裕があり過ぎます。
 なので、夏休みの宿題をやってもいいよ、ということに・・。

 結局、補講に参加した児童は、ほぼ全員が夏休みの宿題をこの5日間で終わらせてしまいます。
 勿論、功罪両面があるとは思いますが、何と言いますか、ともかく1年目ということで・・。

 さて、学力の向上は普段から地道に取り組まなければならない問題です。
 実は、同校はこれまで、週に1~2回は朝会議を止めて朝学習に取り組んで来ました。
 それを、今回のサポート学習の実施を契機に、2学期からは更に1回増やして週に2~3回はミニテストなどのプリント学習を行いたい、と。

 新しい挑戦(長期休業中の補講)が、また新しい意欲を喚起するという好循環。
 素晴らしいことじゃないですか!

 そしてきっと、同校の冬休みサポート学習は、この夏の経験を踏まえて万全の準備で質的な大進化を図られるに違いありません。
 校長室での懇談でも、そうした決意が校長先生・教頭先生には漲っていました。

 ・・・この青葉小でも、教職員の反対の声は皆無。
 基礎学力低下に対する認識は共有されています、とは校長の言葉。

 時が来た! 時を得た! の思いを禁じ得ません。

 「釧路の教育を考える会」による提言書を世に出す機運が、サポート学習の実施によって益々整ってきた、と言うのはちょっと言い過ぎでしょうか。



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  花咲小学校(5日間)と落石小学校(2日間)で夏季補習授業が行われると北海道新聞が報じたが、視察に行く根室市議はいるのだろうか?釧路の小学校に視察に行って先生たちの話しを聞いてみるのもいい。
 どうやら市議が超党派で基礎学力問題解決に乗り出すとアナウンスすることが問題解決の糸口になるような気がする
 超党派の議員連盟立ち上げが、夏季補習授業という「変わったこと」をしても、回りから批判されないという安心感を学校長や先生たちに与え、新しい動きを促す動力になるというのが私の假説である。

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つー

連日の引用、恐縮に存じます。

ebisuさんのご指摘の通りかも知れません。
実は、訪問した3校の校長先生が、一致して学力議連や三木さんの新聞記事、市議会の動きが刺激になっているとおっしゃっていました。

さらに、ちょっとした裏話があるのですが・・。
ん~、これは次にお会いした時に取っておきましょう。

レポートの第4回目(最終回)は、来週の月曜日に予定しています。
by つー (2011-07-30 05:47) 

ebisu

月田さんへ

連日の「現場取材レポート」ありがとうございます。
あなたのタイムリーなレポートを読んでいるとそこから学ぶことも多いのです。そして気がつくこともね。
あなたや会の主要メンバーの私心のない動きが予想もしなかった大きな効果を生み出し始めたように見えます。わたしはその大きさに驚いています。

根室にも連動した動きが起きることを祈わずにはいられません。

釧路の教育を考える会には、異なる仕事の能力、教育への危機感と教育改革への情熱をもち合わせた私心のないメンバーがお互いの磁力に引き寄せられるように集まってしまったように見えます。
"道内屈指の低学力の"釧路と根室でこういう会が生まれる必然性と必要な人材が集まってしまったという偶然性が同時に存在しています、不思議な会です。

うれしい裏話は2次会のときにお伺いします、楽しみですね。
by ebisu (2011-07-30 07:44) 

NO NAME

補習も大事かもしれませんが、通常の授業が話題にならないのはどうしてなのでしょうか。
by NO NAME (2011-07-30 14:54) 

ebisu

名無しの権兵衛さんへ

普段の授業ももちろん話題に上っていますよ。その一端はメンバーの一人の合格先生のブログやZAPPERさんのブログにいくつも載っています。

合格先生ブログ
http://www002.upp.so-net.ne.jp/singakukouza/

わたしも書きたいのですが、ひどい例なので具体的に書けないのです。
狭い根室ですからどこの学校のどの先生かすぐにわかってしまいます。だからブログでは書きません。あまり具体的に書かずにヤンワリ触れることはありました。

普段の授業は「野放し」状態です。下手な人は下手、何年たっても是正はされません。定年まで続くのかもしれません。
学力テストデータを学校別科目別担当先生別に比べればすぐにわかりますよ。ダメな先生が転任すると転任先の生徒の平均点がはっきり落ちます。
現在の学校の管理方式では是正できません。身分もボーナスも教えている生徒の成績に何の関係もありませんから。
それどころか29日の新聞では教育の目的は学力の向上ではなくいい人間をつくることだと広言しているW氏が2期8年も教育長だったくらいですから。
根室の子供たちの学力が全道最低なのはこういう人たちが教育行政のトップにいたからかもしれません。
by ebisu (2011-07-30 22:27) 

NO NAME

だって、夏休みや放課後の補習なんて微々たる時間ですよね。
授業は、1日5時間としても、週に25時間、月に100時間です。

そこを改善しないで、補習や居残り勉強したのでは、
例えばレストランで言えば、
肝心な食事の味が改善されないのに、デザートやツキダシ、おみやげ、その他のアトラクションを工夫、追加しているようなものではないでしょうか。

肝心な授業の中身にふれずに、補習をしている学校を持ち上げている新聞の報道姿勢に疑問を持ちます。
by NO NAME (2011-07-31 00:28) 

Hirosuke

横からすみません。

もし、そういった教え方の下手で低レベルな勘違い教師が補習を実施したとして、その補習授業は生徒の崩壊寸前な学力を補修可能でしょうか。

通常授業がNGレベルならば、補習も結局はNGレベル。
だって、学力向上のポリシーがないんですから。

「教育の現場である学校=良い人間を作る工場」と言うのは、いかにも「教育者」の言いそうな戯言ですね。

ならば、教育長は、「良い人間」の定義を列挙せよ。
全ての授業時間を「道徳」「倫理」「哲学」「宗教」に変更せよ。
ついて来れない「不良品」は強制的に矯正せよ。

・・・という事になりますねぇ。
(乱暴な極論なのは重々承知ですが。)

学校という教育現場で純粋培養された「教師」という名の「良い人間」・・・彼等は果たして真に「定義」に該当するのか。

実は彼等自身こそが「不良品」ではないのか。
「不良品」である製造マシンは「良品」を作り出せぬが道理。

結局、「学校」は、学力も人間性も向上させ得ぬ「不良品の大量生産工場」と成り果てているのが現状では?

