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暫定税率維持:民主党マニフェストって一体なんだったの? #837 Dec.22, 2009 [B7. 政治に求めるもの]

暫定税率維持:民主党マニフェストって一体なんだったの?  #837 Dec.22, 2009
 自分が決めるとことあるごとに言っていた鳩山首相は普天間問題では、「決めないことを」決めただけだったが、今度はほんとうに二つ決めた。
 ガソリン暫定税率を衣替えで維持することと、所得制限なしの子供手当て支給の二つである。前者は小沢幹事長の顔を立てたが、後者の所得制限は国民背番号制を先にやっておかないと不可能な話だ。そうした準備もなしにできるわけがない。準備なしにやれば、地方自治体に膨大な事務作業が発生し、支給が参議院選挙後になりかねない。ようやくそこに気がついて、慌てて所得制限なしの支給としただけのことである。

 暫定税率維持は2兆円の財源確保が目的である。民主党マニフェストの正体は、自分たちがばら撒き政策だと批判してきた麻生政権の定額給付金を何倍にも膨らませたものだった。
 曰く、農業所得保証、高速道路無料化、子供手当て、高校無償化などなど。財源はいくらでも捻出できると豪語していた。

 3兆円の財源が捻出できると勢い込んだ「事業仕分け」はたった6770億円しか成果なし。マニフェストで公約した事柄を折込、95兆円に膨らんだ来年度予算概算要求は、一向に縮まらない。

 見通しが甘いだけではない、予算削減の実行力もない。要するに、仕事のできる人がほとんどいない。菅直人の国家戦略室は開店休業状態。民主党国会議員もわが故郷根室の市議会議員たちと余り変わらないようだ。30代で責任を任され(政治家以外の)仕事をしっかりしたことがない人がほとんどだから、こうなることは予想の範囲内だった。
 結論から言えば、政権欲しさに民主党はできもしないことをマニフェストに書いたのだ。実行すれば財政赤字は巨額になる。自公政権以上の赤字国債増発になる。今のところそうなっている。

 9月初旬に政権が発足してから3ヶ月が過ぎた。概算予算要求額を見る限り、自公政権時代とどこに違いがあるのだろう?違いはといえば赤字国債増発額が実質50兆円を超え、記録を更新しつつあることぐらいだろう。「事業仕分け」でカムフラージュされているが、その背後にあるマニフェストには放漫財政そのものの政策項目がずらり並んでいる。

 36兆円の税収しかないのに、95兆円も使ってどうするのだろう?本当は国家公務員の給与も半額にしなければならないほどに財政構造は悪化している。何が引き金になり、いつ破滅的な国家財政破綻が起きるのか誰にもわからない。
 税収の範囲内でやりくりし、毎年借金を10兆円ずつ減額する長期展望に智慧を絞るべきだ。そうした視点に立てば、このような莫迦げた概算要求など消し飛んでしまうだろう。

 血のにじむような節減をして毎年10兆円減らしていっても返済に100年かかるほど借金の山は巨大だ。できれば、不測の事態に備えて年間予算額の3年分くらいの積立金をもっていたいものだ。日本を壊滅的な財政破綻から救うためには素朴で健全な財政感覚が国会議員に求められている。
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