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#1344 第80回芭蕉同窓会と「ふるさと納税」の話  Jan. 18, 2011 [15. ポジティヴ&ゆめ]

 1月16日午後4時から9時まで、グランドホテルで恒例の根室高校芭蕉同窓会があった。約400人分の席はびっしりと埋まっていた。団塊世代が満60歳で昨年東京根室会の幹事当番だった。そのメンバー20人ほどが根室の芭蕉同窓会に出席した。ステージの傍のテーブルが二つ「招待席」となっていた。
 当番幹事代表は挨拶が下手だったがあとはよくできていた。もっとまとまりのない長い挨拶をした者もいるから、総合点で90点は上げられる。例年通り当番幹事の面々は立派にその役目を果たした。よくわからない意味不明の「断髪式」もたぶん気合の表現だったのだろう。当番幹事生に誰かが訊いていたが「わかりません」という答だった。
 代表を務めたA君を同席している一人がずいぶん褒めた。「言うことはしっかりしているし、商売のセンスもよい、なかなかの奴だ」という。滅多に人をほめない厳しい奴の言うことだから、なるほどそういう面もあるのか。
 人生は長い、成長する時間はたくさんある。本もたくさん読んでしっかり育ってふるさとの将来を支えて欲しい。

 二次会は「俺ん家」、三次会は同期の市議の経営するスナックへとなだれ込んだ。

 43年ぶりで再会した者もいる。小学校で一時期同級生であったことすら忘れている者もいる。4年前の9月に癌で亡くなった同期の家に数人で押しかけて線香をあげてきた者も。
 ワイワイガヤガヤ、ひんぱんに席を入れ替わって話に花が咲いた。東京根室会の当番幹事代表を務めたOが、2時間きっかり収めたと満足げに報告話をしていた。3次会で乾杯の挨拶をしてもらったら、なるほど簡潔でなかなかうまい。

 ちょっと話しをしていいかと同級生の一人。病院に勤務しているが4年前に私が内視鏡検査を受け、癌の診断があったときに、「もうだめだ、助からない」、検査データをみてそう思ったという。何人かの友人にわたしの病状を伝えたかった、助からないと、でも患者のプライバシーに関わることだからいかに同級生とはいえ口外できない。モンモンとして私の病状を気にかけてくれていた。
ところが4年たったがぴんぴんして一緒に酒を飲んでいる私を見て納得がいかない様子で、
「うち先生の診立てが違っていたのか?」
「そうではない、診立て通りだったよ、たしかに手遅れだったし、執刀医もそう思ったはずだ。典型的な「アケトジ」の事例だったようだがよく手術してくれた。手術に立ち会っていたベテラン外科医の院長から一言あったようだ。術後にドクターから話しがあって肝臓へ転移していたら1ヵ月後に切ることになると言われたよ。肝転移の疑いが濃厚だった。病理検査でもリンパ節転移ありだったし、大腸に浸潤して癒着していた。なにがどうなったのか俺もわからぬ、巨大癌とスキルスの併発でさらに転移があっても何とかなるケースもあるんだな。運のよいことに腕のよい若手の外科医にめぐり合ったし、TS1という「特効薬」もあった。地元に専門医がいてくれて、適切な診断と入院手配をしてくれた。病状は悪かったが何もかもが奇跡的に揃っていた」
 数ヶ月に一度診察で病院を訪れても同級生の彼は私の視線を避けるようにそそくさと前を通り過ぎた。
「助からないと思っていたので、どうしても声をかけられなかった」
 視線を避けてそそくさと前を通り過ぎていた理由が今日ようやく分かった。家が歩いて2分の距離、小学校で何年間か同級生だっただけで、中学・高校と同じ学校でもクラスがずっと離れていて一度も話しをする機会がなかった。話しているうちに経過した時間がゼロになる、同級生とはうれしいものだ。ずいぶん心配をかけたようだった。

 術後2週間で退院して根室へ戻った日の夜が高校の同級生のお母さんの通夜だった。青ざめた顔でふらふらしながら参列した私を見て、根高最後の総番長だったKが「顔色悪い、胃をとったのか、もう長くないな」とはっきり言う。長くないから、やりたいことをいまのうちにやれと言うつもりなのだが、口下手な男だから言い様がぶっきらぼうだ。歌舞伎役者のような男前で、野球部、勉強はしないが人望があった。高校時代と卒業してから1年間はうまがあってよくつるんだ。我慢強く切れたのを見たことがない。「(4年前の)あのときはもうダメだと思ったよ」と言いながら目が笑っている。根室商業時代から連綿と受け継がれてきた総番制度を当時廃止したのがいいことだったのかいまとなっては分からぬが、あいつはそれを成し遂げペナルティにも一人で耐えた。いまだに人望が厚いのは当たり前だろう。

 横で聞いていた一人が「おれも2回心臓が止まったことがある」という。ゼネコンで仕事をしていたという。桂木の浜から花咲小学校まで歩いて片道40分はかかっただろう。当時は車のある家なんてなかったから歩いて通った。吹雪くと街中でも遭難しそうになったくらいだから、通学するだけで根性は鍛えられただろう。素朴な人柄のいい奴だ。