私塾という匠の巧みな技巧あってこそ、「不良品」の烙印を押された生徒達を再生し得ると信じます。
by Hirosuke (2011-07-31 00:53) 

ebisu

>だって、夏休みや放課後の補習なんて微々たる時間ですよね。
>授業は、1日5時間としても、週に25時間、月に100時間です。

なるほど、形式論理的にはあなたのおっしゃる通りです。たとえ話もわかりやすく、たいへん面白く読ませていただきました。

でも基礎学力に問題のある生徒を通常の授業で救い上げることは不可能でしょう。そんな魔法のような授業のできる先生はどこを探してもいませんよ。
わたしは基礎学力に問題のある生徒を引き受けるときにしばらくの間個別補習の覚悟と準備をしてから受け入れています。塾講師として私のスキルが劣っているからそうしているわけではありませんよ。

低学力層に対しては放課後補習が有効なんです。定期テストや学力テスト後に点数の低い生徒を放課後補習に強制参加させるのが効果が大きいのです。

いままで、学校として補習体制をとらないできた。そういう状態に比べると確かな一歩が始まった気がします。

もうひとつ新聞報道に疑問がおありのようですね。
新聞記者が授業の中身の取材をしようとしたらどうやればいいのでしょう?
直接取材はほとんど不可能なような気がします。憶測で書くわけにはいかないでしょう。
たとえば民間会社だったら上司は部下の業務に介入できますが、学校ではそうした仕組みはありません。業務(=授業)内容をモニタリングする術すら学校内部にはないのです。

べつに新聞記者の肩を持つわけではないですが、自分が記者ならどうやったら普段の授業レベルについて直接取材ができるか、たいへん困難だと思う次第です。

何かいいアイデアがあったら書き込んでくれれば、新聞記者さんと話す機会があったときにお伝えはできますよ。
「肝心な授業の中身について」取材できたらいいですね。
by ebisu (2011-07-31 01:22) 

ebisu

Hirosukeさんへ

>もし、そういった教え方の下手で低レベルな勘違い教師が補習を実施したとして、その補習授業は生徒の崩壊寸前な学力を補修可能でしょうか。

補習をやることで自分の授業のどこがまずいのかに気がつく先生が多いのではないでしょうか?「補習可能」なところまでスキルアップは相当時間がかかるでしょうね。

>通常授業がNGレベルならば、補習も結局はNGレベル。
だって、学力向上のポリシーがないんですから。

その通りだと思います。

>実は彼等自身こそが「不良品」ではないのか。

たしかに純粋培養はよくありませんね、弊害が大きすぎます。

>私塾という匠の巧みな技巧あってこそ、「不良品」の烙印を押された生徒達を再生し得ると信じます。

この点も同感。
by ebisu (2011-07-31 02:39) 

ebisu

新聞が授業内容に踏み込んでいないというのは事実ですね。
取材のむずしさもある。

釧路の教育を守る会ではその点にすいて議論が繰り返し出ています。新人教師のトレーニングに私塾のベテラン講師をトレーナーとして派遣協力してもいいという意見も出ています。

黒板の書き方の"マナー"もしらないで教壇にたっている現実があります。ベテランだからといってよくなるわけでもありません。
教員同士でいくら研修会をやってもだめでしょう。
お手本にすべき授業は学校の外、私塾にある。

この点は釧路の明光義塾の三木さんもハンドルネーム"合格先生"もHirosukeさんも同意見でしょう。

授業内容の直接取材が困難なら、私塾側には具体的な材料がありますから、こちらへ取材にくればいい。それをどういう記事にするかは新聞記者の腕次第でしょう。

少なからずとんでもない先生がいらっしゃいます。そして、じつに真摯に日々の授業や宿題作成に取り組まれている先生たちも少ないですがたしかにいます。
by ebisu (2011-07-31 12:42) 

もやしさんま


民間企業ではユーザーのニーズの研究や他社の製品の分析などは当たり前です。
学校の先生も生徒に交じって有名予備校の夏期講習でも聞きに言ったら良いんじゃないですか。
それに成果が報酬に反映しないシステムではダメでしょう。生徒の学力の上がり下がりがボーナスの上がり下がりに反映するようなシステムにすればいい。



by もやしさんま (2011-07-31 16:43) 

ebisu

もやしさんまさんへ

その通りですね。
授業の品質を高めるためには結局のところ民間と同じにやるのがいい。
規模と生徒の人数でランク分けして予算を決めて学校が選択できるようにすればいい。健全な競争が学校にもあったほうがいい。
仕事のできない者はボーナスは減るし、昇給・昇格はなし。

とんでもない授業をやって生徒の学力を伸ばせない先生はいらない。それぐらいの厳しさがあって当然です。
by ebisu (2011-07-31 17:48) 

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