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#1074 市議会で本田議員が病院建て替えについて質問 Jun. 16, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 15日、本田議員が市議会で市立根室病院建て替えについて質問をした。その内容と市長答弁は本田議員のブログに詳しく書かれている。質問と答弁のみで、感想は一切述べられていない。
 http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/06/222-7843.html 

 
 それゆえ、市長の内容は本田議員のブログでお読みいただくとして、わたしは感想を述べたい。

 ①市が招聘した病院コンサルタント、長隆氏の提言(総事業費30億円での建て替え)をなぜ無視し、総事業費を倍の62億円に膨らませてそのまま突っ走るのかという根本的な疑問は質問にもなかったし、もちろん市長答弁にもなかった。

 ②システム投資について、6年前のニホロ移転案のときに5億円だった。2億円分はすでに実施済みだが、62億円の総事業費案にはシステム投資5億円が載っていた。つまり、7億円に増額されていた。ブログでそのことを書いたら、突然に総事業費から外された(3月)。それと同時にシステムに関する検討委員会が設置されている。そして、現在3億円の予算になり、6年前の案に戻っている。
 いったい何がどうなっているのかについて、市長答弁はなかった。だれがどういう決定をしてこのような迷走をしているのか、意思決定過程があきらかではない。

 ③看護師が3年間で18名定年退職の予定であるが、従来どおり看護学校等への働きかけをするのみで、市長には策がない。
 年間十数億円もの赤字をたら流し続けて、経営改善がまったくなされないことが、若い看護師が応募してこない主たる原因だとわたしは考える。
 将来性がなく活気の失せた病院が若い看護師を確保するのは難しいことは中学生でも理解できる。根室高校では毎年看護系大学、専門学校志望者が10人以上いる。にもかかわらず、帰ってくる者が少ない理由を考えるべきだ。根室が僻地なだけではないだろう。
 従来通りの要請活動だけだと、建て替え後に看護愛不足から一部の病棟閉鎖がありうると本田議員は心配し質問をした。
 看護師不足から病棟閉鎖になれば、病院収益にも悪影響がでて、予測される赤字の幅はさらに大きくなる。
 「看護師不足+派遣医師引き揚げ後の補充なし」の最悪の場合は最大年間22億円の実質赤字。

 ④150床から135床へ減床しても病院建築面積には変更なし、収益にも影響なしとの強弁した。
 ドクター要望で観察室を増設することにしたという。市民を愚弄している。どうしても2倍の総事業費は使いたいらしい。
 減床しても収益上の影響なしと市長答弁。稼働率は80%を予定しているが、過去にそういう年度は一年タリともない。よくて70%、おおむね60%台が実績であるから、相変わらす辻褄合わせの数字の羅列だ。そういう非現実な数字は使うなと振興局から指摘されたばかりだ。


 ⑤昨年7月に基本設計のできる3月までに明らかにするとしていた損益計画は3月末を過ぎても明らかにならず、いまだに検討中との答弁だった。
 年間10億円などで赤字がすむわけがない。昨年度だって12億円である。これに建て替えにかかわる事業費の償却費が5年間はおおよそ3億円加算される。この数字は派遣医師引き揚げの補充がついたという前提の数字だ。看護師の補充もあったとしての話である。何もかもうまくいったという非現実な假定でも年間15億円の実質赤字が予想される。

 派遣医師引き上げや看護師定年退職の補充がつかない場合の損失見込みを明らかにして市民に信を問うべきだ。一番よくても年間15億円、最悪の場合、最大年間22億円の実質赤字に市の財政は耐えられるのか?9月には市長選挙があるから、この点を明らかにして信を問うべきだとわたしは考える。

【一般論、あくまでも一般論だが・・・】
 一般論だが、JVが受注することになる。工事契約はJVが地元企業を下請けに使うことが条件になっている。通常は下請工事はほとんど旨味はない。利幅が薄いのが常識だ。だが2倍もの金額で積算がなされ、落札されたら、下請け工事は旨味がある。なすべき仕事をしない、あるいは不誠実でルーズな仕事をすることで、関係者みんなが楽できる。阿吽の呼吸ならだれも法律違反は犯していない。
 下請け会社の経営者は市長選挙で現市長を応援することになるだろう。ありがたくて涙が出るほどだ。「オール根室」メンバーみんな旨味がある。その他大勢の一般市民は「オール根室」の輪の中には入っていない。
 根室ではそういうことは一切ないと思いたいが、では、なぜ病院コンサルタントの提言(総事業費30億円での建て替え案)は無視されたのだろう。わたしには理由がわからない。
 市長は市民説明会を開いて説明してほしい。疑問は深まるばかりだ。