 中学時代に一人で相撲部を背負っていたHも40代で肺を一部切除したという。高校では生徒会長だった。私の高校時代は傍若無人、好きなとき好きなことをやった。それまで男子生徒は校則で丸坊主が義務付けられていたが、父兄にアンケートをとって全校集会を開き修学旅行の3ヶ月前に校則を変えた。この件は2年の夏休み直前だっただろうからHが生徒会長になる前のこと。一級上の会長と副会長2名が好きにやらせてくれた。その後、生徒だけに名札をつけさせるという職員会議の決定があったがそれもみんなで潰した。当時は1学年350人、全学年で1000人強だったから、生徒の数も多かったが先生の数も多かった。生徒の側も名前を知らない先生が多数いたから、一緒につけようと言ったら、教員側が嫌がったと記憶する。目論見どおりの反応、こちらの作戦勝ちだった。生徒会が強い時代だった。当時は校則改正や他にも大きな問題が起きて校長先生や生徒会顧問の先生をまとめて敵に回すことがあったから、生徒会長の彼は立場が微妙だった。
 中学は1学年550人、私は10組、彼は9組だった。一人でマワシをつけ黙々として「テッポウ」を続ける姿を見たことがある。高校に相撲部はなかったから中学時代のことだろう。相撲部は他にはメンバーがいなかった。孤独に耐えて努力のできる男だった。高校時代はすこしばかり優柔不断なところがあったが、放課後一人で黙々とテッポウをしていた姿が重なって、それなりに認めていた。そしていまでも認めているのだろう。
 明大ラグビー部出身の新任教師が来たのでチャンスとばかりに友人をけしかけてラグビー同好会をつくらせ、校則に従って翌年ラグビー部に昇格させた。あのときが強いラグビー部を根高につくる絶好のチャンスだった。
 ぶっそうな話しはいくつかあるがブログネタにはできない。
 成り行きで心ならずも生徒会長の彼をきつい立場にたびたび追い込み苦労をかけたが、あいつはわたしにクレームも愚痴も言ったことがない。お互いに腹の中はわかっているから、何十年たってもいい友人である。
 仲が良い同期とはお互い苗字あるいは名前で呼び捨てで、さん付けも君付けもしない。
 
 昨年はめずらしく同期で物故者がひとりもなかった。そうしたら「今年はまとめて3人くらい出るかもな」とぶっそうなことをいう奴がいる。次は誰だと顔を見合わせ、おかしくてふきだした。自分の番などと思う奴は一人もいない。65歳になったらまたみんなで飲もうということになった。

【ふるさと納税】
 ところで、書いておかねばならないことがひとつある。彼女も中学のときはHと同じ隣の9組で、記憶にないくらいだからおとなしい生徒だったのだろう。高校時代は少し目立った生徒会の役員。そしていまは品よく老けた細身の美人、その彼女が「ふるさと納税」の話しを私にした。鳥取県米子市には全国からふるさと納税の申し込みが殺到していると仕組みを簡単に解説してくれた。そして水産資源に恵まれた根室でも類似の仕組みを応用できるのではないかというのだ。仕組みを説明したURLと説明文を貼り付けておくので読んで欲しい。東京組みの中にもふるさとのことを気にかけている者がいる。
 

*米子市のふるさと納税について
http://d.hatena.ne.jp/furusato_nouzei/20090607/p1
米子市では、平成21年度から「ふるさと納税」をされたかたに、「ふるさと納税記念品」として米子市特産品等を贈呈します。
ふるさと納税記念品には、3,000円以上の寄附をいただいた方に贈呈する【無償提供記念品】と、1万円以上の寄附をいただいた方に贈呈する【
タイアップ記念品】があります。(1万円以上の寄附の場合は、両方とも贈ります。)
【無償提供記念品】は、地元企業4社5品+市・水道局による2品の計7品全部(定価合計3,000円以上)です。その名のとおり、地元企業から無償提供をいただきました。
【タイアップ記念品】は、地元企業13社からの提供商品18品のうちから希望される1品を選んでいただきます。これは、「ふるさと納税の推進」・「地元特産品の広告宣伝」タイアップ事業として募集し、市と地元企業がほぼ費用折半により設定した、すべて定価5,000円以上の地元特産品等です。
記念品はどちらも、「ふるさと納税の推進」と「地元特産品等の広告宣伝」をあわせて行うことに賛同された地元企業から、自社商品(地元の銘品・優良サービス)の提供をいただきました。
米子市ご出身の皆さま、米子市への「ふるさと納税」と米子市の「地元特産品等」を、どうぞよろしくお願いします。(ふるさと納税は、米子市ご出身でない方もすることができます。米子の特産品に興味を持たれた方も、どうぞよろしく!)

**鳥取県米子市ホームページ、「ふるさと納税の仕組み」へジャンプ
http://www.yonago-city.jp/section/shiminjichi/furusato.htm


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mami

私は来年当番幹事ですが、うちの学年はほとんど地元に残ってないです。私のクラスだと片手にも満たない人数です。この学年から地元の求人が激減だったので…。なのでクラスの当番幹事代表も根室にいません。帰省してまで参加する人も少ないですしね。当番幹事も1学年制では難しい時期なのかなとも思います。
by mami (2011-01-19 16:00) 

ebisu

mamiさんへ

久しぶりですね。
今の方式はいずれ維持していけなくなるとは思っていました。11月末の時点で根室管内の新高卒の内定は7校でわずか58人でした。今後も減少していくでしょう。

その上、数年後には根室西高校が根室高校に統合になるでしょうから、同窓会もどうするのか検討すべき時期が近づいています。
同窓会役員が考えて、来年何か具体的な提案があることを期待します。
by ebisu (2011-01-19 22:19) 

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