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#1417 東日本大震災 (2)  Mar.13, 2011 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

【東日本巨大地震の規模と被害の概要】
 13日正午のニュースで東日本大震災のマグニチュードが9.0に修正された。0.2増えると地震エネルギーの規模は2倍である。

 震源域は3箇所、岩手・宮城県沖から海底断層が崩れ、ついでその南側の福島沖が約30秒後に、そしてほぼ同時に茨城沖の震源域で断層崩壊が始まったという。南北500㎞東西200㎞の3箇所が震源域と判明した。発表によれば約5分にわたって揺れが続いたという。根室では3分間揺れを感じた。

 根室は花咲港と落石で津波被害があった。花咲港に住む生徒は避難所で一晩明かし、歯舞の生徒に連絡したら家は高台なので影響なしとのことだった。
 国立宮古海上技術短期大学校へ行っている元塾生がいるが、家族に聞いたら連絡が取れている。ほっとした。昨日12日が卒業式だったはずだ。

 リアス式海岸の北の始点にあたる岩手県宮古市、釜石市、大船渡市、陸前高田市、宮城県気仙沼市、石巻市、東松島市は軒並み大津波に呑まれた。気仙沼は大火災を起こして燃えていた。仙台のコンビナートも。
 仙台から南に下って名取市、相馬市も大津波に呑まれた。間に阿武隈川の河口にあたる岩沼市があるがニュースで確認はしていないが同じだろう。福島県相馬市、南相馬市、いわき市、茨城県ひたちなか市など軒並み津波に襲われた。ひたちなか市は車の積出港のようだがたくさんの新車が津波に押し寄せられて炎上していた。
 各地の海岸には亡くなった方のご遺体が数百単位で流れ着いている。収容作業が始まったばかりだ。現場に入っている自衛隊や消防などの関係者は不眠不休の救助作業や避難者への救援作業に従事しつつある。
 津波でたくさんの木造住宅が簡単に崩れて流されたが、よくみると根太がボルトでしっかり止まって基礎部分のコンクリートが残っている。木造住宅は横からの圧力には弱いようで津波が来たときに中にとどまっていたら死ぬしかない。一人屋根の上に乗って陸から15㎞のところに漂流して助けられた人がいた。鉄筋コンクリートの構造物は残っているから、高さのある鉄筋コンクリート建物なら避難場所として使えることがわかる。
 死者、不明者を含めると一つの町だけで1万人にも上る町があると報道され始めた。被害はどれほど拡大するか想像がつかない。
*「宮城・南三陸町で1万人連絡取れず」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110313/dst11031301150007-n1.htm

【原子力発電所での重大な事故】
 福島県の原発は1号原発の1号機と2号原発の3号機が炉心溶融を起こしたもようだ(1号原発の1号機は建屋の上部が12日3時36分に水素爆発で吹き飛んだ)。国際基準は0から7までの8段階だが、レベル4だという。メルトダウンを起こした1978年3月28日のスリーマイル島や1986年4月26日のチェルノブイリ事故を思い出す。
 100㎞離れた宮城県女川原子力発電所で福島原発の放射能漏れの影響とみられる高濃度(基準値の4倍超)の放射能が今日(13日)計測された。燃料棒が水の上に出ると放射性物質が水蒸気に混じって外部に放出されると専門家がテレビで語っていた。女川原発で検出された濃度から逆算すると、事故現場での放射能漏れの量はどのくらいになるのだろう。専門家にダブルチェックしてもらえば疑念を抱いている近隣住民も安心できる。計算値内に現場での放射線量が収まっていればデータへ信頼がはるかに高くなるだろう。

*「福島第1原発3号機も冷却機能停止、放射能漏れ可能性も 東電が緊急事態」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110313/dst11031307250015-n1.htm

*スリーマイル島原発事故
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%AB%E5%B3%B6%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85

*チェルノブイリ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85

*「女川原発で基準値4倍超の放射能・・・福島事故で?」(読売オンラインニュース)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110313-OYT1T00434.htm

*「ふらつく政府の情報開示 涙ぐむ菅首相、質疑は応じず」産経ニュース 13日23時32分
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110313/plc11031323370035-n1.htm

*「福島第1原発に「引き続き懸念」IAEAが早期の安全期待」産経ニュース14日朝7時35分
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110314/erp11031407350002-n1.htm

【体内被曝の防止:正直なアナウンスを!】
 避難者が被爆しているが衣服の除染はできても、体内に取り込まれたら除染は困難である。チェルノブイリで問題になったのは、空気中に飛散した放射性物質が体内に取り込まれ、それが放射線を出し続けて体内被曝が起きることである。たくさんの子供たちがいまも癌に侵されている。
 「ただちに健康に影響が出るレベルではない」という表現を枝野官房長官が繰り返しているが、これは正直な説明ではないだろう。チェルノブイリのこどもたちも「ただちに影響が出るレベル」ではなかったのだから。空気中に飛散した放射性物質を吸い込むのを防がなければならない。避難する時はマスクを着用して放射性物質を肺に取り込まないように細心の注意を払うべきだ。夜になると海から陸地へ風が吹き、内陸へ汚染地域が広がる。
 周辺の農産物は出荷停止をして、補償措置をしなければならないだろう。急げ。
*「除染方法…衣服を脱いで密封、体に着いたら湯で流す」朝日新聞:除染方法について専門家の意見が載っているので参考にしてほしい。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103130121.html