【情報公開拒否】
 本田議員は問題点を整理して、①の点を除いてきちんと質問をした。①は訊きにくかったのだろう。狭い根室のことだから、いろいろ不利益があるやもしれぬ。精一杯のところだろう、市民の一人として感謝申し上げたい。
 しかし、市議会でいくら質問しても、わずか数十分のやりとりでは事態が変わるわけではないことも明らかになった。
 2900万円の基本設計すら市民には明らかにされないまま、実施設計が強行される。広報ねむろでたった1ページの概要図では情報を公開したことにはならない。ホームページ上でフロアー図などいくらでも公開できるはずだ。
 「市議会で市民の代表の市議の意見はお聴きしている・・・」「市民整備委員会も開いて意見を聞いている・・・」、つまりこれ以上聞く必要はないとの意見をお持ちのようだ。⇒ 一度も市民説明会を開いていないことは無視?市民は市民説明会を望んでいないらしい。意見は市議や市民整備委員が代弁してくれ、市政に反映されているようで、市長の委嘱を受けた病院建設市民整備委員と市民の間に意識のギャップはないというのが市長殿のご意見のようだ。

 補助金は22億円、起債は40億円。5年後に根室市立病院は夕張市のように診療所になっているかもしれない。いただく補助金もわずか1年分の損失補填額と同額となりかねない。それでも市民説明会は必要ないのだろうかと根室市民に問いたい。どういうわけか市議はだれもその必要について言及したことがない。

【ラストチャンスは9月の市長選挙のみ、だまっていれば夕張化確定】
 市議会で採り上げても事態が変わらないことが明らかになった。市長を変えるしかない。だが誰も市長選挙に立つ気配がない。これでは根室を悪くしているのは根室市民だということになる、わたしも根室市民の一人だが悪い冗談だ。

 ほんとうはこのような反吐が出るような話は書きたくない。だが、それ以上に根室を夕張にはしたくない。だから書かねばならぬ、身体に悪いな・・・
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サリー

私も、「ザ・根室市議会ショー」 拝見拝聴しました。
どんな答弁がでてくるのだろうかワクワクしてましたが、あいかわらず、用意された台本を棒読みしてるように思えて、国語と算数が弱い私には退屈でした。

気になったのは、市長の顔色がとても悪かったことです。
お付のメイクさんは、なにをやってるのでしょう。(怒)

病院問題で、市長はアドリブで、何度も「苦渋の選択だった。」と辛そうに吐くように演技してたのが印象的です。
でも、
市長は独裁者役ではないので、その演技のへたさは、側近や関係者たちにも責任があるのでは?と、思いました。

ときどき 舞台袖の役職の方々の表情を拝見していたのですが、台詞のない人は退屈そうでした。たぶん、舞台に立つことがまったくといってない人数埋めだけの端役議員さんたちもそうでしょう。

そういえば、
本田氏が、さらなる情報公開を求めた時、市長は、「市民はそこまで求めていない」、というような発言をしていましたね。
そのとおりかもしれません、ここの住民は。

観客(傍聴者)は、ほとんどなし。
無料なのに、市民もこない関心のないショー。
平日の午前と午後なんて、年金受給者か、プータローか、夜のお仕事の人くらいしかこれない時間帯ですしね。

人気のなさは関心のなさ。
つまり、市長は 誰でもいいのでしょう。


・・・と、今回の舞台を見て ふと感じました。
これでいいわけないですから、塾長も怒るわけですよね。

市長は、有能な役者をそろえるべき!
そして、市長の責任はどこまで?


悪い冗談は、私のブログだけで けっこうです。(笑)

by サリー (2010-06-17 01:23) 

HolyTalker

こんにちは。
傍聴できませんでしたので、本田議員のブログを拝見いたしました。
感想としては一言で表すなら、あまりにも市民を無視した答弁と机上の空論を言っているだけにしか聞こえません。

この市政は『夕張倒産』に何を学んだのでしょうか?
この時代に利益を見込まれず、必ず赤字になる事業になでそれだけの投資を実施できるのでしょうか?

システムにおいても、設計者が理解していないことがこの答弁から理解できます。医療におけるシステム導入はかなり難しいと聞いております。費用削減する為に費用の安い弱小メーカー製と契約して、その後、メーカーが撤退し、大手メーカーへ再契約するというケースも多くあります。
市長や設計者はこの点などを理解した上での費用計上なのでしょうか?
できれば現時点でのシステム設計などを提示してほしいものです。

看護師さんの問題も同様、世の中では看護師のなり手も現象、そして高齢化により退職増加が問題なのに・・・。
市長は、その点を理解できていないのではないでしょうか?

