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#1290 石の上にも3年・・・m(_ _)m Nov. 27, 2010 [38. cancer]

 3年前の11月27日からブログを書き始めた。4年前の病気の後、思考力が著しく低下し、文章が書けなくなったのではないかという不安があったからリハビリのつもりもあった。最初のうちは校正に書く時間の2~3倍くらいの時間を要したのではないだろうか。ひどかった、しばらくの間は注意力がなかなか回復しなかった。いまでも確認し忘れや校正ミスはよくやる。その都度、コメント欄で皆様のご叱正をいただき、訂正をすることになる。
 校正に時間がかかるので途中でやめようかと2度ほど考えたが、書き続けることを薦めてくれる人がいたお陰で今日まで続けられた。Kさん、どうもありがとう。

 春なれや石の上にも春の風 石風・・・岡潔『憂国の随筆集』帯より

 診断してくれた地元の専門医、そして執刀してくれた釧路医師会病院の若き名医が4年前に命を救ってくれた。根室と釧路の地域医療*を支える皆様にこころから感謝している。
 それゆえに、故郷根室の子供たちの学力の現状を憂い何とかしようと言う気持ちと共に、地域医療の崩壊の影響をできるだけ小さなものにしたいという思いが一段と強くなったのだろう。病院建て替え問題を採り上げるのはそういう個人的な思い入れがある。

 スキルスと巨大癌の併発で胃と胆嚢の全摘、大腸の一部切除をした。さすがに術後は体力が落ち、"脳力"も体力の一部であることを思い知る。
 3時間も集中し続けると突然にエネルギーが枯渇してしまう。脳内の血糖が下がり「低血糖症状」が現れる。だから、2~3時間おきに食べ物を口にしないと思考が続かない。わたしにとって知力は体力や食べ物の補給と同義である。
 塾では一斉授業はテスト前くらいで、ほとんどが個別指導。生徒からの質問を捌いている間に、時折バナナを食べたり、焼き芋をかじったりしながらエネルギー補給をして質問に答える。「先生、バナナ好きだね」と生徒が笑う。このごろは「先生、胃の全摘手術をしたので、2~3時間おきに食べ物を食べないと・・・」と言わなくてもいい。生徒はみんな知っている。

 ブログをはじめて最初のうちは、何度校正してもミスが見つかることが普通だった。それが数百本書くうちに少なくなった。そしてどの地点からだったか不明だがあるところから「1000本ノック」を果たそうと決めた。それもいつの間にか通り過ぎ、気がつけば1290本目になった。
 3年間でアクセス数は52万を超えた。最近数ヶ月は月当たり4万を超えている。つくづく継続は力であると思う。

 思いつくまま勝手なことを書き続けてきたが、根室の状況を見るにつけパトリオットとしては書くこと、書かねばならぬことがあるから、まだしばらくはお付き合いいただきたい。
 どこかでけりをつけてライフワークに取り組みたいとは思っている。「経済学ノート」というカテゴリーで散発的に材料を集めているが、マルクス経済学を超える新たな経済学を展望している。西洋とはまったく異なる労働観に基く経済学が生まれ出でようとしているが、見果てぬ夢かもしれぬ。

 「アケトジ」の症例だった私がこうして生きているのが不思議であり、生きているというよりも生かされているという実感が強い。そしてまだ戦う力は残っている。
 数日前に中学時代の同級生に道路でばったり遭い、「人は病気で死ぬのではない、寿命で死ぬもの」と励まされた。その優しさが心にしみる。
 すべてはめぐり合わせのなせる業、いまはただ空っぽのままなすべきことをなすのみ。
 皆様の日頃のご愛読に感謝申し上げて3年目の筆を擱く。



* 当時は根室に消化器外科医がいなかった。来年3月には外科医がゼロになるかもしれない。135ベッドでは総合病院機能は無理だ。根室でどういう範囲の疾患をケアするのか、その範囲を超えたら釧路の病院とどういう連携をするのかについて市民の間でコンセンサスが必要である。議論を避けてはいけない、現実の問題なのだから。根室も他の地域と同様に高齢化がはじまっており、医療ニーズも変化しつつあるから、市立病院の守備範囲についてしっかりした議論が必要なことはいうまでもないだろう。
 H市長は地域医療についての地方医療協議会の結論を無視し、議論を封殺している。嘆かわしいではすまない、独断で暴走することで根室の地域医療は崩壊寸前である。


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