*体内被曝(薬学用語解説より)
http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E4%BD%93%E5%86%85%E8%A2%AB%E6%9B%9D


【原子炉から放出された放射性同位体の半減期】
 セシウムの半減期は30年、核分裂によって生成されるヨウ素の半減期は131-Iが8日、129-Iが1570万年である。ヨウ素には同位体があるが、原子力発電所の炉心溶解でどれぐらいの割合で生成されるのかは私には分からない。例えばセシウムが体内に取り込まれると放射線量が半減するのに30年かかるということだ。四分の一になるのは60年後。体内に取り込んでしまった塵状の放射性物質は放射能を出し続け遺伝子を障害し、さまざまな癌を誘発することになる。
*ヨウ素 ウィキペディアより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%82%A6%E7%B4%A0

*放射性同位体 (ウィキペディアより)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E6%80%A7%E5%90%8C%E4%BD%8D%E4%BD%93

 
【原子力発電の全廃と生活スタイルの変更の受容】
 日本はどこに原発を作っても同様の危険はある。原子力発電そのものをどうするか検討すべきだが、それは夏場に室内温度を30度で我慢するとか、テレビは消費電力の小さい小型の画面の物で我慢するとか、生活様式を変える覚悟が国民に求められる。
 安全度の大きい社会を創るためには、生活スタイルを変えることを受け入れるしかない。そういう意味では人口減少は歓迎すべきことがらだ。高齢化社会に突入したにも関わらず、いまだに経済成長論を声高に主張する政治家や経済学者が多い。もう経済成長は不要だ。経済縮小・人口縮小の時代でいいではないか。そういう考えを受け入れ、生活スタイルを変えよう。

【災害救助隊創設へ立法措置】
 自衛隊も四分の一くらいは法律を変えて災害救助隊に編成しなおすことを検討してもいいのではないか。災害復旧は装備や道具も違うし、それを扱う技術や訓練内容も異なる。

【携帯電話】
 私の電話は地震後まもなく圏外表示で使えなくなった。生徒の携帯電話はアンテナが3本立っており使える。わたしのは古いからダメということではないのだろう。生徒に連絡が取れなくて困った。9時半ころ家に戻って確認したら圏外表示は消えていた。
 携帯電話は災害時には多くが圏外表示になり役に立たないが、災害時でも機能できるようにインフラ整備は技術的には不可能なのだろうか。災害時に携帯電話が機能すれば安否確認がスムーズにできる。携帯電話の仕組みは次のようになっている。
 携帯電話⇔基地局⇔基地局⇔携帯電話
 ケイタイと基地局の間は伝送路は電波だが基地局と基地局は光ファイバーでつながれている。だが、地震でこれが断線するとつながらない。大規模地震では電線と光ファイバーの断線が起きるから基地局への電力供給と地震に強い光ファイバー網の整備が課題だろう。
 光ファイバーに変わる新しい伝送路の開発はできるのだろうか。全部をマイクロウェーブでやればハザードが起きる。インターネットを利用して各地の自家発電設備のある防災拠点へ地域の情報を集約するという方法もある。町内会ごとに掲示板を立ち上げて、確認できた人と未確認の人を仕分けていくという方法もありうるかもしれない。
*「携帯電話と放送の仕組み」
http://www.arib-emf.org/research/modules/tinyd3/index.php?id=3

【災害行動計画の作成】
 日本では十数年毎にどこかで大震災が起きる。首都圏で大震災が起きたときのためにも、東日本大震災を教訓とし、体制や生活スタイルの見直しの契機にすべきだと思う。前もって具体的な行動プランを作成しておかないと、地震が起きてから右往左往し、被害の把握すらできないことになる。最悪の事態を想定したプラン作りが日本人は不得手である。これには理由があるが、井沢元彦『逆説の日本史』全17巻(既刊)を読まれたい。日本は千四百年前もいまも変わらぬ言霊の国である。

 2004年12月26日のM9.3のスマトラ沖大地震は20万人以上の死者をだした。そして2月22日のニュージーランドのM6.3のクライストチャーチ地震は日本人への警告だったような気がしてならない。

【計画停電の発表】
  民主党政権には30代40代の働き盛りに民間会社で実務を担った者が少なく、こういう仕事は苦手だろう。現実に大災害が起きたのだから、周りにいる仕事のできる者たちの支援を仰げ。
 計画停電については東電側と官邸がばらばらに動いているように見える。公共交通手段は重要なインフラであるから、経済社会への影響が大きい。首都圏3000万人が影響を受けたら、日本経済に甚大な影響が出る。企業は軒並み赤字に陥り、税収が激減して震災復興資金に困ることになる。この不手際で東証株価は数日の間大幅な下げが続くだろう。
 対策は簡単だ。官邸と東電と電鉄各社は協力して送電網変更工事を急げ。計画停電措置をとっても電車は止まらないような措置をすべきだ。具体案を作り、関係方面へ指示を出し、スケジュールを公表すれば混乱は収まる。総力戦だ、日本人ならできる、仕事人よいでよ。

【報道関係者と災害復旧にあたっておられる方々へのエール】
 災害報道をしているアナウンサーはたいへんな仕事だ。涙を抑えて坦々と惨状を伝えるている。災害報道はアナウンサーにとってはストレスの大きな仕事だろう。仕事とはいえ、本当にご苦労様。
 災害復旧に当たられている関係者は仕事が長丁場になる。健康や事故に注意して迅速な作業で被災者を救っていただきたい。

*#1414 巨大地震発生
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-11-1

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