病床数減少すれば収益にも影響するのが普通の考えかと思います。病床数減少に対し、減少しない対策もなしでは経営者としてはマズイのではないでしょうか?

市民はあまりにも無関心過ぎるのかもしれません。
市民が望んでいるのは、別に新しい物を求めているのではなく、市民が望む病院体制を望んでいます。既に時遅しかもしれませんが、もっと声を大にして市へ提言する必要があるのかもしれません。

正直、現市長は前市役所職員な為か、あまりにも市民より職員や業者側の意見を多く取入れている感があります。もっと市民との意見交換会などを開いた上で、新病院建設案を提示できなかったのかと思います。

もう時期、市長選挙ですが、このまま現市長の2期という話ですが、選挙もしないで市長になっているのですから、一度市民に対し、信任投票選挙を実施するべきではないでしょうか?

正直、現市長に対しリコールをしたい気分ですね・・・
by HolyTalker (2010-06-17 08:23) 

mami

看護士、助産師、医師などはなるまでにお金がかかるので、本当の意味で根室に必要と思うのならば、助成金や奨学金などを積極的に投資するべきだと思いますが。。。

昔、お礼奉公が問題になりましたが、現状そうでもしなければ、成り立たない病院がたくさんあるのかと思います。

特に根室はスキルアップするためには不向きですし、それなりのハイリターンがなければUターンして職につくことはないのでしょうか。

本日の新聞に高校生257人のうち、根室に残りたいのが15人!!と衝撃な事実が載っていましたね。ええ、私も高校時代はその15人以外でした。

学生が地元に居ても、何のメリットもない街と考えているのを大人たちは仕方がないと思わないで、少しでも地元に残ってくれるよう努力しなければならないんでしょうか?

今はネット環境も普及していますし、遊びに行く交通費がかかる以外は(まぁ、産婦人科がどうなるのかでデメリットもありますが)さほど不便とは思いません。

しいて言えば、一人暮らし用の物件が高くて親元以外は都会とあまり変わらない出費でしょうが。

差し引きすれば、メリットだって色々あると思うんですが・・・。

だからと言って、就職難がよくならない限り、地元に残ってくれとはいいづらいんですけどね。

市長になりたい人なんて皆無なんでしょうね。こんな山積みの問題を抱えた現状に誰が立候補したいと思いますか。誰か、出てくれたら現市長もほっとするかも知れない(苦笑)。


by mami (2010-06-17 09:11) 

ebisu

たしかに市長の顔色は悪かったですね。私も「病人」ですが、市議会の市長はわたくしよりももっと病人らしい顔色だった。言葉に覇気が感じられなかった。

議員が質問している間、半分くらいは十数個ある答弁書をひっくり、返し並べ替えていましたね。副市長が手伝っていました。
市議会を日曜日に開催するようにすれば市民の傍聴が増えると政治改革特別委の招聘したNPO代表が言ってましたが、根室は例外かも知れないという気がしてきます。
ほとんどの市民は関心がないのかもしれない。

退職して暇している友人を誘ってみたのですが、ダメでしたね。市議会を傍聴に行ったことが周囲に知れると、なにかと不都合なことがあるというのが理由でした。
大半の市民が市政や市議会に関わり合いたくないのかもしれません。"アンタッチャブル"、市政は一般市民が関わってはいけないもののようです。

それでも行くところまで行けば、根室に住んでいる限り関わらざるを得なくなります。ツケは市民や市職員が支払うのですから。

労組の専従はぜひ市議会傍聴に来てほしいものだ。自分たちの運命に直接関わりがある重大事がノーチェックで市議会をパスしていくのを自らの目で焼き付けて、罪の意識におののいてほしい。

「悪い冗談」はサリーさんのブログと、ebisuのブログで十分ですね。もう一つ加わったら、根室の市政ががらっと変わってしまいます。そうしたら「悪い冗談」も書けなくなる。

by ebisu (2010-06-17 10:12) 

ebisu

システムに関しては、おそらく概略仕様書や実務設計などを描くことができないのでしょう。職員の能力不足もあるのではないかと推察します。あったら、このような迷走は考えられません。80年代に大きな統合システム開発に2件関わったので、どういう状況なのかある程度は見えています。お粗末な仕事です。意識レベルも、技術レベルも田舎ですね。
どうやってこういう技術者を育てるかということが問題です。今後も似たような問題は出てくる。システムの更新もあるし、何度かに一度は全面的な見直しも必要になります。

奨学金ですが、医師には私学の場合6年間の学費全額補助、生活費とあわせて4000万円が上限でしょうか。
看護師や助産師は考えたことがありませんでしたが、この職種も仰るとおりもう奨学金で育てるしかないのかもしれません。

市長は説明が下手です。助役時代に市民説明会で大失敗(虚偽説明)をしているので、二度とやりたくないのかもしれません。

根室のいいところはありますよ。私はたまにサイクリングをするのですが、信号のない18キロのコースは全国を捜してもなかなかないし、たまに行く春国岱は観光客がほとんどいたことがない、オジロワシが飛ぶ手付かずの自然がある。オホーツクに沈む夕陽も他に比べようもないほどに美しい・・・

子どもたちがふるさとに愛着を持てるような町づくりさえあれば、かわる。

そうしてみると、地元経済界が一番問題かもしれない。能力不足と志の低さがここに象徴されているような気がします。子どもたちの学力の低さよりも、地元経済界の学力や能力の低さは、全国一斉学力テストのようなものがないから、ご本人たちは気がつかない。でも、町の経済の長期的衰退に現れている。ゴマカシはきかないものです。

教育問題を佐藤敏三議員が採り上げましたが、全道で一番学力が低い現状が地元経済を長期に低迷させるのではないかとの懸念を表明していました。
そのとおりだと思います。しっかりした質問だったのでブログで採り上げます。

このままではいけないと、HolyTalkerさんのように根室を何とかしたいという思いでコメントを寄せてくれる方も根室にはいる。
決して無関心の人ばかりではないのです。心強く感じます。思いが現実を変える日が来る。

好い加減な仕事をしている人たちだって、心の底の底では、根室の町の繁栄とみんなの幸せを願っているのです。ただ目先にぶらさがっている利益に目を奪われたり、楽をしたいという怠惰なきもちに負けてしまっているのでしょう。そういう人たちも、いつか正道にもどってきます。
行き着くところまで行ってからでもいいし、そうなる前に気がついてもいい、いいややはり早いほうがいいですね。
by ebisu (2010-06-17 10:46) 

ebisu

>市長になりたい人なんて皆無なんでしょうね。こんな山積みの問題を抱えた現状に誰が立候補したいと思いますか。誰か、出てくれたら現市長もほっとするかも知れない(苦笑)。

そうも言えるかもしれないとmamiさんのコメントを見て、いまさらながら根室市が困難な局面にあるのだと思い知らされます。

誰も自信がない、この難局を乗り切る具体案がないので、市長選挙に対立候補がでてこない。
今までの経緯から考えて、問題をひたすら先送りし、偽りの説明をしてきた現市長が何とかできるわけもない。
市議会での市長答弁は答弁書の棒読み、それもじつに覇気がなく、顔色も悪かった。気の毒だから替わってやろうという人はいないようだ。

夕張市のように行き着くところまで行くのしかないのかもしれませんね。それにしても労組が無関心なのがわたしには理解できない。起きる事態への想像力すら欠如しているのだろうか。夕張がお手本を示してくれているのに。

最悪の場合、根室は財政破綻、病院診療所化を契機に変わればいい。
夕張と同様なら、立派な建物が残されて、入院病棟のない診療所となる。職員の大半が退職を余儀なくされる。労組はほんとうになにもしないでただ、こうした事態を待つのだろうか?不思議だ。
by ebisu (2010-06-18 13:31) 

mami

関係ない話ですが、産婦人科医の着任が無期限延期になりました(ニュースソースはNHK釧路版です)。現在の勤務先での後任が見つからない、というのが理由だそうですが、それはていのいい病院の後付の理由だと思います。病院側は再開したくないんだから!!

「ああ、やっぱり」

という思いですが、落胆も大きい。

ないならないで、とうに諦めていたのですから含みを持たせた病院側の落ち度は大きいと思います。

なんだか、先が思いやられますね。
by mami (2010-06-18 19:05) 

ebisu

え!本当ですか?
産婦人科医が赴任しない?
7月赴任、産科病棟再開と言っていたのに、6月も19日になって赴任は取りやめですか?
信じられない。
本当なら病院事務局は好い加減な調整、確認をしているようですね。
仕事が実にお粗末だ。
by ebisu (2010-06-18 22:22) 

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